あながち間違ってないことも多いのですが、
やることやらずにキャブだけのせいにしちゃだめですよ。
今回の記事の画像は都合によりZ750D1で、お送りいたします。
当記事の目次
Z1系のバイクは正常なら燃費は10km/lを切らない
走ることは走りますが不具合を感じないならオーナー失格です。
世の中には何と同じ思いで悩んでいる人が多いことか・・
※直接「問い合わせ」メールが多いのは燃費系の話です。
当倶楽部のZ1-R(エンジンはZ1のZ1E型エンジンを積んでいます)は、ツーリングでは普通に20km/lの燃費です。
※高速で流せばもっと行きます。
Z750D1でもそんなもんです。
※なぜかZ750D1のほうが若干燃費が悪いです。多分高回転を多用するからです。
キャブだけじゃない
燃費が悪いというとすぐキャブ系に目が行きがちです。
※大抵の純正キャブは終わっています。何やっても直りません。
ところが。
キャブ以外でも燃費が悪くなる要素はたくさんあるんですよ。
結構大きな要素はキャブ以外では電気系が怪しいです。
これでも燃費は悪くなります。
電装は絶対全部見直した方がいいですよ。
目に見えて火花が強くなるのがわかります。
※エンジンの掛りがよくなるし、低速トルクが爆上がりです。
さらに、
チェーンなどの駆動系がスムーズに動かないと平気で1割くらい燃費が悪くなります。
仮に、キャブが正常なら、この辺のメンテをしてみてもいいと思います。
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キャブレーターは消耗品
こういう状態なら完全にキャブのオーバーホールをするしかないです。
出先でトラブル発生する予兆です。
※下手するとオーバーフローしたガソリンに引火して爆発ですよ。
オーバーホールしてもダメならキャブを交換することです。
ただし、
莫大な金額が飛びます。
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当時もののZ1系純正キャブは貴重かも知れませんが、性能的にはもう終わっています。
恐らく、キャブのボディが摩耗してますよ。
こうなるとキャブのピストンを新品に交換してもダメです。
※経験上、一度放置されたことのあるキャブは何やっても駄目です。3基のキャブをメンテした経験から言っています。
オーバーフロー癖
Z1系の純正キャブは、オーバーフロー癖があるものが多いです。
キャブの下部のフロートチャンバーから常時キャブからガソリンが滲んで濡れてませんか?。
キャブ周辺が茶色く変色してるものも怪しいです。
を交換して直ればいい方です。
※可能性は極めて低いですがやってみる価値はある・・かなぁ。
キャブがない
Z1系の場合、もうキャブの選択肢がほとんど残ってません。
いつまでも調子の出ないキャブは何らかの手を打った方がいいのですが・・
当倶楽部ではゼファー用のCVKをおススメしていたのですが、もうまともなゼファーようのCVKキャブは流通していません。
※新品はまだ多少在庫があるようですが、十万円以上します。
かといって、レーシングキャブは・・
使い勝手が悪くツーリングが楽しくないです。
※雨降ってきたり、砂埃の舞うキャンプ場に行ったりすると寿命が縮みます。
急ぎやるべきことは、
という手順で進みましょう。
※もたもたしてるとどんどんパーツが高騰します。たとえまともなバーツでなくても、です。
ちなみに・・
Z1系の車体を入手したら初期化するのが基本です。
その方が絶対的に長く乗れます。
ワタクシは燃費改善のために最初にキャブの分解清掃と細かいパーツ交換をおススメしています。
キャブを丸ごと変えるよりはるかに安いです。
ダメで元々ですが、やってみる価値はありますよ。
比較的安いパーツから交換していくのは旧車乗りのセオリーです。
※4連キャブなので全部4個必要なのでいい金額になります。
等をなるべくリプレイス品の新品で組んでおけばそのうちマニアに売れますよ(笑)
細かいパーツも含めて分解清掃してみるとキャブの構造がよくわかります。
その過程で、キャブボディが劣化で痩せちゃってるのであれば、
「早めに諦めてキャブをオブジェとして飾る。」
ことをおススメします。
キャブは超精密機器です。
ちょっと調子の悪いキャブはどこかしらが詰まりかけているか、細かいパーツが傷んでいたり欠損してたりしてます。
純正キャブが付いていたとしても、過去にどんな整備されてたかわかりません。
最後にキャブを分解清掃したのはいつですか?
ジェットの穴を通気口を針金でつついて導通させたのか、ジェットホルダー周りに傷があるキャブを見たことがあります。
※ジェット類が詰まってエアでは貫通しないくらいひどい状態な旧車は普通にあります。
4気筒の4連キャブは面倒くさいんですよ。
エンジンかけずに放置するだけでもキャブの中のガソリンは腐ります。
数年も乗らなければキャブ内のガソリンが飴状になって異臭を放ってることもあります。
数か月でもガソリンは劣化するようです。
※冬乗らない間はキャブのガソリンは抜きましょう。
アイドリングしない
アイドリングしない場合、まず確認するのはキャブのパイロットジェットの詰まりです。
特にパイロットジェットは詰まりがちです。
詰まっていなくても穴が狭まってることは珍しくないですよ。
※詰まってた場合、清掃して導通を確保するとアイドリングが明らかに安定します。
この状態で、走るとアクセル開け気味になるので燃費も悪化します。
※走れればね。
キャブは超精密機械
ほんの少しバランスを崩すだけで調子を崩しがちです。
※しかもZ1系に純正採用されている強制開閉式はかなり神経なキャブです。
というわけで、
たまにキャブを車体から外して全部ばらして、すべての穴にエアーを拭いて導通を確認&清掃しておくことです。
Z1系のバイクはそういう意味でも乗りっぱなしでいい今のバイクとは違います。
パーツクリーナーで各穴の導通を確認すると、
キャブの穴の一つ一つが、どこでどうつながってるのか理解できます。
※ジェット類は放置すると固着するのでたまに外して清掃するのは基本ですよ。
気化器の理屈がわかると、キャブの奥深さがちょっとだけわかる気がします。
ちなみに・・
ネットには裏技的なキャブセッティング系のネタが転がっています。
とはいえ、
素人は純正のマニュアル通りのセッティング以外はしちゃダメですよ。
まずは基準値と基本的な性能、その時の感覚をきちんとオーナー自身が体験するのが大事です。
結局、中古車両が全く同じ状態なわけなく、人の試した裏技なんて使わない方が時間を節約できます。
※最初から裏技なんてのはゲームの世界だけです。
エアスクリューの戻し回転数は個体差もありますが、大体1+1/2程度で合わせるのが基本です。
Z2はマニュアルでは1+1/4となってますね。
※当然同調などは必要です。
純正キャブがダメな場合
代替キャブを探すしかないんですが・・
いずれにせよ、相当な忍耐力が必要です。
Z1系の純正キャブを探す
現在、Z1系の純正キャブは不具合があってもいい値段でオークションに出品されています。
※まともな状態の中古純正キャブなんてほぼ間違いなく流通していません。
当倶楽部のガレージにも3基ほど転がっていますが、一つたりともまともに動きませんでした。
既にオブジェと化しています。
※ほんとに時間があるときにでも全部清掃してみようと思いますが。
レーシングキャブ
純正がダメになるとCRキャブ系を選ぶ人が多いですね。
当倶楽部でもZ1-Rのキャブを一時的にCR29にしたこともありました。
※速攻でくじけましたが。
確かにかっこはいい・・でも面倒くさいです。
お金持ちは、昔からTMRとかFCRとかですかね。
※恐れ多くて触れませんよ、そんな高価なキャブ。
レーシングキャブは走り出すまでに、セッティング作業が大変で面倒くさいです。
今までキャブ交換でくじける人を多数見てきています。
単気筒&シングルキャブで経験を積んだ人でも、4連キャブ&4気筒のレーシングキャブのセッティングは大変です。
少なくとも、
10回以上はキャブを外してパーツを交換して試走・・を繰り返します。
それに天気次第、出先の標高次第、気温次第で全部ベストセッティングは違います。
次第に出かけるのが面倒くさくなるんですよ。
ジェット類も交換するのにいちいち4つ必要だし・・
※4気筒のバイクにレーシングキャブを付けるのはお金も時間もかかります。
でない限り、走ってる時間よりもセッティング時間の方が多くなりストレスになりがちです。
とにかく、
気楽に走り出せないとバイクに乗ること自体が面倒臭くなります。
それに、
最新のキャブを装着するとそこだけ「デザイン的に浮く」というのもオススメしない理由の一つです。
ちなみに・・
レーシングキャブは街中というかツーリングでは使い勝手が悪いです。
キャブを変えてエアクリボックスがないメリットとか微々たるもんですが、デメリットは山のようにあります。
とにかく雨降るとガフガフ咳き込むようになり気が気じゃありません。
マジで寿命が縮む思いです。
さらに、
一瞬のパワーアップ と見た目 のために、エンジンの寿命が短くなったら元も子もないと思うのですよ。
他車流用のCVKキャブ
※ゼファー用なら400ccでも750ccでもOKです。
ゼファー用のCVKキャブなら4連キャブの取り付けピッチが同じなので比較的容易に流用できます。
ゼファー750用のインシュレーターを利用して取り付けます。
※取り付け穴は長穴加工すれば付きます。
ゼファー用のCVKキャブは負圧キャブなので、結構いい加減なセッティングでも走っちゃいます。
レーシングキャブを経験したワタクシとしては、
「こんなに簡単でいいのか?」
と思う事請け合いです。
CVKキャブの欠点
ゼファー用のCVKキャブにも欠点があります。
オーバーフローすると、ガソリンがキャブん外に出ない構造です。
オーバーフローすると、あふれたガソリンが全部エンジンのシリンダに入ります。
しかも、
フロートバルブシートの単体パーツが出ません。
※CVKキャブは長い間KAWASAKIのバイクに使われ続けてるくせに改善されていないようです。
というわけで、
オーバーフロー癖が付くと何やっても直りません。
※CVK搭載車両が意外に現存していないのは多分キャブのせいです。
オーバーフロー癖が付くとエンジンかけた瞬間から白煙吹きます。
※エンジンのかかりが次第に悪くなっていき、最悪走りながら徐々にプラグがカブるようになります。
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ガソリンコックが壊れていることもある
コックをオフにしてても燃費が悪い理由にはガソリンコックがOFFにしても止まらないということもあるのです。
ガソリンコックが壊れることもあります。
ガソリンコックはオフになってても、パッキンなどが傷んでガソリンが止まらないコックは実在します。
こうなると、
自然落下式のキャブでは、フロートバルブだけでガソリンを受け止めきれなくなります。
ちょっとでもゴミをかんだりすると、ガソリンが溢れる「オーバーフロー。」を引き起こします。
ガソリンコックはサードパーティのメーカーが純正っぽいものを再販してくれています。
どうせ純正はお役御免というか、摩耗していますので四の五の言わずに交換しちゃいましょう。
純正はお宝として清掃後、神棚にでもあげておきましょう。
※意外とカッコいいオブジェになりますが、家族には理解してもらえません。
調子いいですよー、ちゃんとガソリン止まるし。
※CVKキャブにする場合は、二本出しのガソリン排出口を一個にまとめてガソリンをキャブに供給します。
ガソリンコックはオフにする癖をつける
一晩以上駐車するときは当然として、長めに駐停車する場合もガソリンコックを反射的にオフにする癖を付けるのですよ。
全ての旧車に言えますがキャブ様だけにガソリンを止めてもらおうとか思わないほうがいいです。
ガソリンコックは停止時にはきちんと止めておきましょう!
コレだけで、エンジンのかかり方が変わってきます。
※エンジン始動時にプラグかぶる癖があるバイクはコレだけで解消したりします。
ちなみに・・
特に2st乗りはガソリンコックをオフにする人が多いです。
古い2stはガソリンがキャブの中を川のように流れます。
そういう設計なので比較的プラグがかぶりやすいです。
オーナーさんは普段から気を使っていますね。
ツーリングに予備プラグを携帯している人も多いです。
※当倶楽部もツーリングの際は必ずプラグは携帯しています♪
タンク内が錆びても燃費が悪化しがち
錆でタンクに穴が開くこともありますし。
具体的に言うと、
キャブのフロートバルブとフロートバルブシートの間に錆が噛むとガソリンが止まらず流れ続けます。
※要するにガスが濃い状態です。燃費も悪くなるし酷いとプラグがカブります。
そんなわけで、
旧車のガソリンタンクはキチンと防錆対策した方がいいですよ。
タンク内の錆確認1
簡易的な錆の確認方法としては、
ガソリンコックとキャブの間にガソリンフィルターをつけることです。
フィルター内に、うっすら錆(鉄の粉)がたまるようならもうアウトです。
そうなったらタンク交換もしくはタンクのリペアが必要です。
タンク内の錆確認2
ガソリンコックを外せるようならタンク内部下側の錆を確認しましょう。
タンクの上からだと綺麗に見えるもんです。
「もしかして一回もコック外したことない?」
ヤバいっすよ(笑)
タンクがきちんと防錆処理されていない場合、
ほぼ間違いなくタンクの中に錆がたまってるはずです。
Z1系の場合、ガソリンコック取り付け部が丸いのでガソリンコックの穴に指突っ込めます。
指をコックの穴に突っ込んで、タンク底面をぬぐうようにぐるっと回して金属の粉上の錆が付いたらもうだめです。
※大抵、驚くほどの量の錆が取れます。
タンク内のコーティングにはコレ。
絶対的な信頼感があります。
当倶楽部所有のバイクはちょっと古めなのでコレで全部処理しております♪
旧車は絶対やっておいた方がいいタンクのコーティング。
ちなみに・・
旧車には、外観はきれいでも内側は錆だらけのタンクが装備されたバイクを極上として売られてるのは普通です。
※旧車はタンクの鉄板が厚いのでレプリカ時代以降のバイクに比べるとタンクに穴こそ開きずらいのですが。
実はガソリンタンクは錆やすい条件がそろっています。
タンクが錆びて穴開いたバイクは軽量化を追求した80年代以降の野外保管の車両に多いです。
ワタクシも錆でタンクに穴開いたバイクを所有したことがあります。
※中古なんて全部そんなもんです。
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まとめ
どこかしらの調子が悪くなってるサインです。
燃費うんぬんよりも「乗ってて愛車の不具合や違和感を感じられない。」ようだとちょっと旧車オーナーとしては厳しいです。
とりあえず出来ることは、
事です。
そして、
を続けるのです。
純正キャブがダメそうなら、キャブ自体を変えるのも大いに結構です。
他車のキャブ流用するならまともな部品が残ってるうちに決断を早くした方がいいと思います。
※個人的にはレーシングキャブはNG。ゼファーのCVKキャブがおススメです。
ちなみに・・
旧車に乗るという覚悟を決めるという事は、
「ずっと研究し続ける、直し続ける。」
という運命が付いてきます。
ダイエットと同じで、諦めても誰も文句は言いません。
ただ、ずっと続けた人だけが結果を出します。
Z1に限りませんが、旧車の燃費が異常に悪い場合の対策記事でした。