アルミだったら軽かったのですがコストの都合上仕方ありません。
そして何より30年も経てば金属は錆びるのです。
極力手間なくフォークの錆を取ってみました。
でも深い点錆は素人ではむつかしいですな。
KDX125SRのフォークはスチール製
売価の制約がある原チャリの宿命なので安っぽい作りなのは仕方がない。
というわけで装備されている倒立フォークはスチール製です。
※鉄製の倒立フォークって他の車種では聞かないよな。
KDX125SRのフロントフォークのアウターは「スチール製。」です。
見た目ではあんまり差がないように見えますが単体で持ってみると見た目以上に重いです。
※「ハンドルに付くものは極力軽い方がいいと思う教。」に入っているワタクシです。
「フロントフォークには片側にしかタンパーがない。」
というと残念な印象を受けますが普通にツーリングペースで林道走るくらいなら全然問題ないです。
※ダンパーが片側にしかないからかフォークシールは抜けやすい気もしますが。
こんな記事もあります▼
KDX125SR2号機はワタクシが里子に出す前にガッツリフォークシールを交換してから渡しているので現時点ではオイル漏れはありません。
幸いにもインナーチューブに点錆もありませんし。
※個人的な感想ですが、車種を問わず洗車の際、インナーチューブはよく水分を拭き取った後にシリコンスプレーを吹いておくとシールの持ちがいいように思います。
こんな記事もあります▼
KDX125SRはフォーク以外にもいろんなところがレプリカチックな見た目ですが、そこかしこに原チャリの制限があります。
※ラジエターが一個とか後付け感満々のメーターとかメインキーシリンダーの位置とか。
ともあれ、
今回の話はフロントフォークです。
KDX125SRのフロントフォークのアウターは鉄製だけに錆びるのです。
この箇所が錆びたり傷んだりしているとバイク全体がボロく見える位目立つのがフロントフォークというパーツです。
KDX125SR2号機も例にもれず、アウターフォークには複数個所に深い点錆があり、その周囲には赤さびが発生してるのでした。
これを 極力楽して 何とかしたいのです。
ちなみに・・
この時代の2st250ccオフ車は「何でもレーサーレプリカ。」「倒立フォーク装備が当たり前。」だった時代です。
※唯一の例外はLANZA。
公道ではベースとなったモトクロッサーの様な激しい走りをする人はそれほど多くないので、
フォーク自体にそこまで強度が必要とは思いませんが時代的にそういう流れだったのです。
※なので本物レーサーと比べるとかなりマイルドなセッティングっぽい。(DT200WRを除く。)
KDX125SRも性能はともかく、見た目だけでもレーサーのKX125に近づけたかったのでしょうねえ。
※外車や逆輸入はともかく、国産125ccオフ車で倒立フォーク装備はもしかしてKDX125SRだけ?
250ccクラスは数が売れて量産効果があるからか 贅沢にも フロントフォークのアウターの素材は贅沢なアルミ製です。
しかもアルマイト加工されたりしています。
ただし、
転倒や飛び石などでダメージを食らってもあんまり手入れされない公道用オフロードバイクの性として、
「アルミの倒立フロントフォークアウターに傷が入るとそこからダメージが広がって花が咲くように劣化する。」
という個体が続出します。
これが非常にかっこ悪い。
※アルマイトで目立つだけに。
当倶楽部のDT200WRは予備で某一流サスペンション屋さんでオーバーホール済の2型赤アルマイトフロントフォークをストックしてます。
あまりに綺麗で新品同様なので、傷つくのがもったいなくて装着していません(笑)
※ものすごい高価で取引されてるのにビビッて使えないチキンなワタクシ。
フォークの傷ついてささくれた部分を削って、フォークを回して目立たない位置に隠して乗るのがワタクシの周りのオフ車乗りのトレンドでした。
※フォークアウターにカーボン調のシール貼って傷を誤魔化したのは良いが、シールが邪魔でステムからフォークが抜けなくなったりしてな。
最近は林道でも倒立フォークのオフロードバイクをすっかり見なくなりました。
バイクの 中でも特にニッチなカテゴリーなので オフ車自体が減ってる気がします。
なかでも当時のオフ車で現存&走行可能な個体は極めて少ないのでしょうねえ。
コケるのが宿命のオフ車はバイクとして寿命が短いですからねえ。
現存する車両のフォークはほとんど錆びてる
逆にこの10年以上、ピカピカのままのアウターフォークの個体を見たことないです。
それくらい錆びます。
スチール製でメッキ(?)がかかっているようなフロントフォークですので普通に錆びます。
しかも、
飛び石などでメッキ部を突き破るような傷がつくとそこから錆が浸透していきます。
※メッキ物はみんなそうですよ。Z1とかのフェンダー類もそんな感じですし。
こんな記事もあります▼
とはいえ、
見た目を気にしなければアウターフォークは錆びてても別にいいのです。
※インナーチューブには点錆とかささくれがあると交換または再メッキ加工をしないとオイル漏れの原因になりますが。
今回は研磨剤と金属ブラシを使ってアウターの錆を 出来るだけ 落とそうという試みです。
プロとか専門家に言わせればとんでもない手法かもしれませんが、
元々深い点錆が複数個所あってメッキも曇っているので勢いでやってしまいます。
※もし傷だらけになったら別の方法で誤魔化す予定です。
樹脂にメッキの場合はこんなことすると一発で傷だらけになりますので自己責任で。
ピカール&真鍮ブラシで良い
そこは柔らかい真鍮ブラシを使います。
今回はピカールと髭の柔かい真鍮ブラシでこすって力技で錆を落とします。
※ボンスターより柔らかい気がしたので。
こういう作業には使い古しのブラシで十分。
なのでなかなか捨てられないんだよね、この手のブラシ。
金属でも真鍮くらい柔かければメッキ&スチールにそれほどダメージはないという判断です。
※この加減は自己責任ってやつです。
もったい付けて書いていますが要するに、
「柔らかい金属ブラシをつかって研磨剤で表面の錆を取る。」
というだけのことです。
車体を持ち上げるのが面倒くさいので車載のまま、作業をすることにしました。
片側のフォークをステムからを緩めて清掃、清掃後再度固定を左右繰り返します。
こうしないと、フォークが車体から抜けてバイクが倒れちゃうから。
※と思っていましたが、ハンドルバーがフォークトップの延長上にあってフォークの抜け止めになるので問題ないです。
この際、フォークの裏側を清掃するため、ステムの固定ボルトを緩めてフォークを回しながらの作業になります。
KDX125SRの場合、アウターフォークにはインナーチューブガードのスライダーが付いていて、
インナーチューブガードを外さないとフォークを回すことができません。
更に左側はスピードメーターケーブルガイドがあって邪魔なのでスピードメーターケーブルも外しておきました。
※現在、KDX125SRのスピードメーターケーブルは欠品です。
こんな記事もあります▼
それでは作業開始です。
まずは、
ステアリングステムの3本のボルトを緩めてフォークを自由にします。
フォークを回転させながらパーツクリーナーでアウター部を清掃します。
※泥が残ってると嫌なので。
フォークが剥き出しになってる箇所に指でピカールを塗付します。
チューブ式のピカールのほうが粘度があって使いやすいです。
なんか磨くときにはこればっかし使っています。
こういうことです。
で。
真鍮ブラシで軽くこすります。
軽くこすってピカールを除去したところ。
もう一回戦、行きます。
あれよあれよという間に気持ちよく表面上の錆は落ちていきます。
ただし、
深い点錆はどうしようもありません。
これを徹底的に除去するなら、アウターフォークの表面を一回り削って再メッキするしかありません。
再メッキ屋さんを最近有名な旧車オーナーから教えてもらったんですが、さすがにこれだけ錆びてボロイとお願いしづらい。
※メッキ液は汚れがあると再利用できないのでメッキ屋さんはボロイパーツは引き受けてくれないのが普通です。
というわけで。
今回はこの程度で作業を終了です。
メッキ&スチール製なので、錆止めも兼ねて軽くCRC-556を吹き付けておきます。
※そのうち脱脂してコーティング剤を塗布する予定。
作業完了後は画像では見違える位に綺麗になりましたが、よく見ると点錆が残っているのがわかります。
※メッキ部分はモノの映り方が違うくらい綺麗になっています。
綺麗なバイクはレストアしがいがあるのです♪
※こうやってちょっとずつ意識を高めていかないとやる気が続かないのです。
表面上の錆は落ちる
金属表面に浮いているサビなら素人でも除去可能です。
深い錆はプロでも対処したがりません。
車やバイクの錆については「オールドタイマー誌。」を読めばよろしい。
ありとあらゆる錆に対する対策と対応をワタクシの100倍詳しい方々が誠心誠意対応していらっしゃるので。
オールドタイマー誌
バイクも車も旧車に乗るならマジで創刊から全部読む価値あり。
誌面で取材されてる人たちは変人(誉め言葉)だらけで面白い。
当時のアイテムとか見る人が見れば懐かしいハズ。
執念というか執着というかこだわりがものすごい。
※いじってるバイクや車が尋常じゃないレベルのレア車だったりします。
とにかく、
隅から隅まで読むと知識レベルが上がります。
※古い号の個人売買コーナーの車両の安いことったらない。
ヤフオクとかで古本をまとめて買っても全然問題なし。
※話題が話題だけに登場する車が最初から古く(笑)全く時代感を感じない凄い雑誌です。
ワタクシがおススメする雑誌の1つです。
※バイブル的に使えますし、読み込むと知識が深まります。
達人たちの技はさておき、ワタクシ達素人ができる錆対応は、
位なものです。
これくらい綺麗にはなります。
これなら直す気にもなるってもんです。
ただし、
深い点錆は素人ではどうしようもないので再メッキしてくれるところがあればお願いするのが正解です。
まあ普段からメンテしていれば深い錆になる前に対処できると思うのですが、
不思議なもので放置するとバイクや車は一気に錆びます。
海沿いは年中潮風に当たるので錆びやすい。
山沿いは冬に融雪剤まみれになるので錆びやすい。
※なので融雪剤が少しでも道路に残ってる状態でバイクで走るのはやめた方がいいよ。車と違い、バイクの防錆なんて屁みたいなものですし。
湿度が高く暑く雪が降り海が近い日本は金属が錆びやすいエリアなのです。
車の下回りを見ると悲しいくらい錆びてたりするものです。
何も対策してなければ新車から5年くらいしかたってないとしても錆びだらけですよ。
バイクは車と違い、下回りにも目が届きやすいので、
なるべく手抜きしないようにマメに洗車して、その際各箇所の錆状況をチェック、必要に応じて対策を打つ。
結局、こういう運用が一番長持ちするのです。
「バイクに愛情を注ぐ。」というのは「たまに高価なオイルを入れてやる。」とかではないのですよ。
こんな記事もあります▼
まとめ
これが真理ですがなかなかそうもいきません。
レストアするような個体は大抵錆まくりですし。
軽微な錆でも放置すると広がったり深くなったりして取り返しがつかないことになりかねません。
特に部品供給が絶たれているような旧車では死活問題です。
幸いにも最近はこういう用途のケミカルが非常に多くて助かります。
POR-15のタンクシーラーキットには錆除去剤、錆安定剤、コーティング剤がセットになってる。
錆除去剤や錆安定剤は多少汚れてても再利用が可能なのでお得です。
再利用する薬液を錆箇所に刷毛塗り&ラップすると結構落ちたりしますよ。
※自己責任ですが。
とはいえ、
錆対策は風邪薬みたいなもので、
「悪化しないと対応しない。」
のですよねえ。
風邪もひどくなる前に薬とかで対応しておけばダメージが少なくて済むはずなのですが。
まあ軽い表面錆であればピカールと真鍮ブラシで落とせることがあります、って話でした。
※塗装面は傷つくのでこの方法はやめた方がいいですが。自己責任です。
そうそう。
前後のスポークが全部錆びてるんですがスポークってどの程度の錆迄強度あるんだろ?
リアのほうがチェーンオイルが付着するから錆は多少マシ。
とりあえず、
錆除去剤を刷毛塗りしてその後真鍮ブラシで磨いてみようと思います。
※ブラシでこすると無くなっちゃう勢いで錆びて痩せているのですが追々やってみますかね。
ちなみに・・
レストア趣味人が多く手掛ける車体は数が多く手に入りやすい125cc以下のスポーツバイクが多かったりします。
車体が軽いし部品点数も少ない、作業場所も取らないので初心者でも手を出しやすいです。
時代的には80年代90年代前半くらいまでの個体ですかねえ。
そういう個体は元々が安価だったため、錆対策が適当だったのか鉄板が薄いのか特に錆びやすい気がします。
※安い個体だけにオーナーの愛着が薄くなりやすく、放置期間が長くぞんざいに扱われた、というのが実情っぽいですが。
とはいえ。
そういう車両は新車現役当時、多く見かけた個体でも今となっては希少車です。
これを今でもピカピカに維持していれば・・ひと財産でしたな。
ワタクシの世代は原付50ccフルサイズスポーツ全盛の終盤でしたので、
街中で大量のゼロハンスポーツバイクを見かけたものですが、現在はほぼ見かけることはありませんな。
※だいぶスクラップになったっぽいので今やレストア個体を探すのも部品を探すのも大変そうですが。
当記事は非常に画像が地味なのでいつものように美味しそうな食事の写真でごまかすことにします。
現在、まともに動いたらこれらのバイクがいくらで取引されてるか知っていますか?
当時、
「3万でどう?もってかない?」
みたいな話が合った車体でも 買う人がいるかどうかは別として 数十万円だったりしてビビります。
※バイク乗りがこれから減るので中古車屋さんの在庫は売れずに不良在庫になる可能性が高いですが。
長い間、消費が美徳だった日本人もデジタル以外の機械ものは「大事に使えばそれなりの価値になる。」ことに気が付きましたな。
※だいぶ遅いんだよね、気が付くのが。
そんな訳で、現在は高級アナログ腕時計が資産運用のアイテムになってるんだって?
バイクや車より場所取らないし管理も楽そうですがそんな高い時計、買う人いるのかね?
※所詮時計ですよ?スマホで十分じゃないですか。