Z1-RとZ1R2ではベース車両がそもそも違います。
わずか1年の差ですが実際には全然違う乗り物に仕上がっています。
具体的にはどう違うのか?
おススメはどっちなのか?
Z1-R(1型のエンブレムはZ1-R)オーナーのワタクシが超具体的に書いて見ます。
結構細かく違ってますよ。
当記事の目次
Z1-R、Z1R-Ⅱとはどんなバイク?
1型も2型もZ1-Rというバイクは、とにかく豪華な装備のバイクです。
今時のバイクは名前の「R」がレーサーイメージを表してるようですが、Z1-Rの場合違うんじゃないかと思います。
レーサーなら、燃料計とか電流計とかいらないし、もっと簡素でもいいと思います
※実際は、燃料系はタンク容量が小さいための打開策、電流計はすぐパンクする純正レギュレータの対応策じゃないかと思われます。
Z系でも速いか遅いかでいえば、遅いんですが(笑)
そんなところにこいつの価値を求めちゃいけません。
KAWASAKIのカウル、集合などのチャレンジ精神を買いましょう♪
※実はKAWASAKIは今後のバイクの方向性について、いろいろテストしたかったんだと思う。
いまだに、
Z1-Rのどこがカフェレーサーなのか理解に苦しむのですが・・・
ところで、「カフェレーサー」の定義って何?
いまだにわかりません。
少なくともレーサーのような運動性はないです。
※1型でいえば、絶対ベースとなったZ1000の方が素人なら速く走れます。
ちなみに・・
Z1-Rシリーズは当時のバイクのベンチマークにもなっています。
菅平の某有名ペンションに古いバイク雑誌があります。
そこでZ1-Rデビューの記事とそのあとの記事を読みこんだのですが。
とにかく、78年、79年くらいのビックバイクは全てZ1-Rとの比較記事となっていてびっくりしたもんです。
それほど世界でウケて基準になっていたのか?
1978年当時、日本国内にほとんど入ってきてなかったし存在も知られてなかったんじゃないか?
当時の雑誌は本当に適当で面白いので、興味がある方は探してみるといいです。
また、
白バイ野郎ジョン&パンチの劇中のクイズ番組の商品がZ1-Rだったりもします。
所有満足は非常に高いけれど、速く走ることはかなり難しいバイクです。
ベースとなった車両は?
販売年はほんとにわずかな差ですがベースになった車両も違います。
そのほか細かく違っています。
こんな短期間にこれだけ変更したにもかかわらず、2型以降はほんとに生産台数が少ないです。
※Z1000Mk2やSTなどの方が売れたから?
各々の特徴についてまとめます。
Z1-R(1型)1978年
丸タンクのZの最終型Z1000がベースです。
何より、いろんなところが「世界初」というチャレンジングなマシンです。
個人的には、KAWASAKIが実験機としてリリースしたんじゃないかと思っています。
諸説ありますが市販の量産バイクでは
を装備
それまでのZシリーズにはない豪華装備
というとんでもなくコストのかかってるモデルです。
Z1-R(1型) 諸元 | |
生産台数 | 約<span >17,300台</span> |
エンジン形式 | 空冷4ストローク4気筒DOHC2バルブ |
排気量 | 1015cc |
最大馬力 | 90ps/8000rpm |
最大トルク | 8.7kg-m/7000rpm |
ミッション | 5速リターン |
全長×全幅×全高 | 2160×800×1295mm |
2次減速比(スプロケサイズ) | 2.20(33/15) |
ホイールベース | 1505mm |
シート高 | 805mm |
キャスター/トレール | 26度/85mm |
タイヤ前/後 | 3.50-18/4.00-18 |
燃料タンク容量 | 13.0l |
乾燥重量 | 246kg |
マフラー | 左側一本出し |
カラー | メタリックスターダストシルバー |
ちなみに・・
Z1-Rの1型は意外に生産台数が多いんですよね。
この時代にこのクラスで17,000台越えは大したもんだと思います。
※しかもマイナーチェンジまでの1年前後での数字です。
販売した各国のスペシャルカスタムモデルも多数存在します。
米国の「Z1-R TC(Turbo)」が有名です。
はっきり言ってマフラーの取り回しとかわけわかりません。
実はこのほかにも
ドイツ仕様のZ1000Sと呼ばれるモデルも存在します。
Z1000Sは謎が多いんですが、ドイツ国内の現地カスタムとして24lタンク+Z1の4本出しのマフラー装備車両もあったようです。
※大昔、ワタクシは24lタンクの実物を見ましたが当時はバッタモンというかイナゴもんを見るような目で見てました。
フランス仕様ではカラーリングが違うZ2Rというモデルも確認されています。
なぜかタンクキャップの形状がZ1-RというよりZ1R-2のものが装備されています。
実は80年代後半くらいまで、輸出用バイクは結構輸出国向けで設定が違っています。
多くは電装系やメーター表示などの細かい仕様変更です。
それでも、ここまでバリエーション豊かに現地改修されたバイクも珍しいのではないかと思います。
※資料で確認できるだけでも、タンクは3種類以上が存在します。
実際走った感想などのインプレについてはワタクシの別記事を参照してください。
ほんとに40男年前とはいえ、世界中でこんなひどいバイクに乗ってたの?
※はっきり言ってまともに乗れたもんじゃないです。
Z1R-Ⅱ(2型)1979年、1980年
2型はZ1000Mk2がベースです。
生産年は、ホントに1年しか違わないの!?
というくらい細かくたくさん変わっています。
Z1000とZ1000Mk2では乗り味が全く違います。
※乗っててしっかり感が高いのはZ1000Mk2です。フレームも違います。
Z1R-Ⅱは生産台数が思いっきり少ないおおよそ4,000台です。
生産台数が少ないのはZ1000Mk2がZ1R-Ⅱより安かったのと、Z1300などとも競合したためと言われています。
※1型がクレームだらけだったので英国やドイツでの販売が行われなかったので生産数が少ないといううわさがあります。多分、本当です。
Z1R-Ⅱ(2型、3型) 諸元 | |
生産台数 | 約4,000台 |
エンジン形式 | 空冷4ストローク4気筒DOHC2バルブ |
排気量 | 1015cc |
最大馬力 | 94ps/8000rpm |
最大トルク | 9.2kg-m/6500rpm |
ミッション | 5速リターン |
全長×全幅×全高 | 2218×805×1290mm |
2次減速比(スプロケサイズ) | 2.33(35/15) |
ホイールベース | 1473mm |
シート高 | 805mm |
キャスター/トレール | 26度/101mm |
タイヤ前/後 | 3.25-19/4.00-18 |
燃料タンク容量 | 20.0l |
乾燥重量 | 250kg |
マフラー | 左右二本出し |
カラー | エボニー、ルミナスダークレッド |
Z1-RとZ1R-Ⅱの外観上の違い
見た目では、
タンクがでかい
シリンダヘッドが角ばってる
フロントホイールがでかい
ブレーキディスクが不当ピッチの穴あき
で識別できます。
それにサイドカバーのエンブレムも違います。
エンジンが違う
一見、外装が変わったくらいの印象なんですが・・
エンジンは確実に一世代進んでいます。
乗り比べたら全然違います。
全然別物です。
と思っていたワタクシがバカでした。
ちなみに・・
実は近所にZ1R-Ⅱのオーナーさんがいることがちょっと前に判明しまして♪
厳密には形式がD3の3型だと言っておりますが。
出先で偶然遭遇して大盛り上がりしました。
※当倶楽部から15分くらいの距離で、ワタクシのZ1-Rを知ってました♪
せっかくなので無理行って乗せてもらったんですよ、Z1R-Ⅱに!
真っ新の新車状態で乗り比べているわけでもないし、あくまでもど素人のワタクシの見解なので、参考までです。
なんというかフリクションが少ないというかスムーズな感じがするというか・・
ワタクシのボロいZ1-R(実はZ900のエンジンをボアアップしたものを載せている)とは全然違います。
エンジンはスムーズな感じでよりパワフルな感じがします
どちらかというとトルク型のエンジンな感じです。
一生懸命回ってパワーを絞り出しているZ1000と余裕のあるZ1000Mk2エンジンって感じです。
Z1000Mk2にCVKキャブつけてみたいなぁ、と本気で思いました。
Z1000Mk2のエンジンやフレームは確実に一世代進んでいます。
※いいなぁ、このエンジン♪
タンク容量が違う
有名というか一番目立つのがこのタンクの大きさです。
乗った感じでもタンクの大きさには圧倒されます。
13リッター → 20リッター
外観で一番目立つんではないかと。
2型はシートとタンクの段差が、はっきりわかります。
まっすぐなデザインを崩す、という意味で1型のほうが人気らしいです。
そんなのタンク交換しちゃえばいいんではないかと思うんですよ。
※こういうことを言うのでワタクシはZ乗りから異端扱いされるのだな・・
またがると確実に2型のタンクの方が角ばっています(笑)
※ワタクシの1型はシートを変更しているのでタンクと段差になっていますがZ1-Rのノーマルシートはタンクとの段差がほとんどないです・・
とにかく、
航続距離が短すぎるというクレームが付きまくった1型です。
怒られたKAWASAKIは意地になってタンクを大きくしたのではないかと思います。
この時代、スポーツ路線はZ1000Mk2がいたわけで「ツアラーにしちゃおうぜ」というのもわかる気がしますが。
この頃、KAWASAKIはZ1000Mk2ベースにいろんな車種展開しててなんだか余裕がある気がします。
※とはいえ、Z1300というド級ツアラーも出してくるのKAWASAKIがよくわからない。
1型、2型という分け方だけでなく、欧州では様々な仕様のタンクがあるようです。
某バイク屋さんでタンクキャップ回してあけるみたいなタンクを見た記憶があります。
※純正かどうかは別として、この頃ビッグタンクというアフターパーツが存在したかどうか・・
この辺も謎が多いんですが、
少なくともZ1-R1型に搭載された純正タンクは3種類以上、
Z1R-Ⅱのタンクを入れると4種類の純正タンクが存在します。
フロントホイールの径が違う
これもよく見ないと区別がつきません。
18インチ → 19インチ
に変更されています。
1型は
前に書いたインプレ記事やこの後でも軽く書きますが、ハンドリングがまったく違います。
とにかく、おっかない切れ込みをするのが18インチの1型です。
これ、セパハンとかだとかなり怖いかも・・
ってくらい怖いです。
しかもUターンとかでの切れ込みというか突然倒れこむような不安感はぬぐえません。
何がしたかったんだ?
というセッティングです。
2型は、この辺が全然改善されています。
何せUターンが楽です♪
キャスター・トレールの再調整によるところも大きいのではないかと思います。
細かいことは書き始めると長くなるのでググってみてください。
ハンドル回りの重さが同じだとすると2型ではかなり改善されていてちょっとびっくりです。
※1年でここまで変えるか?とKAWASAKIを見直したくなります。
ちなみに・・
意外かもしれませんが前輪が大きいZ1R-Ⅱの方が旋回力は大きいです。
前輪と後輪の内輪差と後ろ乗りをきちんとすることでフロント19インチのZ1系はぐいぐい曲がります。
18インチの方が曲がりやすいと思ってる人は多いですが余計曲がらなくなります。
ツーリングでも峠でもZ1R-Ⅱの圧勝です。
※旧車は後ろ乗りが基本ですよ、オフ車みたいに。
ワタクシは、Z1-R1型にZ1000Mk2の19インチを仕込んでいます。
※これでだいぶマジなハンドリングになります。
マフラーが違う
集合管の1型に対して、2型はZ1000Mk2と同様の左右二本出しになっています。
1型はかなり頑張った作りの一本出し集合になっていますが、くそ重いです。
集合部がなんて言うか・・横に平たい昔の集合管です。
フルバンクするとステップした当たりのマフラーガードが路面に擦ります。
マフラーガード部がだいぶ削れて穴が開きそうになったので思い切ってセンスタが付く集合にしちゃいました。
実際外したZ1-Rの集合はとんでもなく重いんですよ・・
※純正は一応取ってありますが、ガレージの肥やしになっています。
2型は、二本出しになっています。
恐らくZ1000Mk2と同じものだと思われます。
これもオーナーさんによるととんでもなく重い、とのことですがそりゃ二本出しですもの。
※でも結構かっこいいと思うんですが。
関係ないですが、
Z1の4本出し超かっこいいですが、これも重いんですよ・・
でもチタンの4本出しのリプレイス品があることを知り、超高価ですがかなりほしいです。
※嫁用のZ750D1のノーマルマフラーは油紙に包んで保管してありますが重すぎるので日の目は見ないだろうなぁ・・
ブレーキディスクの穴が違う
1型のブレーキディスクは多孔タイプでZ1-Rにしか使われていません。
2型の不等ピッチ穴タイプはいろんな車種に使われています。
※1型のブレーキディスクって何か不具合あったの?なんで突然使うのやめたんだろう?
1型のブレーキディスクは多穴タイプです。
これでもか!とばりに穴が開いています。
昔のレーサーっぽくてかっこいいですが雨天では驚くほど効きません。
2型のブレーキディスクは不等ピッチの多穴タイプでZ1000Mk2と共通です。
こちらも雨天では・・とのことです。
※ワタクシが試乗させていただいたときは晴天でした♪
年式が新しくなって穴が減るのも・・なんだか理解できません。
この辺は未だによくわかりませんねえ。
カラーが違う
1型は基本的には一色のみです。
2型はなぜか2種類、全く1型のイメージとは違うカラーリングになっています。
※1型の色はZRX1100までKAWASAKIはラインナップしなかったのはなぜなんだ?
1型は
StarDustSilver
2型は
- Ebony
- LuminousDarkRed(激レア!)
の二色です。
リアサスが違う
1型のハンドリングの異常さは恐らくKAWASAKIも知ってたはずです。
それを何とかごまかそうとリアサスも凝った作りになってるのが1型です。
1型は
2種のスプリングを組み合わせたものです。
※想像するにビキニカウル周りのフロントが重いのでリア乗りさせるため、リアサスを早めに沈めたかったのではないかと思うんですが違いますかね?
2型は
いわゆる普通のスプリングですが、こちらの方がはるかに乗りやすいんですよねえ・・
シートのタックロールが違う
以前、シート後端にKAWASAKIと白文字が入った個体を見たことがありますが、純正ではないのかなぁ。
あんまりに似合ってたのでちょっとカッコよかったですが。
1型は
シート中央にリブというか縫い目が入ります。
野良猫にシートは穴開けられましたが(泣
2型は
中央のリブというか縫い目がありません。
多少、足つきが改善されているようですが、実際はほぼ全く変わらないです(笑)
志向地でちょっとづつ違う
1型
- KZ1000 Z1-R(北米仕様)
- Z1000 Z1-R(欧州仕様)
2型
- Z1R-II(欧州仕様)
- Z1-R(北米仕様)
また、
北米仕様と欧州仕様ではリアウィンカーの位置が違います。
リアフェンダーも欧州仕様では長いです。
※雨天時のツーリングを考慮したもの?他社でも80年代くらいまで欧州仕様はリアフェンダーが長いものが多いです。
またがった感じ
タンクの印象が全然違います。
タンクの主張がありすぎるのが2型です。
※タンクキャップが埋め込みデザインではないので余計そう思います。
足つきは前述の通り、さほど改善されていない(笑)
ワタクシの気のせいかもしれませんが、若干腰高というか重心が高い感じを受けるのが2型
Z1-R TC(Turbo)という半純正バイクがいる
Z1-Rには、1型ベースのターボ搭載モデルが存在します。
激レアですが、日本国内にも数台存在します。
マジか・・あのハンドリングでターボか・・(笑
異端児というか、
100台が米国カリフォルニアのターボサイクル(TC)社によって製作されKAWASAKIの販売網で売られたようです。
※米国のターボサイクル社(TC社の社長がZ1-Rのカッコよさにくらくら来て調子こいてターボを搭載しちゃったモデル)です。
有名なのは黒ベースにオレンジとイエローのラインが入るモデルですが、極初期はスターダストシルバーだったようです。
111馬力とされていますが古いターボ車ってとんでもなく壊れるのでどうだったんでしょうねえ。
※キャブターボの旧miniERAターボで懲りてます・・
Z1-R TCの実物は20年くらい前に第三京浜保土ヶ谷PAにて1度だけみました。
おお!と思ったもののオーナーさんの話を聞くことはできず。
今動いてる個体はどれくらいあるのか・・
Z1-R TCたって直線番長なんだろうなぁ、と思います。
多分間違っていないはずですが、米国人は真っすぐが大好きですからねえ。
※はっきり言ってZ1-Rのハンドリングでさらにパワーアップされても怖いだけです。
まとめ
Z1-Rは1型と2型以降で結構細かく違っています。
せっかくなので比較一覧にしておきます。
Z1-R(1型) 諸元 | Z1R-Ⅱ(2型、3型) 諸元 | |
生産台数 | 約17,300台 | 約4,000台 |
エンジン形式 | 空冷4ストローク4気筒DOHC2バルブ | 空冷4ストローク4気筒DOHC2バルブ |
排気量 | 1015cc | 1015cc |
最大馬力 | 90ps/8000rpm | 94ps/8000rpm |
最大トルク | 8.7kg-m/7000rpm | 9.2kg-m/6500rpm |
ミッション | 5速リターン | 5速リターン |
全長×全幅×全高 | 2160×800×1295mm | 2218×805×1290mm |
2次減速比(スプロケサイズ) | 2.20(33/15) | 2.33(35/15) |
ホイールベース | 1505mm | 1473mm |
シート高 | 805mm | 805mm |
キャスター/トレール | 26度/85mm | 26度/101mm |
タイヤ前/後 | 3.50-18/4.00-18 | 3.25-19/4.00-18 |
燃料タンク容量 | 13.0l | 20.0l |
乾燥重量 | 246kg | 250kg |
マフラー | 左側一本出し | 左右二本出し |
カラー | メタリックスターダストシルバー | エボニー、ルミナスダークレッド |
最後に、Z1-Rの乗りたいなら
おススメは絶対2型です!
スタイルさえ気に入れば、です。
※1型オーナーが素直に負けを認めます
ただし、
思いっきり数が少ないので探すの大変だと思います。
しかも、
ワインレッド(ルミナスダークレッド)は、思いっきりレアです!
とまあ、書き散らかしてこの記事を終えます。
※記事書いててめちゃめちゃ楽しかった♪
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