バイクのトラブルは同じ現象でもいろんな原因があるのです。
トラブルの原因追求が楽しくなったら、ワタクシと同じ世界を見ている言えますな。
原因をドンズバで当てた時の嬉しさったらないです♪
当記事の目次
エンジンがかからない理由はたくさんある
久々に引っ張り出したバイクのエンジンがかからないことはよくあることなのです。
幸いなことに、当倶楽部の古いバイクは、年式の割にどれもエンジン始動に苦労しません。
ただ、
ごくたまに、機嫌を損ねることがありますがそこは長い付き合いなので何となくわかっちゃったりします。
※各車きっちり癖がある所が古いバイクのいい所です。
一応、言っておきますが当記事は古いバイクのエンジン始動困難時のトラブルシューティングの考え方です。
※当倶楽部のZ1-RやZ750D1、その他セロー225Wなどは今回の記事の手順でトラブルシューティングをしているってことです。
2stはまた違う
キックオンリーバッテリーレスの2st勢のエンジン始動困難には4stとは違う理由があったりします。
2stのキックスタートにはちゃんとコツがあるのです。
※2st勢はすでにマイナーなのでそんな情報欲しい人なんかいないと思うけど、そのうち別記事にまとめます。
最近は林道スペシャルになっていますが。
2stのエンジン始動は、「キックのタイミングに合わせて、ちょっとスロットルを開ける。」とか。
※4stは、アクセルを全閉でセルを回すんですが。
タイミングやアクセル開度は、同じ2stでも車種によって癖あって全然違うんですが。
ちなみに・・
ワタクシは、インジェクション装備のバイクを所有したことがありません。
ゆえに、
最近のインジェクション装備のバイクのトラブルは全くわかりません。
時間をかければわかるとは思いますが、最近のバイクはエンジンがかからない場合、大人しくバイク屋さんに相談したほうが良いと思ます。
※とはいえ、傾向としてバッテリーに起因することが多いように思えます。
電子制御バイクに素人が手を出して、複雑な電子システムを破壊しかねません。
こうなると、素晴らしく高額な費用を請求されかねません。
確認ポイント1:セルは回るか?
セルボタンを押してもモーターが回る音がしない。
セルが回らない場合、
「まずバッテリーを疑う。」
のがセオリーです。
バッテリーの電圧測定をして、12V以下なら充電、交換が必要です。
もしくは、
この場合も、バッテリーの充電、もしくは交換ですね。
12V切ってたらだいぶくたびれています。
一度電圧低下したバッテリーは本来の性能を出せないことが多いです。
※バッテリーはセルを回すこともできなくなったバッテリーを完全に復活させるのはほぼ無理です。
ケチケチせずにバッテリーは交換してリサイクルに出しましょう。
弱ったバッテリーで無理やり出かけて、出先でバッテリートラブルが起きると余計な出費になり損です。
特にバイクに乗らない期間が長い&気温が低い冬はバッテリーにも厳しい季節です。
バイクのバッテリーのトラブルは春先に多いのですよ。
※車のバッテリートラブルはエアコンをガンガン使う夏に多い。
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ちなみに・・
弱ったバッテリーを無理やり使い続けると、発電系や電力制御系の機関を壊します。
バッテリーに余計に充電しなければならないので、負担がかかるのですよ。
電圧を制御するレギュレーターが死ぬのは、バッテリーが弱ったまま使い続けてることに起因してたりします。
また、バッテリーが弱ると発電系が死ぬこともあります。
発電系の大元になるジェネレーターは壊れると高い部品の一つです。
※部品があるならまだマシ。発電系の部品がなくて廃車になることもある位。
それと。
大容量のバッテリーを積むと、想定以上に働くことになる発電系のトラブルになることがありますよ。
※車でよくあるパターン。
なので、
バッテリーはマニュアルに従い、定格の容量のものを使いましょう♪
確認ポイント2:火花は飛んでいるか?
プラグの状態を確認しましょう。
2バルブのヘッドを持つ古いバイクのプラグの点検は素晴らしく簡単です。
なにせ、取り外しやすいように外向きについていますので。
今時のバイクは、プラグ交換を前提に作られてない位、プラグ交換サイクルが超長いです。
当然メンテなんか考えてないので、プラグへのアクセスがすさまじく複雑だったりしますね。
自分でメンテ出来ないバイクに愛着沸かないひねくれもののワタクシには今時のバイク乗りになるのは難しそうです。
プラグを外して確認
電極が乾いてればとりあえずOKなはず。
プラグを外した時点で、プラグの電極がガソリンで濡れてたらキャブやガソリンコックに問題があります。
要するに、
「カブってる。」
という現象です。
当倶楽部では、Z750D1の1番シリンダがカブり癖があって困りものです。
エンジン始動時にマフラーからの白煙がすごい。
こうなると、カブる前兆です。
Z750D1は1気筒死んだくらいではエンジンはかかります。
※火が飛んでいないシリンダを判別するには、エキマニに指ではじく程度の水をかけて蒸発するかしないかでわかります。
走れなくもないですが、エンジン音が明らかに違うし、馬力が全然ありません。
カブったプラグは、電極をステンレスのワイヤブラシで磨いて電極に付いたガソリンや燃えカスを削り取って再利用♪
※でも新品交換が基本です。
走行中でもプラグはカブる
セッティングが有って無いキャブだと、ガソリンを完全に燃やすことができず、走行中でもカブって、そのシリンダの点火が止まることがあります。
※2stで発生しやすいけど、4stでも起こりますよ。
少しくらいのカブり癖なら、プラグの番手を落としてガソリンを焼き切ることで対処出来ることもありますが、スペアパーツとしてツーリング時は予備プラグを携帯する方が確実です。
点火系を確認
「ポイント式点火。」
と呼ばれる点火タイミングを自分で調整する古いバイクに限ります。
新しいバイクは、ほぼ全部ブラックボックスなので点火タイミングの調整ができません。
古いバイクは、エンジンの回転に合わせて機械式にポイントが開閉してるのですよ。
Z系の場合は、エンジン左側のDOHCと書いてあるカバーの中にあります。
※Z750D1までは点火方式が機械式でした。
ポイントのギャップがズレるとちゃんと火花が飛ばなくなります。
面倒くさい人は、フルトラ無接点点火セットに変えちゃうんですが、ポイント点火もアナログで捨てがたいのです。
※でも、一見してわかるレベルで絶対的に無接点点火の方が火花は強いです。
フルトラ点火にした場合も含めて、点火タイミングを伝える配線が上手くつながってないこともあります。
ギボシ接続だったりすると、ちょと引っ張って外れかけてるということもあるのです。
家を出る時は問題なくても、走行中に次第にギボシが外れていき、出先で原因不明の失火するなんてことも実際にあるのです。
※ワタクシも一回やりましたが、この原因を見つけるのは至難の業です。
古いバイクや弄ったバイクは、どこで何が起こっても不思議ではありません。
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確認ポイント3:ガソリンは供給されているか?
のであれば、ガソリンがエンジンまで来てない可能性があります。
「いやいや、ガソリン満タンだし♪」
と言って舐めてかかると痛い目に合うのです。
こんなホースにもちゃんと意味があるのです。
等の理由で、ガソリンがキャブに落ちてこないことは結構あるのです。
特に長い間乗ってないバイクはガソリンタンクの通気口が詰まってガソリンが落ちて行かない個体が実際にあります。
※虫が巣を張ってたり。田舎では結構ある。
古いバイクは、大体タンクキャップに通気する穴がある車種があり、錆やゴミ、劣化したガソリンなどで詰まると本当にガソリンは落ちません。
※醤油瓶の片方の口を押えると醤油が落ちないの法則と一緒です。
タンクキャップを開けると「プシュー♪」と言うようだと詰まり気味だと思ったほうが良いです。
古いバイクはガソリン満タンにして峠に行くと大抵ガソリンが漏れるのはこの穴が機能している証拠と思いなさい。
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また、オフ車乗りでよくあるのが、ポリタンクにしてねじ込み式のキャップに通気用のホースを付けてる人。
このホースの先端に付けてるワンウェイブリーダー(逆止弁)が詰まって、高速でガス欠症状が出まくって修理でバイク屋に何度もぼったくられた知り合いJさんがいます。
※当倶楽部で、ホームセンターのホースに変えたら一瞬で直った。高い勉強代だったね。
このホース、長めに作ってタンクの下に回してたりすると、ここでホースが折れ曲がって通気ができなくなることもあります。
※通気用のホースがつぶれないように、フレームに逃がす穴が開いてる車種もある位です。
ちなみに・・
分割給油方式の2stの場合ですが、オイルタンクに入ってる古いオイルを全部捨てて新しいのに入れ替えたらすぐにエンジンがかかったこともあります。
見た目は全然劣化してないんですが、2stオイルも劣化するってことなんですよねえ。
※劣化した2stオイルを使い続けるとエンジンが焼き付く可能性があるので怖いったらないですね。
こういう観点からも、
は、オイル物、水物は全部交換が基本ですね。
確認ポイント4:その他
よもや、キルスイッチではあるまいな。
昔のバイクは、キルスイッチがオフになっていてもセルが回るものがあるのです。
※80年代前半の某国産メーカーの車種で実際にある。
まあ、キルスイッチがオフならセルは回っても火花は飛ばないんですが。
キルスイッチで慌てふためくのは「バイク初心者あるある。」の一つです。
人間は、慌てると普段できてるはずのこういう細かいところに気が付かないものなのです。
キルスイッチオフ事件も大昔のバイクのクラブの先輩が慌てふためいてたのを実際に見たことあります。
※未だに笑い種ですが。
まとめ
原因究明できるスキルは、メンテナンスの基本ですが超奥が深いのです。
特に新しめのバイクは電気的な制御が多いです。
そのため、バッテリーの役割が重要になっているハズです。
バッテリーの健康状態はマメに把握しておくといいですよ。
弱ったバッテリーを使い続けると他の機関にダメージが及ぶのでバッテリー交換はなるべく早めに。
※結果的にその方が安い場合が多いです。
バイク乗りなら持ってても損しないテスター。
バッテリーの電圧チェックはもちろん、配線の導通確認にも使えて超便利。
新しいバイクで、バッテリー替えてもエンジンがかからないなら、大人しくバイク屋さんに行ったほうが無難です。
今の電子制御されているバイクは、既に素人がどうこうできる代物ではありません。
古いバイクでも、自分で原因究明が無理だと思ったら頭を切り替えてバイク屋さんにお願いすることです。
素人のいじり壊し、ということもありますので。
※古いバイクの場合、ショップにもリスクがあるので修理代は相当な額になることを覚悟しましょう。
慌てるとろくなことがないからね。
でもトラブル対応で失敗した経験がスキルアップにつながるのは確かですが。
素人メンテナンスをしてる人は大抵いろいろやらかしています。
※アパートの駐車場で、KLX燃やして消防車呼ばれたK君。元気かね?
今の中古車価格やパーツの価格を見ると簡単に失敗できない値段ですけどねえ。
ちなみに・・
バッテリーが弱ってエンジンがかからない場合、キャブ車であれば「押し掛け。」という裏技もあります。
デカいバイクは重いので押し掛けはキツイです。
※出来ないことはないですが下手するとコケます。
実は押し掛けにはリスクがあって、
押し掛けすると急激に電気が流れるので電気系が壊れることが稀にあります。
※古いバイクは何があってもおかしくないのです。
ワタクシは、よせばいいのにDT200WRで下り坂で勢いつけて押し掛けした途端、レギュレーターが異常を起こしたことがあります。
ニュートラルでエンジンはかかるのに、1速に入れるとエンスト。
DT200WRは純正で、スタンド出したまま1速に入れるとレギュレーター内で、点火カットしてるのでした・・。
※当倶楽部のガレージ近くの林道の帰りで良かった。
それ以来、押し掛けは極力しないことにしています。