デカい空冷バイクで出かけるのが億劫になるくらい暑い。
久々にZ1-Rを引っ張り出したらなんだか低速トルクがいつも以上にない気がする。
原因究明をしたのですが迷走しまくりました。
点火タイミングだったとはねえ。
低速トルクが減った気がする
でも長い付き合いだからこそ気が付かないこともあるのだ。
※決して放置してるわけではないんですがね。
気温が35度を超える中、Z1-Rで近所の散歩ツーリングに出向いたのです。
※市営プールが駐車場待ちで渋滞するくらいの気温です。
何となくZ1-Rがアイドリングチョイ上あたりがもたつく。
信号のスタート時に発進がもたつく気がするのだ。
中速域になるとそれなりにパワー感はあるのだけれど。
とりあえず、走るのにはないけれど細かい点が気になり始めると次第にストレスになってくるのだ。
長年の相棒であれば 致命的に どこか悪いのかとなおさら気になるのです。
というわけで。
帰宅後さっそく原因究明を開始したのだ。
※気のせいということもあるのだけれど。
極低速域が細る原因はいろいろあるので原因究明でしくじると迷走しかねないのよ。
※最近こんなのばっかりだけど、気分良く迷走しまくっています。
例えば、
最近モリブデン系の添加剤を入れたため、オイル粘度が上がっているというのがある。
でも硬いオイルを入れても暖気が済んだ後はそれほど影響がないのは経験済みなのだ。
※寒い日や始動直後のアイドリングが不安定になるのは固いオイルの宿命だとしても、作動音が減るのは捨てがたいし。
こんな記事もあります▼
例えば、
エアクリーナーが詰まり気味で混合気が濃くなっている、とかがある。
アイドリング付近で濃くなる場合、傾向として回転上昇が「もももも・・。」と一瞬戸惑う感じになる。
※そのうちプラグがかぶってエンストする。
例えば、
スロージェットやパイロットジェットが詰まり気味で混合気が薄くなてるというのもある。
薄くなる場合、傾向として回転上昇が「軽いけれど力がない。」感じになり、アクセル全閉時にアイドリング付近で回転がきれいに落ちない。
※個人的にはエンジンの発熱量がいつもより多い 気がする 。
例えば、
プラグの寿命、というのもある。
これはBR8ESを新品に交換したばかり。
※B8ESだと電気式タコメーターに悪影響ありそうでね。
他にもいろいろあるのだけれど、
原因の要素が複合的の場合もあるから特定は難しいのだ。
※そもそもエアクリボックスもそれにつながるダクトも、ブローバイガス還元装置も付いているので基本的に濃いめというのは否めないだけれど。
そして。
個人の感覚的なものもすくないし、
クロールの泳法を全く知らない人に分だけで使えるのが難しいのと同じで文章で人に伝えるのは非常に難しいのだよ。
※なので適当なバイク屋は「旧車なんてこんなもんですよ。」とか言って逃げる。そんなわけあるか。
というわけで。
いろいろセッティングの相談をお問い合わせメールで受けることが多い当ブログですが、
「実車をみないとわかんね。」
というのが正直な話なのです。
※プロが実車を見ても簡単にわからない場合の方が多いのよ。 レベルの低いプロが多いけどね。
ちなみに・・
「Z1-Rは排気量が1000ccもあるくせに低速トルクが極めて薄い。」
バイクです。
絶好調でも、です。
※たまに友人DのVF750Fを借りて乗ると
Z1-RはZ1系で唯一純正のドリブンスプロケが33丁という小さいものが付いていて、
加速性能を無視して 思いっきり最高速を狙った仕様です。
※その割に高速走行は安定しなくておっかないのですが。
2型でデカいスプロケに戻るので高速寄りのセッティングは世界的に嫌がられたんでしょうねえ。
※でかいバイクの醍醐味の一つは誰にでもわかりやすいゼロ発信時の暴力的な加速だしねえ。
それでもいいのです。
※Z1-Rの1型はKawasakiの実験機だった説を唱えるワタクシです。
それくらい変わってないとワタクシの愛機として物足りない。
バイクのような趣味のものは「完成されてればいい。」ってもんじゃないんですよ。
未完成だから乗るのも維持するのも大変だから飽きないのです。
※昔の Kawasakiの バイクはみんなそうです。
こんな記事もあります▼
まず疑ったのはまたキャブ
スロー系が詰まったか、エアクリが詰まったか。
はたまた二次エアでも吸ってるか。
これだけ同じキャブをいじくりまわしていると、
特に低回転域では
がわかるようになります。
傾向として。
アイドリングしててもアクセルを開けたとき、
一瞬戸惑ったような回転上昇であれば濃い。
※そのままだとかぶってエンストすることもある。
アイドリングしててもアクセルを開けたとき、
回転上昇がスムーズでも力がなく、
アクセルを戻してもアイドリング回転域の上でちょっと下がるのを躊躇するようであれば薄い。
こういうのはワタクシレベルでは実走してみないとわかんないのよ。
ガレージでアイドリングがしっかりしてても走って止まってを繰り返すと顕著になったりするのは普通です。
最近、なんとなくスロー域とニードル域の間に一瞬の間があるような気がして、
数年ぶりに低速トルク向上意欲に駆られてキャブの調整したばかり。
※スローを1番上げた。ニードルを濃い目に変えた。ニードルにワッシャを噛ませた。
この結果のテスト走行をあんまりしてないのでデータがとり切れてないし、
あくまでも感覚的なもんだったし。 一番信じられないのは自分だし。
というわけで。
真っ先に原因を疑ったのはキャブだったのでした。
当たり前だけれど、キャブを車体から外して見ても特に異常はなし。
各穴の導通も問題なし。
プラグの焼けはやや濃い目だったのでスロージェットを戻して、パイロットスクリューで微調整はした。
実走テストで出先でパイロトスクリューを調整することは割と普通です。季節ごとに微妙に調整しています。
※出かける時は常に調製用自作スクリュードライバーを2種類(2番はオートテンショナーが邪魔なので特殊加工済のドライバ)持ってるのだ。
これも数年にわたるノウハウの積み重ねから得た知識なので、迷いは一切ありません。
でも。
極低速のトルク不足は解消しませんよ。
なんだか気のせいじゃない気もしてきました。
原因はなんだろ?
ちなみに・・
ワタクシは数年に一度程度、
Z1-Rの現状のキャブセッティングを全部やり直したくなるという性癖があるようでして。
「今よりもっと適正なキャブセッティングがあるのではないか?」
「今のCVKのセッティングはまだ詰められる余地があるのでは?」
という妄想に駆られて眠れなくなることがあるのです。
別に現状でも普通に使えるんですが、
キャブを純正から変更(他車から流用する場合も含む)した個体には、
メーカーセッティングという100点の模範がないわけです。
「もしかしたら、このあたりの回転域で混合気が薄いかも!?」
とか思い始めるときりがないのですが楽しいのでやめられないのだ(笑)
ニードルにワッシャを噛ませて、一瞬躊躇するような回転域が解消されたりすると、
試走中に一人で小さくガッツポーズしたくなるのですよ。
もちろんワタクシの目論見が失敗して購入したパーツが丸ごと余剰パーツになることも何度もある。
そんなわけで当倶楽部のガレージにはCVKキャブのセッティングパーツが売るほどあるのだ。
※勉強代だと思えば安いもんだけどそろそろ処分せねばな。
「何でも試しまくって理想に近づける。」
キャブにはこういう深さがあるのだけれど非常に面倒くさい。
特に4気筒は超面倒くさい。
※調整用の部品も4個必要なのでお金もかかるし。
4気筒車のキャブ外し難易度が高い、と言われる作業の一つなんだけれど、
ワタクシは当倶楽部のZ1-RやZ750D1の4気筒の4連キャブを外す選手権があったりしたらかなり早いはず。
早さは全日本クラスだと言ってもいい。
そりゃ生涯で100回近くはキャブをつけ外ししてるんだから当たり前ですが慣れたもんなのです。
それでも。
最初の勢いの集中力が途切れると、
「まあこれくらいでいいか?」
と毎回なってしまい、数年後に思い出したようにセッティングをしだす、というサイクルだったりする。
清掃もあるし、たまにキャブを分解するのも悪くない、と思っている。
その時々で「これがベストだ!」と思われるイヤーズセッティングを明記しているメモはもう数年分ある。
今回は極低速時のトルクを太くしたい。
というテーマでセッティングをしている途中に「そういや点火タイミングはどうなのだ?」と思い立ったのでした。
当たり前ですがキャブを弄る前に、
「キャブ以外が全部完全調子であること。」
が大事なんですな。
わかっちゃいたけれど改めて思いなおした次第です。
点火タイミングを再点検
点火タイミングを確認するにはタイミングライトとバッテリーが必要ですが、
作業としては超簡単と言えますね。
キャブを弄りながら、
「点火タイミングずれてるかも。」
という発想が天から降りてきまして。
そういえば点火タイミングは長らく触ってないので確認してみました。
実はポイント式の時はしょっちゅう調整していました。
点火タイミングマークでポイントのヒールが開くように調整すればいいのです。
※慣れると数分でできるようになる。
当倶楽部のZ1-RやZ750D1はDYNA製のDYNA-Sを使って無接点点火方式に変更してあります。
※今でも売ってるのかね?
一度これに変更すればポイントギャップ調整から解放されます。
DYNA-Sを導入する最初に点火タイミングを調整すればいいだけです。
これでメンテナンスフリーだと思っておりました。
が。
点火タイミングをチェックしてみた結果、
なんだか点火タイミングがずれてるんですよ。
遅れ方向に3度くらい。
これでは低速トルクが薄くなるのも納得です。
点火タイミングを再調整せねばなりません。
無接点点火システムにしても点火タイミングってズレるもんなんだねえ。
はっきり言って盲点でした。
※ベースプレートはズレてないんだけどね。
ちなみに・・
点火タイミングが遅れると低速トルクはなくなります。
正しい点火タイミングはピストンが上死点を超えてちょっと過ぎたあたりです。
点火タイミングが遅れるということは、
ピストンが上死点を超えてだいぶ下がってるときに点火するということです。
これだとピストンを押し下げるには効率が悪い状態ということです。
※文章で伝えるのは面倒。絵を描くのも面倒。きっと他のサイトに絵があるので参照するとよいよ。
極低速のトルク不足の原因の一つは点火タイミングの遅れの可能性もあるってことです。
あ、そうそう。
高回転時にはガバナーで進角するので点火タイミングのずれは素人では気が付きにくいです。
※新しかろうが古かろうが公道でデカいバイクを高回転までぶん回せる時間なんてほんの数秒ですよ。わかりゃしませんよ。
タイミングライトの使い方
古い車の整備には必要な工具ですよ。
今どきの車にもバイクにも必要ないから持ってる人少ないよねえ。
大抵のタイミングライトには3本のケーブルが生えています。
2本は外付けのバッテリーに接続するための大きめの鰐口クリップが付いています。
当倶楽部ではカレー時でいつも充電している車の予備用12Vバッテリーにタイミングライトを接続してます。

ガンタイプのほうがカッコいい。
1本はクランプになっていてプラグコードを咥えるための形状をしています。
クランプはプラグコードから信号を得てプラグが点火するタイミングで光を発するという仕組みです。
Z1系の場合、イグニッションコイルが二つあり、それぞれ1,4番と2,3番のプラグの天下をつかさどっています。
ので。
2回測定および調整が必要になります。
※クランプを1番か4番のどちらかに付けて1回、2番か3番のどちらかに付けて1回、という具合です。
タイミングライトの光は点火タイミングの点検窓に照射すれば割と明確にタイミングマークが見えます。
エンジンをアイドリングさせておいて、
タイミングライトの光でタイミングマークを確認してFマークが車体側の固定[|]マークに合致していれば点火タイミングはOKです。
あると便利で面白い。
ワタクシも持ってるやつはすでに廃盤。
3000円くらいのもんでも十分。
古い車を持ってる人以外は持ってない人が多いです。
※めったに使わないけどあると楽しい工具です。
タイミングマークがずれてたら、
DYNA-Sのプレートを固定している3本のネジを緩めてプレート自体を動かしてマークを合わせます。
当倶楽部では自己責任でエンジン動いてる状態でケーブルが巻き込まれないように注意しながらやっちゃってます。
※「動的調整。」という。

タイミングマーク合わせ位置。
タイミングライトですぐわかる。
※動的な調整の画像はありません。
タイミングライトはなくてもウインカー球とソケット、鰐口クリップ等で代用ができますが面倒くさいです。
これだとエンジンを停止した状態で調整する「静的調整。」しかできないですが。
タイミングライトは超便利です。
点火タイミングが明確にわかるし、用意も手軽です。
おススメはしませんが動的調整なら一発で点火タイミングを調整することが可能です。
古い車やバイクはオーナー自身が点火タイミングの調整をしなければならないことがほとんどです。
※そもそも、この手の整備すら出来ない今どきのショップは多いらしいね。ショップの仕事はパーツ交換がメインになってるんだねえ。
ちなみに・・
DYNA-Sはベースプレート自体を動かして点火時期を合わせる以外に、
ベースプレート上のパルス受信部の移動で微調整することが可能です。
実際に工場出荷状態では1番4番と2番3番のどちらかに合わせると片方がずれてることがある(笑)
ので。
パルス受信部を固定している2本のヘキサゴンボルト(極少を緩めてずらして微調整します。
モノによっては車体と相性が悪く、調整位置をギリギリまでずらしても点火タイミングが合わなかったりします。
※さすが外国製。
その場合は、ベースプレートの調整長穴(3か所とも)を広げるなどして対応することになります。
そうそう。
DYNA-Sは何度かモデルチェンジしているようでワタクシが知る限り2種類存在しています。
後期型のパルス受信部が小さいやつの方が「作りが雑。」ですな。
※ベースプレート加工になることが結構ある・・らしい。
まあDINA-Sは今となっては使ってる人が少ない無接点点火システムだから仕方ないのかも。
みんな お金持ちだからか 一様にウオタニになっちゃったよねえ。
ウオタニはDINA-Sの5倍くらいの値段だと高すぎて買う気にならないんだよねえ。
※ちゃんとセッティングすれば20年くらいは壊れないよ、DINA-S(一度壊れたことあるけど)
まとめ
キャブじゃなかったんだねえ。
そして点火タイミングって結構狂うということがわかりました。
何年か前に腰上ばらした時に点火タイミングも調整したのでそれほど狂いはないと思っていたのですが、
思いのほかずれててちょっとショックでしたが、また学ぶことができてラッキーだと思うことにしました。
エンジンが低回転で安定してるというのはいいもんですな。
中速域以降はなんぼでもごまかせるのだよ。
古いとはいえ、750ccを超えるバイクで公道を普通に走ってて高回転を常用するなんてありえないからね。
※免許がいくらあっても足りないよ。
Z1-RのついでにZ750D1の点火タイミングも調整しておきました。
バッテリーとタイミングライトが有れば5分くらいで終わる作業ですし。

DYNA-S前期型。
Z750D1には前期型のDYNA-Sが搭載されているのだ。
※Z1-Rのは一回壊れたので新調してるため後期型なのだ。
アイドリングは安定していて問題ないと思っていたZ750D1の点火タイミングもずれててびっくりです。
DINA-Sのベースプレートの固定ネジは全く緩んでなかったんですがね。
点火時期がずれるのはどういうメカニズムなのですかねえ。
ともあれ。
低回転時のトルクが細いのはキャブの調整のせいだ、と思い込んでいたワタクシの先入観で迷走しました。
以前書いたAIにキャブセッティングのアドバイスを聞いたら騙された、の記事あたりから迷走が始まっていました。
※この記事以降もAIからはいろんな嘘情報を得ました。
こんな記事もあります▼
エンジンが元気に回る条件は、
と言われますが、
「今回は良い吸気がダメだと思ってたら良い火花がダメだった。」
という話で、
「無接点点火システムを入れてメンテフリーでもたまには点火タイミングを見ようぜ。」
という教訓を得たのでした。
※ワタクシもZ1-Rに30年以上乗ってるけどまだまだですなぁ。
めでたしめでたし。

Z750D1。
調子のいいエンジンは標高高いところに行っても高山病にはなりませんな。
※多少ぐずるけどね。

