Z1-Rは、1型では「Z1-R」と表記します。
Z1Rは、2型になります。
なんでなのさ、KAWASAKI。
格好はいいんだけど、
走行性能的にZシリーズでは完成度がダントツに低いといわれているZ1-R(1型)です。
本当にそうなのか?
本当にそうでした♪
最初の印象はほぼ最悪でした・・
25年以上10万キロ以上走りつつ修正してきました。
Z1-Rの購入を検討されている方、参考になれば幸いです。
Z1-Rの第一印象
とにかくまっすぐなバイクでカッコイイな、というのが見た目の第一印象です。
アルミみたいな金属素材をぶった切ってまだ磨いてません、みたいな色だしね。
とにかく画像で見ると細くて腰高のイメージがあります。
大体そのまんまです。
重心がかなり高い位置にある感じです。

Kawasaki Z1000 Z1-R (1978) / SG2012
この写真のZ1-Rは欧州仕様ですね。
リアウィンカーの位置がだいぶ後ろです。
ワタクシのは米国から持ってきたのでウィンカーはかなり前にあります。
※取っ手は左側にしかありません。
とまあ、結構独自路線行っちゃっています。
KAWASAKIにとってZ1-Rは
「デザインを含めいろんな実験機として作ってみました♪」
という位置づけなんじゃないかと考察しています。

細い・・・テールカウルのボリューム250cc並みかそれ以下
今時のバイクと比べると異常にボリュームがないZ1-Rのテールカウル。
とまあ、少しだけ改善(笑)されることになります♪
※Z1R2にも乗せてもらったことありますが、Z1-R(1型)とは全然別物というか安定感が違います。
ワタクシのZ1-Rは購入時には北米にありまして。
写真で、欠品がなさそう!というのが購入(個人輸入)の決め手になりました。
当時、Z1系は総じてエアクリーナーボックスがない個体が多かったんですよ。
それにシートの下の細いカウルが残ってたのも好印象でした。
当時は、このパーツのリプロ品などなくとんでもない高額で取引されていました。
購入時から結構程度はよくなかったです。
という問題がありました。
※のちにさらにいろいろ問題が発覚、問題のすべてを泣きながら直すことになります。
ちなみに・・
当時、Z1000Km2もほぼ同じ値段でしたが程度が悪そうな個体が多かったのでZ1-Rを選びました。
その当時見た程度が悪い個体もおそらくレストアされて日本のどこかで走ってる可能性が高いです。
※ほとんど売約済だったし。
車両価格は確か78万円でした♪
※今では考えらんないよね・・
Z1-Rにまたがってみた印象
足つきが悪い・・足が短いのか?
ワタクシ、身長178cmあります。
そして前に乗ってたZ2には普通に足が付きますケド。

ノーマルシートだとこんな感じ
走ってると身体が前後に動くので、どこ座っていいんだかわからんシートです。
正解は、出来る限り後ろに乗る、です。
実際にまたがってみて特筆すべきは脚付きの悪さです。
今まで乗ったオンロードバイクで最悪の脚付きの悪さだと思います。
原因は、シート形状の悪さです。
幅広なうえにシートに角があるので、足をいったん横に開いてそこから降ろすので当然足つきが悪くなります。
※太ももが太い人はさらに足つきが悪いハズです。
ハンドルはZ2のアップハンドルに比べて少し遠い感じです。
とはいえ、今どきのアップハンドルのバイクに近いです。
他のZシリーズと比べて写真だとハンドルの高さはほんの少しの差に見えます。
ハンドルの高さの差よりもシートの高さが影響するのか前傾姿勢が思ってるより強いです。
そしてカウルの位置はかなり遠い印象です。
タンクが長く、平べったいので腹の前に結構な空間が存在します。
その先にカウルが存在する、という感じです。
カウルの内側は配置されてるメーターとインナーカウルのせいで詰まってる感があります。
ステップ位置はかなり前です。
前傾姿勢+足を前に出す、という窮屈なポジションは違和感があります。
ノーマルステップだと膝がエンジンの後端にふれて熱いです。
ちょっとステップ位置が高い気がしますが、使い勝手はいいです。
ちなみに・・
Z1系は胸張ってのる殿様ポジションのほうが乗りやすいです。
遠くまで見渡せるし、リアタイヤに過重をかけやすいので、くるくる旋回してくれます。
一般にセパハンで前傾姿勢をとるようなカスタムが多いですが曲がりづらくなるだけですよ。
アップハンドルでデカい車体をねじ込んでリアタイヤに乗って振り回す、というのが素人ライダーがZを楽しむコツです。
Z1-Rの車重は250kg越えの重量級
サイドスタンドを払うと、どっしり重さがかかってきます。
さすがに250kgの車体は重たいです。
Z1-Rは画像で見る細身の印象を裏切る重さがあります。
そりゃ大部分が鉄でできてるZ1系なので無理もないんですが。

横から見ると細くて軽そうなイメージんですが。
実はクソ重い・・
ある程度体格がないと足付きの悪さも手伝って、
またがったまま車体をまっすぐにすることもむつかしいです。
※勾配が急な駐車場だとちょっと気を使います。
ちなみに・・
Z1-Rにはセンタースタンドが標準でついています。
でも、テコの原理がおかしいのかセンタースタンドは全然かけられません。
普通のバイクのようにセンタースタンドに片足掛けて踏み切ってもまずかかりません。
※他のZ1系はあっさりかけられるんですが。
やってみるといいですよ
初めてだとまずセンスタ掛けられないから。
Z1-Rでセンスタかけるコツは、
です。
それでもかなりのコツと力が必要です。
何人か挑戦してもらいましたが大型免許保持者でも誰一人としてセンスタかけられませんでした♪
Z1-Rで走りだしてみる
Z1-Rは重たい車体に高速向けのスプロケを装備しているので低速が意外なほどないです。
他のZ1系にくらべてクラッチワイヤーがZ1-Rだけ短く曲がりがきつめなのでクラッチは多少重いです。
※クラッチが重すぎる場合はワイヤー自体とプッシュロッドを新品にして可動部のグリスアップすることで超軽く出来ます。
Z1-Rに乗るまでにド初期のZ2に乗っていました。
「同じZシリーズだし、形こそ違うけれど乗った感じは似たようなもんだろ?」
と思ってましたが・・全然違くてビビりました。
極低速からの出だしは重さばかりが目立って加速が鈍いです。
これは、Z1系ではZ1-Rだけ高速型のスプロケを装備しているからだと思います。

次チェーン交換するときはZ1の低速型スプロケにしようかなぁ・・
と毎回思うのだがいまいち思いきれないのだった。
出だしさえ気を付ければエンジンの回転に合わせてまともに走ります。
※そりゃ排気量1リッターもあればねえ・・
かといって今時のバイクのような胸をすくような加速をするわけではありません。
その辺は40年前のバイクですのでそれなりです。
エンジンをぶん回せない今どきのハイパワーバイクとは違い、
タコメーターがバンバン踊りますのででかいバイクを操ってる感が楽しいです♪
Z1-Rの純正ブレーキはダイレクト感が皆無で効かない
Z1-R純正のブレーキは・・マスターシリンダがない?
ああ、カウルの中にあるのね・・
効きがいいとは言えないブレーキなうえ、ダイレクト感が全くないので飛ばす気になりません。
ブレーキレバーからマスターシリンダまでの間にワイヤーが介入します。
ワイヤーで、マスターシリンダを動かし、そこから油圧でブレーキに加圧するという仕組みです。
※ダイレクト感はほぼ全くないです。

ここまでやっても雨天で止まらないブレーキ
昔のライダーってすげえよね。
キャリパーやブレーキディスク、フロントフォークの構成は、Z1000やZ750D1と組み合わせが同じです。
なぜか、Z1-R(1型)だけがブレーキディスクが多孔式になってますが効きはほぼ同じです。
ディスクの穴は雨天での効きに効果がある・・のかと思いましたが気のせいでした。
ディスクに穴が開いていないZ1000やZ750D1と同じように雨天では制動距離が倍になるほど効きません。
※ブレーキディスクの穴は恰好だけです。
ちなみに・・
Z1-Rのフロントブレーキの改善には、いろいろな方法で対策しました。
ダイレクト感のないマスターシリンダを一般的なマスターシリンダにしようと試行錯誤しました。
一般的なブレーキレバーの根元にあるマスターシリンダは、どうやってもビキニカウル(インナーカウル)が邪魔で付きません。
結局、
を全部作り替えることでなんとか一般的なマスターシリンダにできました。
※たぶん、ここまでやる人はあんまりいないと思います。
未だに、雨天時のブレーキの効きは改善できていません。
ブレーキキャリパーを社外品に変えたところで雨天時のブレーキの効きは改善されませんでした。
結局は、ブレーキディスクの素材が雨天時に効かない原因かと思っています。
※サンスター様より、リプレイスのブレーキディスクが販売されていますが高価なので試してません。
雨天時は制動距離が二倍近くなりますので、飛ばさないことにしています。
Z1-Rでのコーナーリングは怖い
Z1-Rでのコーナーリングが超怖いです。
速度域にかかわらず、です。
なんていうか、勝手にハンドルが切れ込んでコケそうで不安になるんですよ。
とにかくハンドリングが安定しないです。
低速域でのトルクがあんまりないくせに切り返すたびにガクガク切れ込もうとするので乗ってられません。
クラッチ使いまくって何とか車体を起こそうとしても、ハンドルは容赦なく切れ込んで倒れそうになるので怖いったらないです。
ハンドルの勝手な切れ込みを抑えようと両腕に力が入ります。
こうなると前に過重がかかってリア過重で曲がる古い設計のZ1系バイクは言うこと聞かなくなってきます。
上手く乗れないと全然面白くないんですよ、コレが。
※すごく肩が凝ります
峠のようなある程度スピードが出る場所でも大きな一つのコーナーならまだしも、
細かく切り返すS字コーナーで途中にギャップなんかあろうもんならハンドルにブルっとする振動が来ます。
うお!
・・心臓が口から出るかと思いますよ。
しかもブレーキのダイレクト感が皆無です。
純正のZ1-Rは、正直言えば飛ばすバイクじゃないです。
ハンドリングの悪さはバイクを操るすべての楽しみを奪います。
はっきり言ってKAWASAKIの設計ミスです。
※今なら絶対クレームになるレベルのハンドリングの悪さです。
Z1-Rは高速道路での走行が怖い
高速に降ってあるスプロケなんだし、ビキニカウルもついてるし、高速走行は得意なんだろうな?
コーナーリングは捨ててもせめて直線番長にはなってもらわないとね。
・・・うわ、マジか?期待を裏切りすぎだよ
高速道路での走行は1000ccもあるくせに得意じゃないです。
余裕なのは、ぬふわkm/hくらいまでです。
それを超えるとフロントタイヤの路面との設地感が次第に薄れてきます。
大げさではなく前が浮き上がってくる感覚です。
※だんだんフロントフォークが伸びてくるような感覚です。

実は高速道路が苦手なZ1-R
飛ばす気になれません♪
他のZ1系はノンカウルなので高速走行は風圧こそあれ、ぬふわkm/h程度ではずっと安定しています。
※首がもげるくらいの風圧とZ750D1乗りの嫁がよく言ってます。
もちろん、純正ブレーキはダイレクト感が皆無なので前の車との車間距離は十分に取らないと危険です。
とっさに効く気がしません。
※もちろん雨天時はブレーキの効きの悪さが加わって車間距離を思いっきり取らないと命がいくつあっても足りません。
Z1-Rは高速で最高速を出すバイクですらありません。
どこで何するためのバイクなんだか、はっきり言ってよくわかりません。
まとめ
Z1-Rは全体的な手直しをするまでは今まで乗ったどのバイクよりも速く走れませんでした♪
純正状態では、いったいどこで乗ったら楽しいバイクなんだか、未だに答えは出ません。
ええ、もちろんワタクシが運転技術的にヘタレであるということは認めましょう。
それを差し引いたうえで進言させていただきます。
Z1-Rは乗るの大変だよ
はっきり言えばZ1-Rは機械的設計では駄作です。
でも簡単にできることには燃えないのよ、男の子は♪
誰にも乗りこなせないスペシャルマシンっぽいところも気に入っています。
なかなか乗りこなせないので全然飽きないということも25年も乗ってる理由です。

東日本大震災のボランティアにも行きました。
ワタクシの場合、Z2でジムカーナやったり荷物積んで日本中の峠走り回って楽しかったんですよ。
Z1-Rに乗り換えたとたんに、まったくバイクが乗りこなせなくなった自分がとにかく悔しかった(笑)んですよね。
絶対乗りこなしてやる
という無駄な執念と若気の至りで妙な誓いを立てちゃったわけです。
※とっととZ1000Mk2にでも乗り換えてれば別の幸せがあった気がします。
これが約25年前の秋のことでした。
半べそかきながらの試行錯誤の繰り返しが始まります。
我ながらしつこいな♪
半ば意地になりながら四半世紀かけてZ1-Rを修正していった記録が、当ブログのZ1-R関連のメイン記事です。
※キャンプとか言ってたりもしますが。