でも突き進みます。
このエンジンはカムチェーンがキモなのですよ。
エンジンからじゃらじゃら音が出ているまま走ってる数多いのです。
またカムチェーンの話か、と思うなかれ
※読みやすいかどうはか別として、だ。
ワタクシはしつこいのです。
当倶楽部は、親の仇か?というくらいZ1系のカムチェーンについては書きまくっています。
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で、だ。
カムチェーンをヘッドの中央で押さえる「アイドラーギア。」というものがある。
シリンダー背面の可動式のカムチェーンテンショナーとは違い、固定してカムチェーンを押さえるパーツです。
大した構造でもないのですが、パーツ代はくそ高い。
※こんなので15000円以上します。Z1系のエンジンパーツは軒並み高いですな。でも買えるだけマシです。
これ実は前期型と後期型では異なっています。
同じ役目のパーツですが2種類存在するのですよ。
Z750D1ではすでに変更されています。
※Z2の初期とは明らかに違うパーツです。
当記事では便宜上、
と呼ぶことにします。
パーツナンバーは以下の通りです。
12057-001 アイドラーアッシー、カムチェーン
12053-1016 IDLER ASSY、cam chain
ちなみに・・
前期型でも後期型でもシリンダーヘッドに付くには着きます。
広い意味では互換性があると言えます。
が。
細かく違っている箇所があるのです。
※コストダウンされてるような気もしますが。
それに、
機能的に違うポイントがあるのですよ。
後期型では明らかに「カムチェーンの張り対策してある。」のです。
こういうのを発見するのは面白いですねえ♪
某有名なショップでエンジンオーバーホールした後期型のエンジン搭載車から、
前期型の「アイドラーギア。」が出てきたなんてことが実際にあるのです。
同じ役割をするパーツなので、ついちゃうんですよねえ・・。
前期型と後期型の差を当記事で明らかにしてしまいましょう。
※こんな細かい事、いまだかつて誰も記事にしてない渡思うんですよ。
アイドラーギアの前期後期の判別方法
でも、これしか知らないとそういうもんだと思うんでしょうねえ。
意外なことに初期型の「アイドラーギア。」のほうが作りがなんだかしっかりしています。
※いかに初期のZ1、Z2がコスト度外視で頑丈に作られているかがわかります。
後期型は見た目から華奢です。
ですが、
開発陣や設計陣はこれで十分と判断したのでしょう。
取り付け部にリブがある方が前期型。
そして、
直接比べて見なければ気が付かないレベルの細かさですが、決定的な設計変更の跡が見て取れるのですよ。
さて、盛り上がってまいりました♪
※ワタクシはこれに気が付いたとき「天下とったね。てっぺんだね。」くらいに 一人で 盛り上がったもんですが。
固定のカラーやダンパーラバーが違う
シリンダーヘッドに装着した状態でわかる違いがあります。
自体の作りがごついので、前期型と後期型の違いを知ってれば一目で分かるんですが普通の人にはわかりづらい。
前期型と後期型では「アイドラーギア。」の固定方法が若干違います。
シリンダヘッドにアイドラーギアを固定しているヘキサゴンボルト(六角レンチ使うやつね)の下にカラー(台座)が見えるのが前期型です。
もっと詳しく
前期型では「アイドラーギア。」を固定するのに、内径6mm外径10mmのつば付きカラーを使っています。
後期型は内径6mm外径8mmくらいの華奢で、つば無しカラーを使っています。
※ただのスペーサーですな。
このつば付きカラーは「アイドラーギア。」が付いたままの状態でも確認できます♪
つば付きカラーがついてれば、前期型の「アイドラーギア。」がついているということです。
前期型も後期型もカラーの周囲には長方形のラバーダンパーが付きますが大抵カチカチに硬化しています。
※もちろん、カラーの径が違うのでラバーダンパーも前期型/後期型で別パーツです。
さらに上下で別パーツとなっていますよ。
※2023年5月時点でこのラバーダンパーは上下とも一個1111円(たっか!)。しかも1台で上下2セット必要です。
■前期型
■後期型
明らかにカラー自体が太い前期型の固定方法の方が強度がありそうなんですがね。
なんで簡略化したんでしょうか。
ちょっと謎です。
そして、
前期型と後期型の「アイドラーギア。」は固定方以外に
「決定的な機能の差がある変更が行われている。」
のです。
※ワタクシはこういうのを発見するのは「某組織の秘密を暴いたくらいワクワクする。」展開なのですよ。
ちなみに・・
Z1系の丸ヘッドエンジンは前期型と後期型で大きく二種類存在します。
外見でわかるのはエキマニを固定するボルトが6mmか8mmかってことです。
前期型は6mm、後期型は8mmのスタッドボルトがシリンダーヘッドから生えています。
※当時、世界中でマフラーを外す際に、折れまくったため途中で設計変更したと思われます。
恐らく、このタイミングで「アイドラーギア。」も前期型と後期型になったのではないかと推察します。
確信は持てないのですが、
時期的にZ750Four(A4、A5)の時代あたりかな、と思うんですよ。
この時代のパーツリストがあればわかるんですが今はもう超貴重品ですしねえ。
※当倶楽部にあるパーツリストは、Z2のド初期の奴とZ750D(D1、FX)のものだけなのでその途中はミッシングリングとなっているのです。
こういう推察というかプロファリング作業はホントに面白い。
じわじわきますな♪
※「お前だけだ。」とか言うな。
アイドラーギアの高さ前期型と後期型でが違う
前期型と後期型では
のは前述しました。
ですが、そんなことより決定的に異なっているのは、
「アイドラーギア。」
のギア自体の取付位置に差があるということなのです。
どういうことか。
明らかに後期型のほうがギアの位置が低いのですよ。
のですよ。
これは明らかに、
ギアの取付位置が下がっているということです。
ギアを直接比べてみると、3mm前後後期型のギアの取付位置が低いです。
前期型と後期型では取り付けるカラーやラバーパーツの高さは変りませんので、
実質3mmほどギアの取付位置が低くなるということです。
ということは、
後期型のカムチェーンは前期型よりデフォルトで3mm程度押し下げられているということです。
「「アイドラーギア。」の取付位置を下げることでカムチェーンを張り、カムチェーンの暴れによるエンジン音を消している。」
と思ってよさそうです。
ちなみに・・
たかが3mm程度・・と思うかもしれません。
カムチェーンの張りなんてのは3mmも押せばかなりなもんなんですよ。
実質、1mm押すだけでも結構テンション張るはずです。
※ユルユルだったらコマ飛びしちゃうし危ないのですよ。
当倶楽部ではZ1-RやZ750D1には空冷GPz用のカムチェーンテンショナーを流用していますが、
「カムチェーンテンショナーの押ししろ。」はZ2のものとGPzのものではGPzの方が押せる長さが短くなっています。
古い時代ほど、カムチェーンの張りはカムチェーンテンショナーへの依存度が高かったのですが、
時代が進むにつれて高回転&大パワーのため、カムチェーンテンショナーだけでは押さえきれなくなった。
その結果、
「エンジンの各部で最初からある程度テンションをかけておこう。」
という設計に変わっていったのではないか?と推察します。
これは、
カムチェーンのテンションを張るための進化の歴史そのものではないか?と思ったりするのです。
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まとめ
実はワタクシも発注ミスしましたので判明した次第です。
届いた前期型の「アイドラーギア。」とラバーダンパーなどを実際に使ってみてわかりました。
前期型の新品「アイドラーギア。」とラバーダンパーを組んでみても、
「カムチェーンの音が消えない。」
んですよ。
※いろいろ同時にやったので、ココが原因であるという確信が持てなかったんですが。
散々悩んだ挙句、
「そういえばZ2初期のパーツリストで部品発注したんだっけな。」
と思い返してみたわけです。
調べてみたら、
という散々な結果に。
ギアの位置が全然違う
カムチェーンテンショナーはGPzの押ししろが短いものを流用してるので余計顕著に音が出たっぽい。
※もしかしたらZ2の押ししろが長いテンショナーを組んだら良かったのかもしれない、とこの記事を書いてて思いました♪
「Z1系のエンジンはカムチェーンが鬼門。」
とはよく言われますが、本当にその通りです。
エンジンのカムチェーン音が消えないとお悩みのZ1系エンジン搭載バイクに乗ってる人は、
とりあえず、
という対策を取ってみたらいいと思います。
※カムチェーン交換はそれなりに大変ですので。
あくまで自己責任ですが。
当記事はすさまじく地味ながぞばかりなので
これを食べるのも「自己責任。」です。
えええ。
後期型のアイドラーギアって今新品で手に入らないの?
※リプロパーツもないっぽい。Z1系エンジンのパーツもそろそろヤバいかな。
そりゃ大変だ♪
当倶楽部には、
があるので売るかな。
前期型の「アイドラーギア。」を使う場合は、押しろのの長いZ1純正のカムチェーンテンショナーを使った方がよさそうですな。
※幸い、Z1、Z2純正のカムチェーンテンショナーは2個余ってるし。
高値で売れるかしら?
でもあと10年は乗りたいのでストックしておきたいしなぁ・・。
マジでお金ないのでガレージ整理するかなぁ・・。
悩ましいところですな。
ちなみに・・
Z750D1の純正は、後期型の「アイドラーギア。」+Z2から続く押ししろの長いセミオートカムチェーンテンショナーの組合せです。
これもしかして、最強の組み合わせなんじゃないかと思うんですよ。
考え得る限り、一番カムチェーンの押ししろが長くなる組合せになりますな。
長らくZ750D1は丸タンクZで最も人気がないモデルでしたが、完成度は一番高いです。
よく考えられてるし、各部が熟成されてる感が凄い。
あと10年は乗りたい。
初期のZ2は、乗った感じが荒々しく見た目が細りして美しいのでものすごい人気なのはわかりますが、
初期なだけに未完成度が高いと思いますな。
趣味なのでなんでも好きなのに乗ればいいと思うのですがね。
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