VT250F(MC15)のレギュレーターをVFRのもので更新して見たものの位置的に熱の影響を受けやすいのは相変わらず。
ということで、レギュレーターの位置をずらしました。
改善前(純正時)
これがエキマニの熱の影響を受けやすい位置だったりします。
なのでVT250F系の盲腸的な潜在的な弱点になってるのでした。
まあ大メーカーであるHONDAさんがやることなのでさんざんテストした結果ココなんでしょうけれども。
自体も発熱するくせに熱に弱い半導体を使っているレギュレーターですので、
出来るだけ外部の熱源から離した位置に設置したいのですよ。
左サイドカバーを外せばボルト1本と位置合わせ穴で固定されているコネクタハウジングを兼ねているステーを外すことができ、
レギュレーターにアクセスできます。
レギュレーター自体はステーに溶接されている固定ボルトに穴を通してナットで固定されています。
レギュレーターはサイドカバー裏に設置されている車種は結構多いのでそれはまあいいとして。
配線のコネクタより風通しが悪い車体内部についているのはいただけませんな。
純正のレギュレーターは放熱フィンもないので熱がこもりっぱなしになると思うし。
せめてコネクタを内側、レギュレーターは外側にしてほしかった。
風がシート下に流れてくる走行中ならまだしも、渋滞にはまってたらそりゃ熱くもなろうってもんですよ。
このレギュレーターが弱いのは古くからVT250F系の盲腸として語られてたようですな。
設置位置の懸念事項も識者はみんな知ってるようで、ちょっとネットを漁るとその手の話題はたくさん出てきます。
新車から35年以上経ってるのでもうその手の話題に触れる人も多くはありませんが、
VT250F系バイクのオーナーの皆さんレギュレーターの位置については散々苦労しているようですねえ(笑)
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ちょっと改善
早速入手して無理やり取付けてみたのですがこの前の記事の通り多少問題がありました。
VFR用のレギュレーターをVT250FH純正のコネクタハウジングのブラケットも兼ねているレギュレーターのステーを使って設置すると・・。
という問題が発生しまして。
VFRのレギュレーターは厚さがあるのでより車体中央部に寄ることになる。
ボルトの長さの問題はグラインダーでネジを根元から削り飛ばして長いボルトに変更して対応しましたが、
それ以外はなんだか改悪というか流用したがための余計なリスクの原因問題を抱え込んだっぽい。
この状態でテスト走行した直後に温度測定した結果、それほど問題ないように思えたのでこれでもいいような気もします。
が。
渋滞のない5月の田舎道でのテストですのであくまで参考です。
気温20度くらいの田舎道を法定速度で4kmほど巡行しただけなので負荷テストはしてません。
レギュレーターはデリケートなので出来るだけ放熱効率がいいように設置したいのです。
※出先で壊れると嫌ですし。
というわけで。
レギュレーターの位置と縦横向きを変えるべくいろいろ思案した結果、
自作ステーを作って対処することにしました。
これが今までの話です。
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最終的な仕様
純正のように風通しの悪い車体の中心部に近い位置ではなく風通りの良さそうな位置にちょっとだけ移動させます。
まあステーを作るなんてのは簡単です。
アルミ材の加工なんてのは 見た目さえ気にしなければ 楽勝ですし。
自作ステーについて
自作ステーについては加工自体よりも、仕上げとか見た目が重要なのですよ。
自作ステーやアルミ材を加工したものは見えるところに付けるなら、
本気でガッツリ綺麗に仕上げないとダサいし貧乏くさくなります。
特に中高年はそういうバイクに乗ると悲しい目で見られがちです。
だからと言って、
ホームセンターとかで手にはいる汎用ステーを使うのも貧乏くさい。
そういうのは見えないところに使うんですよ。
アルミ材は加工自体は簡単なのですが仕上げなんですよ問題は。
仕上げに凝り始めると延々と仕上げ作業をすることになります。
仕上げ用の工具とか素材もガンガン増える。
自作ステーの方が市販の専用ステーよりかえって高くついたなんてのは良く聞く話です。
ともあれ。
こういうパーツを自作する場合、採寸と型紙を作るのが超重要です。
感覚と感性でいきなりアルミ部材をぶった切ったり穴を開けたりするとろくな結果になりません。
※そういう失敗をたくさんしたので当倶楽部ガレージにはまだ使えそうなアルミ板などの素材がたっぷり転がっています。
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革細工用の型紙用紙が余ってたのでこれを使って純正ブラケットの形と穴の位置をトレースします。
そのままのコピー品を作るわけではないので今回は型紙なんてのは割と適当でいいのですが、
この際にボルト止めする穴と位置決めの穴の二か所だけは確実に押さえておく必要があります。
適当に穴開けると絶対に後で泣きを見ますので確実に。
型紙への穴あけは革細工用の穴開けポンチや100円均一でかった単孔の穴あけパンチなどを駆使します。
型紙で穴の位置や縦横の大きさと距離感をつかみます。
で。
考えつつ、現物のスペースに合わせて大まかな設計をします。
で。
素材は ガレージに転がってた 3mm厚のアルミ板とします。
当時試行錯誤した痕跡が見て取れるマーキングの数々。
ロータスヨーロッパのヒューズを4系統から16系統に加工した時の 試作品で失敗してゴミ扱いされてた ものなので、
散々穴が開いてたり、配線を傷つけないようにパッドを付けたりしてあったのですが気にしません。
強度的に問題が無ければいいのです。
今回はどうせサイドカバー外さなきゃ見えないんだし。
厚いアルミの板は買うと高いので出来るだけリサイクルするのです。
※切れ端だってスペーサーなんかに使うには十分ですし。
アルミ板は3mmくらいあると強度も結構あるのでいろんな用途に使えるのです。
※厚い分加工は大変ですので強度的に許せば2mmくらいで妥協するのもありです。
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オーダーカットもしてくれるネットショップがあるんだねえ。
※クオリティ考えたら頼んだ方が綺麗に仕上がることは間違いないな。
純正の車体側にあるレギュレーターステーの取付ボルトはそのまま使います。
純正レギュレーターステーはコネクタハウジングを兼ねています。
ここに収まるコネクタは4つあるのですがレギュレーター意外に接続する2つはフレーム&メインハーネス方向にタイラップで固定します。
レギュレーターから出る2本の配線は新作するステーに固定具を使って固定します。
レギュレーター自体はステーに長いボルト止めするのでステーに穴を開けます。
ステーの形状は 廃品利用のアルミ板の都合もあり 異形になりますが固定の穴付近に余裕を持たせて強度とります。
試行錯誤した結果、自作のオリジナルレギュレーターステーのイメージが明確になりました。
自作品を作る際はこの過程が非常に重要なのです。
※それでもダメなときは往々にしてあるのですが失敗しても全部が経験なので一つも無駄はないのです。ないハズなのです。
オリジナルステー作り
ものすごい暇ならともかく。
最近は定規で油性ペンでマークしていきなり電動インパクトドリルとハンディグラインダーで加工しちゃいます。
※穴をあける場所だけズレると嫌なのでポンチで印を付けますが。
ゴミに近い アルミ板にマークされた油性ペンに従い、グラインダーでぶった切ります。
こういう時は万力様にお願いして部材を固定するのですが、板を水平に切る場合の固定は万力様も苦手だったりします。
※グラインダーを使う時は大怪我するのでメガネや防護服、グローブなどでちゃんと装備はした方がいいですよ。
グラインダー自体は安いので十分ですが刃はケチらないでいいのを使いましょう。
※刃は減ったら早めに交換することも大事ですが。
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電動インパクトドライバーはコードレスが流行りですが絶対コードレスじゃないほうがいいです。
その方が長持ちしますので、たまにパーツに穴開ける位しか使わないならコスパが段違いです。
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コードレスはなかなか売ってないのです。
で。
ちゃっちゃとぶった切って、固定用の穴を慎重にあけたらアルミの粉を軽く払ってから実装してみます。
なるようになるはず、なのですよ。
この時、
等を現物をあてがって確認します。
型紙を作って試作のイメージをしたとはいえ、ほぼ現物合せですのでいちいち確認した方がいいのです。
自分自身が一番信用ならないんですよ、現物合せは。
一度あけた穴は元には戻りませんし、切り離した板が元に戻ることはないのです。
で。
背面に付ける配線固定具の位置決め。
※今回は ガレージに転がってた 5mmボルトで固定するナイロン製の固定具を採用します。
どうせなのでレギュレーターはスペーサーを使ってステーから1cmほど浮かせて風通しを良くします。
レギュレーターをステーから1cm浮かせるにあたって厚めのワッシャーを重ねて使うことにします。
中心部にスペーサーを入れるのでワッシャーがズレたり暴れたりすることはないハズです。
※ワッシャーが錆びるかもしれませんが。
各仕様が決まったので、アルミ板の穴あけ加工が済んだら、
のバリをリーマーや大きいカッターなどを使って大まかに取ります。
その後。
切断面をヤスリがけしまくります。
金属部材を切ったり穴を開けたりした個所のバリに配線が引っかかって切れたり漏電したりすることがあります。
縁ゴムなどで保護することもありますが、今回は放熱性を考て出来るだけゴムなどで覆わないようにしました。
商品として売るのであれば切断面をペーパーやバフ掛けして綺麗に加工しないといけませんが、
今回は自分用なので鉄ヤスリでゴリゴリ削って引っ掛かりがないレベルにスムージングしたところで完成としました。
※アルミパーツは完成レベルを適当に妥協しないと延々と磨き続けちゃうので。
というわけで、出来たのがコレ。
まあこんなもんでしょう。
収まりもいいですし
ワタクシのセンスと試作の成果なのです。
※ よく見るとそれなりに仕上げは荒いですが VT250F乗りなら「ちょっと欲しい効果的なアイテム。」じゃないかと思います。
まとめ
VT250F系は すんごくボロくて高いけれど 探せばまだ中古車もあるのでどこかで誰かが必要としているかもしれませんので記載して見ました。
この手の加工は自己満足の世界です♪
実運用に沿った地味な加工とはいえ、誰にも分ってもらえなくてもいいのです。
外観はまったく変わらないうえ、サイドカバーを外さない限り見えない加工ですしねえ。
※このVT250FHはどうせ自分で乗りつぶすんだし、リセールバリューとかどうせ大したことないし、そういう面倒なことを一切考えなくていいので気が楽です♪
とりあえず、
レギュレーターの放熱性は以前より良くなっているハズです。
レギュレーター自体をシートカウルの取っ手があるあたりの空きスペースに移設することも考えましたが、
センスタかける際に取っ手をつかんでバキッと行きそうな気もしますのでこれで良しということにします。
Vツインエンジンは並列4気筒と違ってスリムなので風通しもよさそうです。
材料はガレージに転がってたものだけなのでタダです。
作業自体は1時間くらいしかかかってません。
ゆえに。
満足度の高い自作ステー製造と言ってもいいでしょう。
※作業自体よりも、アルミ材とか固定具とかをガレージから探す時間の方が長かった気がします。
バイクは
といろんな楽しみがあると思うのですよ。
楽しみ方は人それぞれで、みんな違ってみんないいのです。
すべての楽しみ方に違う満足度があって、素晴らしくコスパの高い遊びです。
最近は
といった楽しみ方はバイクのメーカーが推奨してないっぽいですな。
なんか損してる気もします。
そもそもバイクはオーナー自らが何とかする、何とか出来る要素が大きい乗り物だと思っています。
電子制御部品が多く使われるようになってから「自分で何とかする。」ことができるバイクは少ないのです。
そのため、中古バイクにフォーカスされているというのもありそうですな。
なんでもそうですが楽しみ方を限定しちゃうと飽きるの早いんですよねえ。
※モンキーなんて外装はもちろん、エンジンから足回り迄改造して楽しむのが魅力だと思っていたのですが新しいモンキーは別の乗り物っぽいですね。
それに、
整備や加工をショップ任せにすると莫大な金額になります。
ワタクシのような貧乏ライダーは自分でやるしかないんですが、機械よりデジタル的な知識が必要な感じすらします。
とはいえ。
バイクの整備や加工は自分でやり始めると最高に楽しいので人任せにする気なんて全くありません。
バイクのメンテや整備、レストア作業なんてのは知識と技術、アイデアや実行力が試される最高の人生の暇つぶしだと思うのです。
※試行錯誤をちょっとだけして泣き入るか癇癪起こしてバイク自体を辞めちゃったりする人が多いですが「超もったいない。」です。
やっぱりシンプルな機械で自分で何とか出来る要素が多いバイクの方が楽しいんですよ、ワタクシの様なオールドタイプは。
辛いと幸せという字は似ている。
そして、
小さいことにいちいち満足してかみしめることが幸せになる第一歩のような気がしますな。
※大人になっても格好つけずに感動の沸点は低いほうが絶対幸せだと思うのですよ。