現在、Z1-Rで運用中の生産から30年以上経っているゼファーのキャブはどうなっているのだ?
前回いつOHしたかまたく覚えてません。
ゴム製品である以上、どんなものでも劣化は拒めないハズなのですよ。
果たしてどうなってるのか?
当記事の目次
負圧キャブのダイアフラムに興味深々
少なくとも10年以上は放置されたため、劣化して硬化したものと思われます。
負圧キャブというのは本当にいろんな物理の原理で動いているキャブなのです。
なかでも様々なゴムが様々な役割をきちんとこなすことで正しい混合気を作りだしています。
まあ多少は不具合があっても動いちゃうのが負圧キャブの 適当で 素人に優しくていいところなのですが。
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放置されたキャブのダイアフラムは硬化が進んでいましたが、
現役で使い続けている負圧キャブのダイアフラムはどうなっているのか。
少なくとも10年くらいダイアフラムカバーを開けてない気がします。
調べてみたら思いもよらない結果になっていました。
というわけで記事にしておきます。
ちなみに・・
ここのところ日々忙しくてこんなことやってる場合ではないのですが、
ちょっと時間が出来たのでキャブを外してリビングに持ち込んでの作業です。
キャブを部屋持ちこむ場合、
完全にフロート室からガソリンを輩出しておくのは当たり前です。
が。
当然、各種スプレーを使う場合は密閉されている屋内空間での作業は引火するリスクが爆上がりします。
※当倶楽部のように薪ストーブの様なもろに火元を抱えている場合、気化器については屋内作業をするべきではありません。
こんなくだらない趣味で家屋全焼とかシャレになりません。
重々気を付けたいものです。
※ボヤ騒ぎでニュースとかで報道されたら末代までの恥です。
フロート室のガソリンを抜くのは屋外でやる。
それと。
スプレーなどを使わなくてもエンリッチャー(燃料系)の作業を屋内でやると、どうにもこうにもケミカル臭がすさまじいことになりかねません。
家族にもの凄く怒られますので、こちらも注意が必要です。
※特にガソリン系の汚れの匂いは繊維に浸み込む感じすらしますのでカーテンとかに匂いが付いたら大変なのです。
ファブリーズしてもしばらくは消えませんよ。
※思いっきり経験談です。
使い続けた負圧キャブのダイアフラムは意外と綺麗
当ブログでは何度も書いているようにゼファーのCVKキャブです。
※4気筒の4連キャブなので面倒くさいのは確かですが、手慣れたもんなので15分もあればキャブは外せます。
放置気味のキャブのダイアフラムは固くなることがあるのはVT250Fのレストアでわかりました。
では、運用中の負圧キャブのダイアフラムはどうなっているか?
興味があったのでZ1-Rで使ってるゼファーのCVKキャブを清掃ついでに分解して見ることにします。
肝心のダイアフラムは、キャブのトップ部を外せば出てきます。
ゼファーのCVKキャブは4連なので4個のダイアフラムが内蔵されています。
これが一つでもまともに動かない場合、調子を崩すことになります。
とりあえず、一個外してみました。
バキュームピストンと一体化しているゴム部品がダイアフラムです。
ダイアフラムはキャブの上の丸いカバーを外すと出てきます。
とにかく見た目も手触りも「キクラゲ。」に非常に似ています。
※高級中華料理に入ってそうな感じすらします。
穴も開いてなくて、よっしゃよっしゃ♪と思って軽くシリコンスプレーした後、
再度キャブに組み込もうとしたのですが・・できません。
なんと、元に戻せなくなってるのです。
穴こそ開いていないがふやけている?
問題ないと思えたダイアフラムですが、キャブにちゃんとハマりません。
うわ、ナニコレ。
キャブの上部のキャップを外すと、キャブボディ本体に溝が切ってあり、
ダイアフラムの外周部のちょっと厚くなってる箇所をこの溝にはめ込んでからキャップを締めるようになっています。
でも、その溝にダイアフラムがハマらない。
無理やり詰め込もうとしると間違いなくダイアフラムを噛みこんでしまいます。
そうなると負圧があってもまともな動きをしないことは容易に想像できます。
この状態だと一回り大きくなってるのがよくわかる。
明らかに、
「ダイアフラムがふやけて一回り大きくなってる。」
のです。
4連キャブ全部のダイアフラムがふやけていたので、ダイアフラム個々の問題ではなく、全体的に起こっている現象っぽい。
当倶楽部ではCVKキャブの下半分はじぇとの清掃や油面調整などで普通の人の倍くらいの頻度でバラして清掃していますが、
上の方は不具合がなくちゃんと動いていたのでノータッチなのでした。
うわマジか。
ちなみに・・
ダイアフラムに穴が開いてなければ、ふやけて伸びていてもCVKキャブはちゃんと動きますね。
※当倶楽部のZ1-Rがまさにソレでした。
現にバラす迄、 正常かどうかは別として 特に不具合ははなくダイアフラムのふやけには全く気が付きませんでした。
※負圧キャブは 超精密機械ですが そんな神経質な作りじゃないのですなぁ。微妙なもんです。
ふやけたダイアフラムのキャブを一度ばらしたら最後、元には戻せないと思った方がいいです。
なので、
不具合が無ければ特に触れないというのも手です。
でもバラス場合はダイアフラムなどのパーツはストックしておくことを強く推奨いたします。
リペアキットは1セットストックしておくと気が楽です。
ふやけた負圧キャブのダイアフラムは一度外すとに二度と元には戻らない
ふやけたダイアフラムは交換するしかないのです。
「ばらしたキャブが元に戻らなくなった。」
普通はココで青くなるところです。
※ワタクシにもそういうことは、今でもたまにあります。
が。
賢明なワタクシは、キャブのリペアキットをたくさん買い込んであるのでした♪
ゼファーのキャブをはじめとするCVKキャブのオーバーホールキットには、ダイアフラムも同梱されているものがあります。
これを使わない手はないのです。
4気筒はこれが4セット必要なのですごく贅沢。
人気車種であるゼファーのキャブですので、リペアキットは各社から出ています。
趣味でいろんなメーカーのリペアキットを買い集めた時期もありました。
セットになってるジェットニードルの番手とか違って面白い。
値段はピンキリです。
でも 中華の国で作られたと思われる 極端に安いリペアキットは、ジェットがクソでアイドリングすらしないものもありましたので注意は必要です。
多少高くてもキースターさんのキットが確実なのでおススメです。
こういうリペアキットの存在は旧車乗り、キャブ車乗りには非常にありがたい存在です。
もしなかったら・・。
ワタクシだって青ざめますよ。
そして、
リペアキットの販売メーカーはそれほど規模が大きくはないだけに、いつまでも販売してくれているとは思えないのですよ。
※Z1系のリプレイスの外装パーツにも欠品が出始めていますしね。
こんな記事もあります▼
ゼファーのCVKキャブのダイアフラムを交換する
ダイアフラムの交換方法を知らないとバキュームピストンを破壊してしまうことになりかねません。
※ワタクシも昔一個壊しました。
バキュームピストンの上部の溝にダイアフラムはハマっているだけです。
ついているダイアフラムの内径の穴を引っ張って広げて、バキュームピストンから外していきます。
CVKはダイアフラムが別パーツでとてもいい。
※VT250Fのダイアフラムはバキュームピストンと一体化してるのでパーツ代がくそ高い。
再利用しないとはいえ、ちぎれて中に残らないかひやひやします。
途中で切れたりすると最悪なので慎重に行きましょう。
ふやけたダイアフラムは強度が落ちている感じがします。
※今回、一個外すときに失敗してちぎれましたが幸い溝の奥底にダイアフラムの破片は残らなかったのでほっとしました♪
新しいダイアフラムは、内径の穴を引っ張って広げてバキュームピストンの溝にはめ込んでいきます。
「ここまで入れる。」的なラインがあるのでそこまできちんとはめ込みましょう。
工具を使うより、爪を使って地味に押し込んでいく方がダイアフラムを傷めない気がします。
※前日に爪切っていたのでちょっときつかったけれどなんとか上手くいきました。
ちなみに・・
ワタクシは昔、バキュームピストンはダイアフラムを挟み込むように上下で分割できると思っていました。
分割できそうな別体パーツっぽい見た目なんですよ、これが。
※非常に文章ではわかりにくいのですが、画像はあえて載せません。というか撮り忘れました。
ゆえに、
細いマイナスドライバを突っ込んでちょっと捻ってみたところ・・。
当たり前ですが 思いっきりバキュームピストンが割れまして(´;ω;`)
まさに「素人のいじり壊し。」です。
パーツがあるうちはこういう失敗も笑えるのですが、部品難になってくるとシャレにならないのです。
だから、
「部品取り用のキャブもたくさんストックしちゃう。」
のです。
でもたぶんダイアフラムはダメだな。
直径3mmくらいのゴムのOリングが無くてもキャブはまともに動かなくなるのです。
そして、
純正キャブのパーツはこの瞬間もどんどん入手できなくなっているのです。
まとめ
ゴムって硬化もすれば、ふやけることもあるんですねえ。
※ゴムってそういう性質でしたっけ?混合物質の配合割合でゴムはどんな特性にもできるんですねえ。
負圧キャブのダイアフラムは奥が深いですな。
動かさずに放置したバイクのダイアフラムは硬化しがちです。
VT250Fのダイアフラムで学びました。
こんな記事もあります▼
一方、放置してせずに使い続けたバイクでは「ダイアフラムはふやけて伸びることがある。」のです。
多分、新車時と同じ動きはしないでしょうねえ。
気が付きませんでしたが。
ゴムっていろんな風に劣化する不思議な材質なのですねえ。
また一つ勉強になりました。
一見、右のほうがきれいで新しく見えますがこっちがふやけた古いやつです。
まあ、割と強い油脂であるガソリンに常にさらされているので仕方ないのかもしれませんが、
「薄いゴムの幕であるダイアフラムは、経年劣化でふやけて伸びる。」
ことは実際にあるのです。
ふやけたダイアフラムは一度ばらすと元に戻りません。
何となく薄くなって、強度が下がっているようにも見えます。
※粒子の結合が弱くなってるので「ふやけて伸びた。」ということなので、強度も落ちるのも頷けます。
とりあえず、
負圧キャブのダイアフラム周りは、まともに動いているならバラさずに使い続けるのも手ですが、
10年も何もしていないのであれば「部品が出るうちに新品に交換するのがベスト。」な選択とも言えます。
人気車種ならリペアキットとかオーバーホールキットが純正より安価で売ってたりしますが、
「いつ販売終了になってもおかしくない。」
と思いましょう。
※今度買おう!と思ってるうちに欠品になるのはよくあることです。
ワタクシなら、即交換する予定が無くてもリペアキットは入手しておきますね。
不具合が出たら、手持ちのリペアキットで対処して買えるなら再度購入しておきます。
こういうのをローリングストック方法というのです。
※災害時の物資の備蓄方法と同じです。
バキュームピストンもセットになってるリペアキットもある。
世の中は内燃機エンジン、しかも燃焼効率の良くないキャブには逆風ですので、手に入るうちに入手に動く方がいいですよ。
ワタクシもこの一件でもうワンセットのリペアパーツキットを購入しました。
※なくなってから慌てても仕方ないし、探すのも大変。その時になると対象パーツが高騰するのは何度も経験していますし。
長く同じバイクに乗ってる人は、
一度起こしたトラブルの経験を忘れずに、再発した際にはすぐ対処できるようにしていることが多いです。
特に旧車はストックパーツをどれだけ持っているか、が重要になる場面は少なくありません。
往々にして勘違い的なパーツをストックしてることもありますが とりあえず部品がないと話にならないからです。
いざ壊れてからパーツを探し始めると 壊れる箇所はみんな似たようなもんなので 既に欠品だったり、中古パーツ価格がボッタクリだったりということはよくあるのです。
※ヤフオクに出ている中古パーツは8割がたまともじゃない、くらいに思ってたほうがいいですよ。
とりあえず、
ゼファーのCVKキャブのダイアフラムが「新品からどれくらいの期間でふやけるのか?」について計測を始めます。
※リペアパーツだから純正より長持ちしなそうです。
この作業も慣れたもんなので、日常茶飯事になっていますなぁ。
ダイアフラムを新しくしたZ1-Rは レスポンスが良くなったとかわかりませんが ダイアフラムを更新する前とほぼ変わらない動きをしています。
ともあれ。
バイクや車のゴム製品は必ず劣化するのです。
こうしてみるとキャブの溝より一回り大きくなっているのがよくわかる。
そして、
という心がけを忘れてはいかんのじゃよ。
ちなみに・・
バイクの種類は多岐にわたるのでむつかしいのかもしれませんが、古い英国のキャブ車にはオーバーホールキットがあります。
※旧miniの世界では結構当たり前でした。
英国のminiショップでは年式毎、仕様毎にキャブのリペアキットが存在しています。
もちろん、ERAターボなんて言う超絶マイナー車種でも、です。
それがしゃりょ販売終了から30年経ってもまだ不通に売ってたりするのです。
羨ましい。
こういう文化は日本には全くないですよねえ。
世界中にバイクを売りまくった日本なので、バイクのキャブのリペアキットの文化があってもおかしくはないんですが。
※日本車なのに海外のメーカーがリペアキットを出してることはある。なんか負けた気分です。
バイクでも車でも長く同じ車種に乗り続けたいのであれば、
最新技術の粋を集めたモデルよりも、できるだけ原始的なスタンダードな作りの車種の方が良さそうです。
※キャブの違いによる性能差なんて公道を走る限り、素人にはわかりませんよ。