
今回Z1-Rの右ハンドルスイッチのスターターボタンが損壊しました。
なんだこれは?
壊れたものは仕方がありません。
いつだって全力で直すだけです。
Z1系のスタータースイッチ

黒くて丸い樹脂製の円筒形のスイッチです。
古いバイクはどこがどう壊れても不思議ではありません。
当倶楽部のZ1-Rの場合、製造から50年近く経過してるわけで無理もないのです。
逆に。
現存するZ1系の個体が多いことを考えるとめちゃめちゃ丈夫だと言えます(笑)
ただし。
Z1系のバイクと言えども何個か盲腸的な弱点が存在します。
長く乗り続けると盲腸と言える箇所のトラブルが発生しがちなのです。
特に。
電装系とカムチェーン関係は盲腸と言えましょう。
※大物から小物まで、Z1系の弱点は大体把握していますが細かく書くときりがないのでそのうち暇なときにまとめます。
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Z1系に限りませんがバイクの樹脂パーツは比較的劣化してもろくなる傾向があります。
紫外線や風雨にさらされるので無理もありません。
有名なのは80年代HONDA系の樹脂の白化ですかね。
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で。
今回壊れたのはZ1-Rの右ハンドルスイッチのスターターボタンです。
この樹脂製のボタンが物理的に損壊しました。
ガレージ内を移動させるべく、ハンドルに手をかけたらボタンが浮いてる感じがしたので触ったらポロッと取れました。
この箇所をぶつけたことはないので、経年劣化だと思われます。

Z1系のスターターボタンの破片。
ああああ。
とりあえず。
「出先で壊れなくてよかった。」
と、壊れたことより壊れた場所での安心が優先されました。
ワタクシも達観したもんです。
そういえば、
海外から持ってきたばかりのZ1系バイクにはスタータースイッチがない個体を見かけることがありますが、こういうことだったのね。
※その他の個所もとんでもなくボロイ個体にいい値段が付いていますので買うのは馬鹿らしいですが。
それにしてもこのスイッチの樹脂部分って劣化しやすいのかね?
数十年も経過すれば無理もないけど、ほかの部分がピンシャンしてるのにピンポイントでボタンだけ損壊しています。
負荷をかけるような運用をしたつもりはないんですけどねえ。
ちなみに・・
今回壊れたのはスタータースイッチのボタンパーツだけです。
ボタンは円筒形なのですが、帽子のツバのような形状のストッパーがあります。
このストッパー部がボタン本体からもげるんですよ。
ボタンの内側はくりぬいてあり、ボタンを押したときにスイッチ内の基盤の回路を導通させるための金属パーツが入っています。
強度的には強いとは言えない構造ですね。
なので。
Z1系のバイクはスターターボタンを押す際、
押した指をゆっくり離してボタン自体にストレスをかけないようにすると長持ちするかもしれません。
ワタクシはパチン!という感じで離したつもりは全くないのですが、実際にボタンはもげました。
30年近く10万キロ以上走ればどこがどう壊れてもおかしくありません。
これからも各所をいたわって走り続けようと思います。
Z1系バイクのハンドルスイッチにはリプロ品がある

既に30年近く経過していますがZ1の純正品で作ってあります。
当時は逆に純正品しか手に入りませんでした。
※当時はZ1-Rのハンドルスイッチは入手不可能レベルでした。
Z1系のバイクは人気車種だけあってリプロ品のハンドルスイッチが普通に手に入ります。
ボタンだけが破損したとはいえ、丸ごとリプロ品のスイッチに更新しちゃえば何の問題もなく解決します。
そうそう。
本来ならZ1-R用のハンドルスイッチは専用品で汎用性はないです。
なので他のZ1系バイクのハンドルスイッチと互換性はありません。
本来なら、です。
実は当倶楽部のZ1-Rは最もシンプルなZ1の純正右ハンドルスイッチを搭載しています。
30年近く前に電装系フルとっかえ作業をした際、
Z1-Rの電装が全く入手できなかったため、かろうじて入手可能だったZ1の電装を搭載しています。
なので。
Z1-Rの純正と異なり、メインハーネスは1本ヒューズです。
※ワタクシが独自に各所のヒューズを増設していますが。
全く純正ではないので「純正原理主義者。」の皆さんには怪訝な顔されますが、
これで30年普通に稼働してるので文句を言われる筋合いはありません。
非純正ではあるけれど、長期間普通に運用するためには最適なセレクトだと思っています。
※おかげで当倶楽部のZ1-Rは純正度が低く、リセールバリューは多分ゼロですが売らないので痛痒なしです♪
ただし。
このおかげで電装品でリプロ品に困ることはほぼありません。
今回、スターターボタンが損壊してもたいして慌てないのはそういう背景があるのです。
冷静に「リプロ品の右ハンドルスイッチを探すかぁ。」と思っていました。
※リプロ品なら今でも新品が手に入るし。

いろんなバリエーションがあるので買う際は吟味しよう。
リプロ品はなくなると再生産しないことも増えてきました。
あるうちに、高騰しないうちにストックするのが賢いです、
ちなみに・・
同じZ1系とはいえ、ハンドルスイッチには数種類のバリエーションがあります。
※出荷国によってスイッチや灯火類、リフレクターなどの仕様は異なったりします。
右側
左側
※実際はもっとバリエーションがあるはずです。
Z1-Rの場合
等と独自の凝った作りになっています。
※汎用性が皆無。なので30年前のワタクシはZ1のシンプルな電装化に踏み切ったですよ。
Z1系はスイッチに限らず、仕様が細かく異なるバリエーションが存在します。
今となってはそのすべてを把握してる人はいないんじゃなかろうか?
※たまに見たことないレアパーツが発見されたりヤフオクに出品されたりしていますね。
リプロ品のスターターボタンだけもある

昔から世界中で散々壊れたからなのかもしれませんな(笑)
スターターボタンが損壊したとはいえ、右側のハンドルスイッチ自体はピンシャンしています。
※金属製なのでそうそう壊れない。古いバイクは金属製パーツが多くて重いけれど丈夫なのよ。
ボタンごときが損壊しただけでリプロ品のスイッチとまるごと交換するのは、なんかもったいない。
※ワタクシはこういう所がケチ。
で。
調べたらボタン部分だけでもKawasaki純正パーツの供給があるのです。
大抵はAssyでボタン単体ではパーツ設定がなかったりするんですがね。

こんなもん迄リプロ品があるのかと驚いたよ。
よく考えるとこんなボタン一つが千円以上するので、かなり割高です。
※ボタンがもげるタイミングで同時に無くすことが多いボタンを押し戻すスプリングと端子部がセットです。
でもピンシャンしている30年使い続けている既存の右ハンドルスイッチをそのまま使えるのが素敵です。
※多くの旧車乗りはスイッチ丸ごと交換して、壊れたほうをストックパーツにしがちですね。
とりあえず。
今回はボタンだけをオーダーしてみました。
数多い個体が世界中で長く愛されたバイクなので、そういうパーツ供給もあるんだねえ。
やるな、Kawasaki。
というか。
世界中で同じようなボタン損壊の現象が起きたのでボタンのみでのパーツ供給をした・・という感じもしますがね。
いずれにせよ、
いまでもパーツが出るのはありがたい。
リプロパーツがあるのもありがたい。
ワタクシが30年以上、Z1系バイクに乗り続けていられるのはこういうパーツサプライヤーのおかげなのです。
これから先もパーツ供給してくれると嬉しいですが、古いバイクは決して増えることはありません。
儲けにならないと判断されれば営業的にドライな判断をするでしょうねえ。
そうなるとリプロ品も欠品、ということになるんですよねえ。
※Z1系のリプロパーツは既にバックオーダー物が増えてきたね。
ちなみに・・
Z1系のスターターボタンの直径は6mmボルト用のナッターのタマと全く同じでした。

6mmナッターのタマ。
何がどう応用できるかわからんのが楽しくもあり。
ボタンが壊れて、パーツを発注する前にガレージ内でなにか代用できるものはないかと探した結果、これが合致したのでした。
都合がいいことにツバ部分もついていますし。
コレもしかしてちょうどいいんじゃね?
ボタンに相当する部分はちょっと長いけれど、その部分をぶった切れば使えそうです。
仮に当ててみたらツバ部分の直径が多少大きく、スイッチ内部で当たるのでココも削る必要がありますな。
※ナッターのタマはアルミ製なので加工が楽ですし。
「スターターボタンを押すと金属製の端子が基盤にある電極に接触して導通する。」
というシンプルな機構なので裏面の電極部の制作は難しくなさそうです。
※ボタンを金属製にすることで漏電とか感電とかそういうリスクはありますがしっかり絶縁出来てれば大丈夫・・な気もします。
ということで。
パーツは既に頼んじゃいましたが、
ナッターのタマを加工してZ1-Rのスターターボタンを作ってみました。

自作スターターボタン。
加工傷はちゃんと修正しました♪
ボタンのトップには 本当は赤が良かったけどなかったので オレンジ色の樹脂でマーカーを付けました。

Z1系のスターターボタン。
発注した新品パーツは壊れたボタンとともに予備となりました♪
また無駄な買い物をした気もします。
自作したスターターボタンは軽金属とはいえアルミは金属なので耐久性はありそうな気もします。
※柔らかいので突然変形したりもげたりするリスクもありますが。
出先でスターターボタンがもげたり、変形したりして機能を果たさなくなれば面倒くさいことになりますが、
当倶楽部のZ1-Rにはキックスターターもあるので何とかなるでしょう。
スターターボタンがアルミ色という違和感もありますが、これはこれでワタクシのバイクっぽくて面白いのでいいのです。
※当然、どこかで壊れても自己責任です。
実は壊れた樹脂製のボタンも
等で修理を試みたのですが、
等の問題があるのでオミットしました。
波線埋め込み方式で樹脂を固定するには大きさが足らないし、
プラリペアで固めてもポロッと行きそうだしね。
※やっぱり耐久性が大事だし。

樹脂の補修にはすんごく役に立ちます。
当倶楽部では補強を入れてシャープペンシルの補修などにも使っています。
最悪、最近のバイクのスイッチを加工すればいい

これがあるとないとでは長期間維持するためのハードルが変わってきます。
ただし、
この手のリプロパーツがあるのは人気車種に限られます。
メディアでは不人気車やレア車にフォーカスすることがありますが、実際入手したら維持は泥沼にはまる気配しかありません。
それでも、長い間機能がたいして変わらなかったパーツは流用がしやすいのです。
国産のバイクのハンドルスイッチの機能は何十年も変わりませんでした。
くらいですかね。
※ハザードがついてる車種もあり。
もちろん、外車はこの限りではありません。
※BMWのウインカースイッチは左右のハンドルスイッチに独立してついてるしね。
の機能はスイッチ自体についてて電気的な機構ではありませんし。
と、いうことは。
ハンドルで操作するバイクの電気的な配線は極めて限定的でパターンがあるのです。
配線図を持ってない素人でもテスターで一本ずつ配線を確認しながら、各機能の配線を洗い出すことはそれほど難しいことではありません。
※もちろん配線図があったほうが、100倍楽です。
その気になれば理科が大好きな中学生でもできるはず。
いったん配線を解析しちゃえば、別のバイクのハンドルスイッチを流用することもできます。
※純正のカプラーを生かす、とか言い始めると面倒くささが倍増しますが。
その証拠にZ1系のハンドルスイッチをYAMAHA系のハンドルスイッチにリプレイスするというリプロスイッチが流行ったことがあります。
ハンドルスイッチの配線をZ1系の配線に対応させたカプラーに変更しただけでポンつけできる仕様でしたが、結構いい値段したのです。
古臭いZ1系の車体に新しめのハンドルスイッチは結構浮くのでワタクシは嫌いでしたが、雑誌などのカスタムバイク的な派手な車種には好んで使われてた記憶があります。
簡単な加工でも ポンつけできる部品は高く売れるんですよねえ。
※商品化の企画者はあっぱれ。カプラー差し替えるだけのパーツ交換しかできない人が世には多すぎるのです。
単純な昔ながらの機能しかないハンドルスイッチであれば、
配線図見ながら配線入れ替えれば他メーカーの車種のハンドルスイッチでも比較的楽に流用できたりします。
ハンドルスイッチは年代やメーカーによってデザイン的に特色が出やすいパーツです。
「この年代のこのメーカーのハンドルスイッチが好き♪」
という人もいると思いますので好みのハンドルスイッチがある人は頑張って流用してみればいいんじゃなかろうか。
※ただし、リセール価格は爆下がりするので純正部品は残しておかなきゃだめですよ。

VT250FH。
このスイッチが好きなら加工すればつけることができるハズです。
面倒なだけで、たいして難しくはありません。
Z1系のような旧車はすさまじく単純な配線しかないハンドルスイッチなので何とでもなるのでした。
ただし、アクセルケーブルやスロットルの固定は右ハンドルスイッチでやってるのでここは工夫が必要です。
※もちろん、社外品のパーツがあります。
今のバイクはハンドルスイッチで走行モードの切り替えなどができたりするみたいですな。
コレ、将来のパーツ流用が難しいように思います。
細い信号線が大量にありそうで解析するのも嫌ですわ。
※配線の行きつく先が基盤だと解析のハードルが爆上がりします。
ちなみに・・
Z1-Rの純正ハンドルスイッチの配線はほかのZ1系とは違ってカプラー式ではなく、個別のギボシ式となっています。
これは、
「ハンドルパイプの中に配線を通してハンドル周りをすっきりさせたい。」
というデザインにこだわった凝った仕様だからです。
ハンドルのパイプ内に配線を通すのにカプラーだと物理的に通らないので個別のギボシ仕様というわけです。
実際、配線をハンドルの中を通すのは非常に面倒くさいです。
※手間もお金もかかっています。
そもそもZ1-Rは純正のハンドル以外に変更しづらい仕様なのです。
ハンドルの幅を広くするにも高くするにもカウルが邪魔ですし。
※当倶楽部のZ1-Rも純正のノーマルハンドルですよ。購入時からずっと使い続けてる数少ないパーツです。
ワタクシが思うにZ1-Rの「R。」はRacingのRではないんですよねえ。
Renewal
とか
Redesign
とかの意味合いが強い気がします。
というか、将来のバイクのデザインやあり方を模索した実験機だよね。
無駄に高級路線だったり、実験的な機構を取り入れたりしてるし。
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まとめ

スタータースイッチボタンは単体で純正パーツが出る。
スターターボタンは自作するのも難しくない。
という話でした。
スターターボタンの損壊というのはZ1系バイクに長く乗ってる人にはあるあるな話かもしれませんな。
ともあれ。
シンプルな機構の旧車とはいえ、車齢が50年近くなるとそこかしこが壊れてきます。
えええ!そこが壊れる!?という個所もあって、車体全体がまんべんなく壊れますので例外はありません。
※ワタクシがZ1-Rのハンドルスイッチを更新したのは既に30年近く前ですしねえ。
古いバイクに乗ってる人はこれくらいで驚いてはいけません。
※凹んだり落ち込んだりするなら新しいバイクに乗り換えたほうが幸せになれますよ。
それでも。
Z1系はリプロ品が非常に多いので何とでもなります。
レア車はこういうパーツ探しが大変なんですよねえ。
※流用可能パーツを加工したりするのも面白いんですが。
古いバイクのハンドルスイッチ程度なら機能が単純だし、素人でも配線読めれば加工は難しくありません。
※ハンドルにスイッチユニットの固定が上手くいかず、ぐるぐる回っちゃたりすることもありますが、工夫次第で何とでもできます。
そして。

Z1-Rのスターターボタン。
結構いい感じにできたと思うんだけれど。
※仮止めした時の画像です。もっときれいにできています♪
Z1系のスターターボタン自体は自作も可能でした。
※ ストロークが少なめですが調整すればいいし 機能は申し分ないし、結構かっこいいので量産して売るかな。
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ちなみに・・
リプロパーツがあれば旧車と言えども維持は難しくない‥と思われがちです。
でもリプロパーツがある車種というのは非常に限られます。
旧車乗りは常にパーツ探しをする生き物なのです。
バイクはまだマシで。
車の世界ではスカイラインとZ以外は全部パーツがない、みたいな現象が起きているみたいなので各車のオーナーさんは大変そうです。
※パーツがなくて困ってるTE27レビンのオーナーさんと知り合いです。有名で人気もあるTE27でもパーツ無いの!と驚きました。
よほどメジャーで数が残ってて趣味性が高い車種でない限り、旧車のパーツというのは基本的にないと思ったほうがいいのです。
たくさん残ってても商用車とか大衆車とかのパーツ供給は絶望的です。
古い国産車のオーナーさんは本当に大変そうですが、みんなで助け合ったりして微笑ましいかったりもします。
※メンバーからお金集めて新規に金型起こしたり、みたいなこともやってるオーナーズクラブもあるそうだし。
そういうコミュニティは大事にしたいもんですな。
車文化ってのはそうやって培われていくもんだし、ものつくりはその手の興味と必要性があって発展するように思います。
それなのに
「車が古くなったら増税。」
「サッサと古い車を葬って新しい車に買い替えろ。
その後は13年ごとに乗り換えろ。」
なんだこの国。
国民を馬鹿にしすぎです。
車を買うたびに莫大な消費税を取られるのが嫌なので、
ワタクシはこれからも当倶楽部にある車やバイクはできる限り直して乗り続ける、というスタンスを取ろうと思っています。