高燃費でセッティングも適当で良くて、レーシングキャブから比べると夢のようなキャブです。
ただし、
オーバーフロー癖が付いてガソリンが駄々洩れすることがあります。
※パーツ交換でも復活しないことがあります。
困ったことに、
2020年7月時点では新品はもちろん、中古のキャブすら入手がむつかしい状況です。
当記事の目次
出先で突然起こるCVKキャブのオーバーフロー
旧精するまでの1時間強、本当に調子よく走っていました。
標高2000m付近の駐車場で最初の休憩中、ガソリンが駄々洩れを発見してビビりました。
4連キャブの一番左側、エアクリーナーボックスとつないでいるインシュレーターからガソリンが漏れていました。
※インシュレータをめくるとガソリンが駄々洩れです。
出かけるときの点検では、全く問題はありませんでした。
当倶楽部から志賀高原までの間、約1時間ほどの走行中にトラブルが発生したものと思われます。
うわ、まじか。
さてどうしたものか・・
取り合えず、その場でできる対応をしたものの、症状は変わらず。
エンジンオイル量に変化がなかったので、プラグが死ぬことを覚悟のうえで多めに停止しつつ倶楽部本拠地へ戻ることにしました。
※オーバーフロー時のオイル量については以下に詳しく書きました。
こういうものを嫁はよく食べる。
ちなみに・・
オーバーフローした場合、ガソリンは車外に排出された方がマシです。
というのは・・
ガソリンがシリンダーに侵入すると、ピストン脇をすり抜けて、オイルパンにたまることがあります。
オイルパン内の液体の量が増えすぎると、
エンジン自体が壊れます。
※ガソリンが油分を洗いまくる&オイル量が増えたエンジンは「ウォーターハンマー」という現象を起こし、エンジン内の部品を破壊します。
CVKキャブ搭載のバイクの場合、オーバーフローしてもガソリンはキャブの外に流れ出ません。
オーバーフローしたエンジンは、オイル量のチェックも併せて行いましょう。
出来れば、オーバーフローしたらオイルは交換した方がいいですよ。
あふれたガソリンが、エアクリーナー側に溢れてくれるならまだいいですが、シリンダーへ流れ込んだ形跡が少しでもあれば、オイルは役目を果たしませんのでエンジンが痛みます。
オイル量が明らかに増えている場合、エンジンは絶対かけずにレッカーしましょう。
レッカー代より何倍も高額な修理代を請求されます。
※もしくは廃車です
フロートバルブの動きに支障がある?
オーバーフローの原因
オーバーフローの原因のほとんどは、
このいずれかが不調になってると考えるのが普通です。
この3つは、ガソリンタンクから供給されるガソリンをキャブ内に一定以上入れないように動作します。
フロート(浮き)が劣化してフロート内部にガソリンが侵入するとウキが正しい位置に収まれずにガソリンが駄々洩れします。
フロートバルブやフロートバルブシートは、浮きの上下運動に従って燃料を遮断する役割があります。
※フロートバルブ周りにコンマ何ミリ、というゴミが噛んでもオーバーフローします。
また、
フロートバルブが劣化したり、フロートバルブシートに傷が入ったりしてもオーバーフローします
※CVKキャブの場合、フロートバルブシートの交換はできません。コレが致命的な欠陥です。
キャブは、精密機械ではありません。
超精密機械ですので、ほんの些細な現象が大きなトラブルになることもあります。
フロートバルブは、安い社外品も多く出回っています。
性能は・・あんまりいい噂は聞きません。
※当倶楽部では、数年に一度のキャブの清掃&オーバーホールの際は交換しています。
品質に問題があるという話もありますが、部品交換で直るなら安いもんです。
セット外の方が絶対得です。
出先でオーバーフローになったら
ダメ元ですが、分解せずにその場しのぎでやってみる価値はあります。
これで、
フロートがちゃんと動きだすことがあります。
それでもガソリンが溢れるようなら・・
※キャブのドレンボルトを緩めてガソリンを排出してもいいです。
※フロートバルブ部に引っかかっているゴミ(大抵錆)を流せることがあります。
今回の場合、
上記に項目をやってみても、ガソリンが駄々洩れになっていました。
元々ダメ元作業ではあるんですけどね・・
とりあえず、
この場ではフロート(浮き)内部へのガソリン侵入を疑いました。
※あまりにガソリンが駄々洩れするので。
フロートも売ってますねえ、リプレイスパーツが。
何故かAmazonにしかないです。
あるうちにキープしておくのが吉です。
ちなみに・・
CVKはオーバーフローするキャブとして有名ですので対策してありました。
というタンク内の錆に対する対策をしてあります。
※この状態で10年以上運用していますが問題はありませんでした。
なので、
燃料経路への錆の侵入に対しては自信がありました。
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4気筒のキャブは取り外すのも一苦労
でも、
数年に一度は清掃&メンテナンスのためにキャブは下ろしています。
※キャブを下ろすスピードは慣れの問題でどんどん早くなります。
※抜いたガソリンは再利用しません。ウェスにとって油汚れを落とすのに使います。
キャブを逆さにして、フロート室を外してメンテナンス開始です。
もう何十回もキャブを下ろしています。
慣れたとはいえ、いちいち綺麗にしたりするので、
取り外しから再度組み付けまでは軽く3時間くらいはかかります。
※FMラジオで、山下達郎のサンデーソングブックから、あ、安部礼司が終わるまでたっぷり時間かけました。
オーバーフロー部のチェック
フロート室内にゴミも見当たらず、です。
浮き内部にガソリンが侵入した形跡もありません。
実は当倶楽部へ帰還時には、オーバーフローの症状が軽くなっていました。
ほとんどガソリンの漏れは止まってた、と言ってもいいです
※ということは、フロートバルブに引っかかったゴミが流れ落ちた?と推測されます。
ちょっとしたゴミのかけらでもあったら納得したのですが。
取り合えず、
を行いました。
原因がわからない
こういう原因不明のトラブルは一番困ります。
何が原因?というのが明確にわからないと対策の打ちようがありません。
逆に、
原因を想定してドンピシャだった時の満足感は非常に高くてメンテナンスへの意識が上がるんですが。
バルブシートに接触する面は、ゴム製なので段差もないし・・ストッパの動きが悪いのか?
とはいえ、
予定外のキャブ下ろしとメンテは結構楽しかったりもします。
この機会に、
フロートバルブやフロートについてはもう少しストックパーツを買っておこうと思います。
どうせ壊れるので、パーツはあって困りませんし。
※KAWASAKIの負圧キャブ乗りは絶対必要になるので買っておいた方がいいですよ。
純正の半額以下です。
安物はネットでの評判悪いですが、こんなもんの品質の差ってどこに出るんですかねえ・・
バイクのキャブをメンテするなら夏がおススメ
キャブの前後、特にエアクリーナーボックス側のゴム製のインシュレータが柔らかいので作業しやすいです。
冗談抜きにゴム部が寒さで硬化してると作業効率は悪いです。
※取付や取外し作業で破いちゃうことがあるくらいですよ。
4気筒は特に、狭い空間にゴム製のインシュレータを取り付ける必要があるので柔らかい方が作業が楽です。
夏は
その分、蚊に襲撃されるという大きなデメリットもあるんですが。
※田舎でがレジ作業してると蚊に10か所くらい刺されても動じなくなります。
一応、市販の蚊よけスプレーをつかっていますが、効果は大きくない気がします。
まとめ
そして、一度オーバーフロー癖が付くと直らない可能性すらあります。
KAWASAKIのバイクって頑丈で長持ちするイメージがあるんですが、キャブが壊れてそのまま廃車になるケースが多い気がします。
※ガソリン抜かずに半年も野外放置するとかなりの確率でキャブが死にますよ。
特にインジェクション化されるまでのKAWASAKI車は大抵CVKキャブを搭載しています。
新品部品は手に入らないはずなので、苦労してるんだろうなぁ・・
キャブが直らずに廃車として扱われる車両も少なくないはずです。
車両自体の現存数も少なくなるいので中古バイクが高いわけだわ・・
※稼働する車両はますます貴重になっていきますね。
ともあれ。
今回、当倶楽部のZ50D1で発生した謎のオーバーフロー・・
今現在は完全に直っていますが、原因が特定できていません。
※昔、このキャブそのものはオーバーフロー癖があって悩んだもんですがその時の原因はガソリンコックでした。
しばらく様子見、ということにします。
何かあれば忘備録としておって記事にしていきます。
※その間に、パーツをストックしておく所存です。
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