アクセスしづらいし観光ポイントがあるわけでもありません。
知名度はありますが行ったことがない人も多いハズ。
意外と近いので一度くらいは行っておいた方がいいのです。
長野県の北の秘境【秋山郷】
よくもまあこんなところに集落作ったね、というような山の中です。
長野県北部の代表的な秘境が「秋山郷。」なのです。
長野県には山しかありません。
人が済みやすい平野部なんてほんの少し。
川が削ったわずかなエリアに人は住み、山を隔てれば文化も言葉も違うのが長野県です。
山間の集落は土地が広くないので人口を増やすことはできません。
街道から外れれば自然と消滅する運命っぽいです。
昭和以降、既に何十もの山村の小規模集落が消えていったみたいで、ワタクシも結構な廃村を見てきました。
※怖いので散策はしませんが。
有名なところでは南信の「下栗の里。」は秘境として有名になりましたな。
メイン街道から外れ公共交通のアクセスが非常に良くないので長い間陸の孤島と化していたところです。
※SNSなどで発信されて秘境っぷりが再認識されたため、ちょっと観光地化したけどバイク乗りなら一度行くべき。
こんな記事もあります▼
対して。
北信地域にも秘境があります。
新潟との県境にある「秋山郷。」です。
ココは昔も今もたぶん将来もきっと秘境のままなのですよ。
なにせ深い山の中の谷間の集落でいつ廃村になってもおかしくないレベルの過疎地です。
バイクなら難なく行けるので行けるうちに行っておきましょう。
苗場山の西側にある
途中にユーミンのクリスマスコンサートやフジロックフェスティバルで有名な苗場山があります。
「秋山郷。」はこの派手なイメージのある苗場山の西側にあります。
山一個隔てただけでこれだけ田舎になるのか‥と思うこと請け合い。
※現在は苗場もかなり寂れていますが秋山郷はその十倍は寂れています。
最近は苗場を通るR17の三国峠も交通量少ないけど 秋山郷はR405があるとはいえ、道が所々細くて交通量は極小です。
それでも夏の観光シーズンになると県外ナンバーの車が地元の車より増えるのですが、
この辺りは真冬は日本有数の豪雪地帯でアクセスがさらに悪くなり、スキー場などもないため訪れる人は少ないのです。
観光する様なポイントはそれほどないのですが山奥感はあります。
秋山郷は観光地というより、山登りする人達にとっては苗場山への西側からのアクセスルートとして知られているようです。
※R405沿いに何か所か苗場山への登山口の案内が出ています。
道端から見える景色がコレよ。
舗装されてるのが不思議なくらい人間の気配が薄いのよ。
秋山郷にはほぼお店はなく、
小規模なお土産屋さんが何件かあるくらいで食事できるところも多くありません。
※屋根のないガソリンスタンドは1件あるけど田舎のガソリンスタンドなのでやってない可能性も高い。
とんでもない山の中の谷間の集落と思えば間違いないです。
メインルートは新潟からアクセス
基本的にはR405一本道です、
R405は秋山郷の南端で途切れていますが山を隔てて群馬県につながっています。
長野県には分断国道がめちゃめちゃ多いです。
R405も秋山郷の南で分断され、群馬県草津町で再開しています。
現時点で山を越える道はありませんし、トンネルを掘るにも迂回するにも山が険しすぎる。
国道を作ったところで経済効果は見込めないくらい人住んでいないので多分ずーっとつながることがないと思われる正しい分断国道なのです。
ゆえに。
「秋山郷。」にアクセスするにはR117で新潟県津南町からR405で南下するのが普通です。
長野市街から行くと一旦通り過ぎて戻る感じになるので今回は南側の奥志賀林道を経由してアクセスしてみました。
道幅が狭いし見通しが悪いし荒れてるので、車で行くのはイマイチおススメできませんが通れることは通れます。
ところが。
小さいバイクはこういう所が大得意なのですな♪
ちなみに・・
R117は長野県北信エリアと新潟県中越エリアを繋ぐメイン街道なので交通量もあるけど空いていて市街地以外は流れが早い。
田舎の三桁国道にしてはガソリンスタンドも休憩スポットも比較的あるので人気のあるルートで、
走っても気持ちがいいのでワタクシも良く使います。
最近、関東圏から長野県北部に来るのに関越道の塩沢石内ICで降りて、R353、R117とつないでくる人が多いんだってね。
※軽井沢とか新幹線も通る長野の人口が多い東信の平野部を通らないので渋滞が少ないからねえ。
奥志賀林道雑魚川線でアプローチ
奥志賀林道、雑魚川林道を経由ですが崩落などで通れないことも多く、あまり一般的ではありません。
でもなぜかバイク乗りには結構人気のあるルートです。
前述したように「秋山郷。」には基本的には北側の新潟県からアクセスするのがセオリーです。
が。
よほど好きモノに限りますが 長野県側からアクセスする手法がないわけではありません。
志賀草津道路から奥志賀林道を経由して雑魚川林道(一応舗装路)で秋山郷に出ることができます。
こんな記事もあります▼
が。
奥志賀林道を含めて秋山郷への道は、
何かあった時に修繕される優先順位が極めて低い道路でもあります。
すんごく深い谷です。
ちなみに、この写真の反対側は崖です。
特に県道ですらない雑魚川林道の修復優先順位はメチャメチャ低いので、通行止めになってることが極めて多いです。
※奥志賀林道は一応県道ですが 長野県がお金がないので 一度通行止めになるとそのシーズンはずっと通れないとか普通です。
田舎の山道はいつでも通れるわけではありません。
そして、
いつ廃道になってもおかしくないのですよ。
今のうちに走っておくことをおススメします。
昔は奥志賀有料だったのでもう少し道も良かった印象があるのですが、無料化されてから通行止めが増えたような気もします。
※有料だった時代も料金所の人配置しなければならないし、通行料考えると採算合わかったと思うんだけれど。
よく見ると料金所がある旨が塗りつぶされているのが見て取れる。
※看板位新しく作ってやってくれよ。
この辺りは基本的には舗装されていますが、道は1.5車線程度のセンターラインなし。
所々砂が浮いてたり路面が荒れてる箇所も多いです。
ガチガチに固めた足回りを持つオンロードバイクは大変かもしれません。
※こういう所はオフ車が最高です。
道中は ほとんど人の気配がせず もちろん自販機とかトイレとかガソリンスタンドなんかもないです。
※ここに限らず山の中でのガス欠は死活問題ですし、真夏のツーリングでは水を携行するのは基本ですが。
交通量が少ないとはいえ、たまに暴走する県外ナンバーのでかいSUVなどを見かけることがありますので要注意です。
※カーブミラーとか雪でひん曲がって明後日の方向向いてたりして意味がないのでホーンは必須です。
この辺りはスマホがつながりません。
もし事故を起こしたら救急車は半日くらい来ないなのでくれぐれも無茶せず慎重に進みましょう。
ともかく、
長野県でも有数の人の気配が薄い山の中の道だと言えましょう。
しかも景色が変わらないので飽きるくらい長いです。
人の気配が薄いので、
昔ワタクシはこのルートで真昼間から 本来夜行性のはずなのに油断しまくってた アナグマが道を歩いてるのを見たことがあります。
※バイクで近寄っても慌てないし逃げないレベル。
大自然はいいのですが、
この道もいつまでも通れるとは限らないのです。
こんな記事もあります▼
ちなみに・・
この道中で大滝という看板みたいなのがあったので止まってみました。
が。
滝まではバイクを止めた舗装路からだいぶ歩くのです(笑)。
※すぐ近くみたいな表記はあるのですが。
一応、しばらく滝に向かって遊歩道っぽい道を川に向かって下る道を歩いてみたのですが、
道には立派なキノコが何本も何種類も生えてるくらい人が通った形跡がない(笑)
※一年でどれくらいの人が歩くのかね?
10数分ほど未舗装の遊歩道を歩いて小さな沢に出ました。
そこから滝までの道が上流から流れてきたと思われるたくさんの木々でふさがれているのをみて進軍を諦めました。
※バイクも道端に止めたままだったし。
もちろん、人の気配は一切ありません。
※人よりクマにエンカウントしそうなので一人で行かないように。
空は夏晴れで気温も快適。
風邪も涼しく沢の音もあって気持ちはいいけれどクマが怖い。
「秋山郷。」は一言でいうと山深い谷
結構、R405の道沿いに絶景ポイントがあるのです。
景色がいい所というのは大抵崖ですので地図の高低線をみるとなんとなく景色がいいか悪いかわかるようになります。
奥志賀林道も雑魚川林道も山の中なのでほぼ眺望がありません。
夏は木々や草が伸び放題なのでさらに視界を遮ります。
※コーナーの見通しは最悪レベルです。
が。
切り立った崖に沿った道のR405に抜けると見晴らしがよくなります。
※よそ見してると危ないけれど。
道の下のちょっとした広場みたいなところにも田畑があったりして、
日照的に植物の育成が悪そうだし よくこんなところで農作業するな、という気にもなります。
良く知りませんがこの辺りは豪雪地帯で雪解け水が豊富なので食べ物は美味しいのかもしれません。
※水が旨い所は例外なく米と酒が旨いんですよ。
マイナーな観光スポットにもほどがある。
※でもこういう所がバイク乗りは大好きなのをワタクシは知っているのだ。
でもこの辺りの集落には商売っ気がほとんどありません。
小規模なお土産屋さんとかは一応あるのですがほとんど閉まっていました。
今回は秋山郷のお店には一切止まりませんでした。
※見通しが悪いところに駐車場があったりしてわかりづらいのよ。
それでも、
一か所観光スポット的な橋があったので止まって撮影はしてみました。
あんまりおもしろくなかったですが「山が深いな。」ということはわかりました。
※「秋山郷。」は見るところがなさ過ぎて数少ない旅行者がこの橋でみんな止まるのでつられて止まるのだった。
まとめ
交通の便は悪く見どころがある観光スポットもありません。
人気のないとんでもない山奥ですが「昔から人が住んでいたんだな。」という感じはします。
近くに来た際は寄っておくべきですよ。
「秋山郷。」は秘境ですが意外と近いのです。
※行くのがめんどくさいだけで。
ただし、
観光地ではないし、通りがけにちょっと寄るような場所ではありません。
土地特有の変った美味しい食べ物があるわけでも無いです。
普通の人の感覚なら地図をみても、
R405を往復するルートになるので観光の周遊ルートにはなりずらい。
少なくとも普通の感覚なら大きな車で雑魚川林道を通り抜けようとは思わないんじゃなかろうか。
だからこそ、
現代でも秘境がそのまま残ってるのです。
長野はこんなところばっかりですが、
「交通の便が悪く、名物もなく、人が住んでないような場所は旧態依然として残り続ける。」
の法則です。
それでもこの周辺には維持できなかった集落も結構ある様です。
今回は行きませんでしたがよく地図を見ると国道からそれた場所にはいくつか集落の跡がある様です。
とんでもない山の中ですが昔から人が定住していたんですなぁ。
一生海とか見たことない村人とか、人間関係は集落内とその近辺だけとかいう人たちがいたはず。
とか思ってしまいます。
※長野はこんなところばっかり。
日本中に山間地の集落はありますが、大体は平家の落人の里みたいな感じです。
秋山郷は山奥のどん詰まりだからかもしれませんがそういうのとはちょっと違って、
完全に開発から取り残された類の秘境の匂いがするのですよ。
日本にもこういう文化があったということを現代人は知っておいたほうがいいのです。
将来的に日本は人口が減り続けることが確定していますので過疎地の集落が繁栄することはないでしょう。
近い将来、ヘタするとR405だって閉鎖されたり、県道に格下げされたり、廃道になったりするかもしれません。
後世に伝えなければなりません。
人口が減るってそういうことですよ。
もう少し秋山郷は観光に力を入れてもいいとは思うけれど日本有数の高齢化集落の最前線にいるのは確実です。
高齢化が進んで現状維持が精いっぱいの集落のほとんどは例にもれず滅びていく運命なのです。
幸い、我々は機動力があってかつ狭い道に適したバイクという乗り物を操ることができます。
こういう場所が存在するうちに出来るだけ自分の目で見ておきたいものです。
かつて長野と新潟の県境の深い山間に人が住んでいた集落があった、とか昔話になる前に。
秋山郷につながるルートは多くないし険しい山道です。
R405でさえ道が狭いです。
こういうところは何時災害で道路が閉鎖されてもおかしくないのですよ。
看板は情報量多めだが事実はかなり地味ではある。
だから行けるうちに行っておけ。
ということです。
秋山郷自体には休憩できるポイントは少ないし、観光スポットはあんまりありません。
※なくはないが閉まってたり見落としたりしがちなので利用できるチャンスはそれほど多くないです。
でもバイク乗りはこういう所が大好きですからねえ。
※こういう所でバイクのイベントとかやればいいのに。一応キャンプ場はあるみたいだし。
こんな記事もあります▼