Z1-R Z750D1

旧車のリアサスペンション選択と乗り方をZ1-Rで考えてみる

Toos

フロントホイールの大きい旧車やオフ車はリアサスの使い方がミソです。
高性能な市販リアサスを見栄で取り付けるのはもったいないです。

リアサス選択に失敗したことのあるワタクシが、
フロントタイヤが大きいバイクの乗り方をまとめます。

旧車のリアサス変更でケツ上げ改造は意味無し

Toos

リアサスをいかに沈めるかがコーナーでの安定感につながるわけですよ。
バイクはリアサスが沈んで伸びようとするときが一番路面をつかみます。

バイクを安定させるために何やってますか?

  • 加速体制に入る時
  • リアブレーキを軽く踏んだ時
  • このときにリアサスが沈んでバイクが安定します。

    バイクの新旧問わずこの法則は変わりません。

    でも・・
    旧車はどんな時でもバイク自体の性能で安定しちゃう今のバイクとは違うんですよ。
    重くて大きい古い車体を意図的に操る楽しさは今のバイクとは違うものがあります。
    ※逆に意図的に安定させてあげない限り旧車では楽しく走れません。

    コーナーで曲がるときにリアブレーキをうまく使ってリアサスを沈めるんですよ。
    ※ブレーキってのは減速するためだけに使うものではないんです。

    リアブレーキでリアサスを沈めたうえでリアのタイヤを支点にして前後タイヤの内輪差で一気に旋回力を上げるイメージです。
    ※ジムカーナ的な走り方をすればよく分かります。

    免許取るときに教習所のスラロームでやったアレです。
    アクセル+リアブレーキでバイクを旋回させていくってやつです。

    ケツ上げスタイルは見た目はかっこいいかもしれません。
    雑誌などでケツ上げスタイルをよく見ますが見た目はいいかもしれませんが曲がれませんよ♪

    リアが上がるということはフロントに余計な荷重がかかるということです。
    バイクのケツ上げすると人間はシートの前の方に乗りがちなので余計前輪過重になりがちです。
    前輪に過重がかかりすぎると内輪差で発生する旋回力を生かせません。
    ※ついでに旧車で考えもなく低いハンドルにすることも同義です。

    リアサスを無理に固めたり伸ばしたりするとどうなるか?

    ワタクシの実体験と自己流解決の一部始終をお話ししましょう♪

    ちなみに・・

    サスペンションは動いてナンボです

    サスペンションを固めた!とか粋がってる人は何もわかっていません。
    ※極論するならサスペンションは不要でリジッドサスでのったらどうですか?

    特に旧車と呼ばれるZ系がデビューした当時は「前後輪の内輪差でオフロードバイクのように旋回する設計思想」が強い時代の産物です。
    ※オフロードバイクがフロントホイールが大きいのはフロントタイヤに過重をなるべくかけさせないためです。

    オンロードバクでもフロントホイールが大きいのは悪路走行も考慮してたからだと思っています。
    白バイ野郎ジョン&パンチはこの辺のテクニックがすごいです。機会があればぜひ見るべき。



    ケツ上げ状態ではフロントタイヤに過重を依存することになります。
    設計とは全く逆のことをやろうとしています。
    そうなると、うまく旋回できないどころか全然曲がれないです。

    極端な話ですが、Z系はアップハンドルでリアタイヤに乗るイメージの方が絶対楽しいですよ。
    低いハンドルで前傾姿勢が強いほどリアに過重がかけずらくなってリアサスを沈めるのが難しくなります。

    格好悪いかもですが短めのリアサスで後ろ下がりのほうが楽に乗れるのは確かですよ。
    ※最初からリアサスが沈んでる状態に近く旋回力を引き出しやすいです。

    旧車に

  • ブランド物のレース用の長いリアサスペンションを選択
  • サスペンションが沈まない様に固めにセッティング
  • するのを良しするメディアもあるわけですが、見た目は良くても旋回力は純正よりよほど悪くなっているはずです。

    社外リプレイスサス「ヨシムラSHOWA」から始まった悪夢

    Toos

    中古で入手した旧車のサスペンションは前後ともに入手時にオーバーホールしたほうがいいですよ。
    ※普通に距離を乗ればバイクのリアサスのダンパーは抜けていると思っていいでしょう。

    当倶楽部のZ1-Rも例にもれず、入手時にはすでに純正のリアサスペンションはとうに死んでおりました。
    オイルダンパーが抜け抜けでオブジェとして以外の機能はありません。
    ※今でもガレージにオブジェとして転がっています。

    純正リアサスペンションも探せば直してくれるショップも存在するはずです。

    とはいえ当時のワタクシもリザーバータンク付きのカッコいいリアサスには憧れがありました。
    どうせなら・・といろいろ探してみるものの貧乏ライダーのワタクシには高価なブランド物のリアサスを購入できる財力はないです。

    OHLINS(オーリンズ)の安いストリート用で十分な性能ですよ。
    ※昔から定番ですよねえ、OHLINS(オーリンズ)。

    しばらくは、当時まだ現役で新車も売っていた中古のZEPHER1100の純正リアサスを流用することにしました。
    ※ありがたいことに当時はZEPHER1100をカスタムする人が多く純正リアサスがだぶついて安かったんです。

    Z系の純正流用としてゼファー系のリアサスはかなり使えます♪
    普通にポン付けが可能です。

    何せ全長が短めでブランドもののサスペンションよりはずっと地味なのでデザイン上そこだけ浮かないんです。
    ※ヤフオクで安かったし。

    調子のよかったZEPHER1100の純正のサスを「Z750D1シャコタン仕様」を作る際にこちらに移設してから長い苦悩が始まりました。

    ゼファー1100用の純正リアサス

    ゼファー1100用の純正リアサス

    ヤフオクでダンパーの抜けたレース仕様のリアサスを探します。
    ※どうせオーバーホールに出すので傷が無かればとりあえず何でもいいと思ってました。

    格安予算で落札できたのは
    ヨシムラSHOWAの赤いスプリングがかっこいい社外品のレース用リアサスペンション
    でした。

    当然、オーバーホール前提なのでダンパーが抜けてましたが外観はきれいでした。
    入手後、喜び勇んでオーバーホールを有名店に出して初期化しました。



    ワタクシはリアサスのオーバーホールはいつもここにお願いしています。

    オーバーホール後に車体に取り付けてみました・・
    ヨシムラSHOWAのリアサスって長い
    んですよ。

    どれくらい長いかというと・・
    センスタかけた状態で前後のタイヤが地面につくくらいは余裕で長いんですよ(泣

    一見普通に見えますがかなりリアサス長いです。

    一見普通に見えますがかなりリアサス長いです。


    足の長いワタクシには余裕だが足つき性がかなり悪い。
    既に黒いスプリングのCB400SF用になって10年は経ってます。

    リプレイスリアサスは大抵長い
    リプレイスサスはスプリングが結構堅い

    レース用なので
    フレームを加工してリアサスペンションを斜めにつけるレイダウンを前提に作られています。
    したがって・・

  • 全長が長く
  • スプリングが固い
  • と実物を見て推測&理解してみたものの・・時すでに遅しです。
    ※お金かけちゃったもんで引くに引けない状態です。

    普通にツーリングしてるだけで路面の小さなギャップのたびにゴツゴツ言います。
    体感するショックもあるくらいなので、リアホイール周りやフレーム周りのベアリングが壊れるのは時間の問題です。

    いいことないじゃん?!

    まるで一日読むと一日寿命が縮まる恐怖新聞並みのストレスです。
    それでもコレといった解決策もお金もないので泣く泣くしばらく運用せざるを得ません。
    もちろん長く固いリアサスが上手く動かせないので楽しく曲がれるわけはありません

    とはいえ、
    抜けきっているZ1-R純正二段スプリングのリアサスペンションを使用する気はないんです。

    あれはただのバネだ♪

    もう一回お金をかけて純正のリアサスペンションをオーバーホールに出すか・・それは悔しいしなぁ・・

    荷物を積むときにヨシムラSHOWAのリアサスのリザーバータンクにフックをかけられると荷物が積みやすいしなぁ・・
    Z1-Rは本当に車体にツーリングネットのフックをかけられる個所が少ないんです。

    そんな状況でしたが、
    乗ってて全然楽しくないので本気で改善に取り組むことにしました。

    ちなみに・・

    高価なブランド品のリアサスを購入した人の半分は、
    プラシーボ効果でよくなったと思っている節がある
    のではないか?とすら思います。

    高価なサスペンションはどういう点がいいのか?
    いろんな人に話を聞いてもワタクシが納得できる答えをくれた人は実際にはいませんでした。

    今回のリアサスの件は明らかに自分がよく調べもしないで格好優先で高価なパーツを入手したことがミスです。
    ※ここでも情報弱者は金を失うのだった・・

    良く調べもしないでパーツ買ったらつかなかった♪

    というのは、誰もが経験する「旧車乗りあるあるシリーズ」です。
    大抵旧車乗りは何度かこういう失敗をしているはずです。

    こういう失敗は反省はしても後悔はする必要ないです。
    ※いい勉強になるし二度と同じ轍は踏まなくなりますのでガンガン失敗しましょう♪

    ヨシムラSHOWAにCB400SFのリアサスペンションのスプリングを流用

    Toos

    オーバーホール済みのヨシムラSHOWAを何とか使えないものか?
    そこでワタクシは一年くらい考えました。
    Z1-Rが痛むのを嫌ってその年はオフロードばっかり乗ってたような気がします。
    ■確か嫁が昔乗ってたCB400SFもSHOWAのサスだったはずだと思い出しました。

    CB400SFの柔らかめのスプリングをヨシムラSHOWAに流用して1Gで沈む量を増やせば良いのでは?

    思い立ったら行動してみる主義です。
    その主義は失敗ばっかりですが

    早速ダンパーの死んでいるCB400SF初期型の純正リアサスをヤフオクで入手(激安だった)します。
    CB400SF用サスをばらしてスプリングを取り出しヨシムラSHOWAの赤スプリングと入れ替えてみます。
    リアサスペンション自体の長さは変わらないので長さ的にはセンスタ立てても前後輪が地面に付く長さです。
    ※スプリング自体は無加工で入れ替えは可能です。

    ↓スプリングを外すのにはこれを使いました

  • 減衰力調整は伸び側も圧側も最弱に調整(※のちに伸び側はちょっと調整した)してより動くようにします。
  • サス自体が短くなるわけではないので長さは目いっぱい短くなる方向に調整します。
  • 結果として、
    CB400SFのスプリングを流用したヨシムラSHOWAリアサスで実際に走るとゴツゴツ感はなくなりました♪

    ちなみに・・

    ゴツゴツのした感触の原因はスプリングが硬かったためということがこの時わかってすっきりです。
    ※ダンパーが固いのかも・・という不安は常にありました。

    サスは固めるよりもしなやかな方が全然いいということを文字通り体を張って体得したのでした・・
    ※多分、あのまま運用してたらホイールやスイングアーム周りのベアリングが順次壊れていっただろうことは想像に難くないです。

    ここまでダラダラと2年くらいかかっています。
    ようやくまともに走るリアサスになってストレスがなくなりました♪

    現在も継続中ですがこの状態で

  • 荷物満載でロングツーリングにもいく
  • 近所の峠で遊んだりもする
  • みんなでワイワイとツーリングにもいく
  • 街乗りもする
  • 高速道路を使う遠出もする
  • 全部ストレスなくこなしてくれています。

    フロント19インチのバイクを自由自在に細かく曲げる旋回のコツ

    Toos

    このセクションは旧車の曲がり方について書きます。

    コーナー入り口ですこーしだけリアブレーキをかけてリアサスを沈め気味にしましょう。
    特に下りではこの手法が効果的です。
    ※オフ車乗り、と言われますが本当にこの方法は効果があります。

    全体的なイメージはリアタイヤを支点というか中心にして前輪が回り込むように転がす感じです。

    さらに、リアサスを沈めて路面をしっかりつかませてから前後輪の内輪差で曲がっていく感じです。
    このコツをつかむとくるくる回るので細かく曲がることが面白くて癖になります♪
    キャンプ道具満載だとリアが最初から沈みがちなのでさらに楽♪

    リアブレーキを踏んでリアサスを沈めて内輪差で曲がること

    これでフロントタイヤに依存しない安定したコーナーリングができるようになります。
    旧車乗りや前輪が大きいオフロードバイクはリアタイヤばっかり減りますがそういうもんです。

    旧車は後ろ乗りが基本

    と言われる理由です。

    ちゃんとリアを沈めないとうまく旋回してはくれません。

    フロントホイールの大きい旧車はコツをつかめば峠で楽しい速度域で思い通りにしっかり曲がるマシンになります。
    Z1-Rの場合は、ノーマルではハンドリングがめちゃめちゃなのでそれを直す方が幸せになれます。

    ※逆にコーナー中にフロントブレーキをかけてリア過重をを抜くと旋回力がなくなるのでかなり怖いです。
    どんなバイクでもそうですが、あくまでも、フロントはストレートで車体が立っているときだけ使うようにしましょう。
    旋回中にフロントブレーキを入力すると車体の挙動が乱れます。
    ※Zの場合、フロントブレーキがあんまり効かないとはいえ確実に挙動がおかしくなりますよ。

    今時のバイクは前後輪の過重を意識しなくても走れちゃいます。

    コーナー中にフロントブレーキかけて前が沈んで後ろが伸びると一気にとっちらかる度合いが普通のバイクよりでかいです。
    リアを中心軸に前輪との内輪差で曲がっていくイメージはオフロードバイクそのものです。
    ※旧車は意外にも最新のオンロードバイクのりよりもオフロードバイク乗りの方がとっつきやすいみたいです。

    今時のオンロードバイクで速く走ってる人にZ1-Rを貸すと
    曲がれない、怖い
    と言って乗りたがらないです(笑)
    ※オフロード経験者は割とすんなり無理なく乗れるようです。

    旧車のフロント19インチ系のバイクでの走り方に共通しているのは、

  • リア過重で
  • リアブレーキを使い
  • リアサスを沈ませることを意識する
  • です。

    ZのJ系になるともう少し乗りやすいです。
    ZのJ系はジムカーナ的な走りでも割とガンガン行けます。
    それでも前輪に過重をかけっぱなしだとバイクが寝てくれません
    19インチ車は立ちが強い、とか言われるのは一緒ですが確実に一世代進んでいます。

    ちなみに・・

    リア過重の乗り方はオフロードバイクで練習が可能です。
    特に2stオフロード車で練習すると効果的ですよ。

    YAMAHA系のDT200WRやWR250R、YZ125などのフロントサスが固めなモデルはリア乗りができないとおっかないです。
    乗り慣れるまでは、
    「YAMAHAのとんがり系オフ車はただただおっかないバイク」
    です。

    ■SUZUKIのGSX1100Sカタナは前輪が大きいくせに低いハンドルでリア過重にしずらい難しいバイクです。

    カタナが乗りづらいのは、

  • フロントタイヤが大きく
  • セパハンで前傾姿勢が強く
  • ハンドル切れ角が少ない
  • 過渡期のマシンだからだと思ってます。
    ※SUZUKIもGSX750S2ではいきなりフロントホイールを16インチにしちゃったしね。

    ワタクシも一時期GSX1100Sカタナに乗ってましたが、怖かったです。
    あれを乗りこなせる人は相当なテクニシャンだと思います。
    ※Z1-Rとは比較にならないほどエンジン性能は素晴らしくです。

    荷物はもっときちんと詰めるようになりたい。

    荷物はもっときちんと詰めるようになりたい。

    旧車のリアサスの選択と乗り方のまとめ

    Toos

    リアサスは格好よりもリアサス自体の長さとスプリングの固さが選択するポイントです。
    そもそもレース用は行動では使い勝手が悪いです。

    リア過重をコントロールしきることが旧車を楽しく乗るコツです。

  • リアサスは沈めてなんぼ
  • レース用の長いサスはノーマルの車体には不向き
  • 旋回はリアブレーキをうまく使う
  • 旧車に乗ってコレができないと「ただ怖くて重くて止まらないバイク」でしかありません。
    できない人に限って文句言うんだよねえ・・ほとんどの旧車はちゃんと曲がるしちゃんと走りますよ。
    ※ちゃんと走って曲がって止まらないバイクも旧車には存在するのも確かです。

    今のなんでも出来ちゃうバイクと違うのでしっかりこちらが意識して入力してやる必要があります
    ※多分、現行車の新型からZ系バイクに乗り換えたら乗り方を根本的に変えない限り面白くないはずです。


    和歌山さんはライディングの技術的な解説が非常に上手いです。
    バイク乗りは読んでおくといいですよ。

    思い通りに乗れると素晴らしく楽しいバイクですよ。
    旧車だってそれほどメチャメチャなバイクばかりではありません。
    ※キツイな、この発言は。

    だいぶ長くなりました。
    思い返したり事件が起こったりしたら追記します♪

    リプレイス品のリアサスは結構高いので失敗するとクヨクヨします。
    よく考えて調べてから買いましょう

    絶対に事前にサスペンション全長とばねの固さはチェックすればワタクシのようなミスは起きません。
    ワタクシの経験を人柱として踏み台にしてください♪

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    Z1-Rに乗り続けて30年
    東京から長野に移住して15年
    ロータスヨーロッパに乗り始めて10年
    そんなワタクシのリアル実体験「北信州のりもの倶楽部。」です。
    車・バイク共に旧車生活の長さや田舎への移住経験、気が付いたことを記事にしています。
     使えない&くだらない 知識量には自信があります♪

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    当倶楽部のオーナーはワタクシです。

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    下手なカスタム本とかよりも余程役に立ちます。

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