皆さん、キャブの不具合で苦労していますねえ。
25年前のワタクシを見るようです。
・・なんにせよ、キャブ交換は相当お金かかります。
聴けば燃費も相当悪いそうな。
Z1系に乗るのに燃費なんか気にしちゃいけませんが。
当記事の目次
Z1系にKAWASAKIの負圧式CVKキャブを流用するメリット
40年も経てば大抵のキャブは終わっています。
新品からメンテを何度もしてきたとしても良好ななものは少ないです。
キャブボディが摩耗しています。
ヤフオクが始まったころからやっていますが、そのころでも流通していたZ1系の強制開閉式VMキャブは、まともなものが少なかったです。
※当時は、キャブ同士のT型接続パイプすらもメーカー欠品でした。
更に、対米仕様の一部の車種では加速ポンプ付きのキャブも存在しました。
※コレがさらにパーツが出ないんですよ・・
純正キャブを見限る!
と決めたら、
レーシングキャブしか選択肢はない・・と思われがちですがCRもFCRもTMRも公道では使い勝手が悪いです。
そこで出てくるのが、ゼファー400用のCVKキャブです。
さんざん試行錯誤した結果、燃費も使い勝手も一番いい結果になっています。
※アクセルワイヤーもZ1系の純正強制開閉式がそのまま使えます。
CVKキャブのフィッティングと取付方法
取付ボルトの位置が違うので、ドリルで穴を長穴加工します。
キャブのピッチは無加工で着きます。
※ゼファー750用のインシュレーターに角度が付いているのでZ1のエンジン側に付きます。
ゴム系パーツは流用の際はケチらずに新品を使いましょう。
こういうゴム部品は劣化して二次吸気を吸うことがあります。
不調の原因究明に時間をかけるくらいなら新品買った方がいいです。
土砂降りでも平気です。
参考:ゼファー750のインマニの型番
部品No | 名称 | 単価 | 必要個数 | 合計 |
---|---|---|---|---|
16065-1256 | ホルダ(キヤブレタ)、#1 | 1727 | 1 | 1727 |
16065-1257 | ホルダ(キヤブレタ)、#2 | 1727 | 1 | 1727 |
16065-1258 | ホルダ(キヤブレタ)、#3 | 1727 | 1 | 1727 |
16065-1259 | ホルダ(キヤブレタ)、#4 | 1727 | 1 | 1727 |
部品No | 名称 | 単価 | 必要個数 | 合計 |
---|---|---|---|---|
92055-1256 | リング(O)、32mm | 528 | 4 | 2112 |
14073-1211 | クランプ | 374 | 4 | 1595 |
東京在住時代の20年近く前に頼んだので発注記録とかありません。
多分どこかにしまい込んでいるはずなんですが、当時の作業記録をガレージの書籍棚から引っ張り出すのが面倒くさい。
ゼファーは結構マイナーチェンジしていて部品番号が複数ありますが記憶があいまいです。
パーツセレクトは自己責任でお願いします。
エアクリーナーボックス装着
雨天でもツーリングするし、ホコリだらけのキャンプ場にも乗り込むし、軽い林道くらいなら走ります。
キャブとエアクリボックスへの接続は、ゼファー400用のエアクリーナーボックスとのダクトがそのまま使えます。
エアクリボックスとサイドカバーの隙間が広がります。
ただし、ダクトが短いのでエアクリボックスが多少前にずれます。
※フレームとエアクリボックスの空間がちょっと広がります。
キャブとダクトを固定するスプリングもそのまま使えます。
部品No | 名称 | 単価 | 必要個数 | 合計 |
---|---|---|---|---|
14073-1211 | ダクト | 1595 | 4 | 6380 |
92144-1771 | スプリング、エアフィルタダクト | 506 | 4 | 2024 |
東京在住時代の20年近く前に頼んだので発注記録とかありません。
多分どこかにしまい込んでいるはずなんですが、当時の作業記録をガレージの書籍棚から引っ張り出すのが面倒くさい。
ゼファーは結構マイナーチェンジしていて部品番号が複数ありますが記憶があいまいです。
パーツセレクトは自己責任でお願いします。
CVKのキャブセッティング
基本的には、ゼファー400のキャブで1000ccくらいまで大丈夫です。
CVKはセッティングに関しては全くシビアではありません。
ものすごく適当でも動きます。
一気筒分のパイロットジェットの戻し0でも暖気が終わればアイドリングします。
※CR29とは大きな違いです。
ゼファー400の標準セッティングで使ってみて、プラグの焼け色やパワー感で調整していけば問題ありません。
※あくまで自己責任ですので責任は持ちませんよ、念のため。
ちなみに・・
ゼファー400のCVKの口径は30φです。
Z1-Rで28φ、Z1で26φです。
これに比べれば、400cc用のキャブでも十分です。
※ゼファー750は32φです。
ゼファー400用でも750用でも、キャブのピッチは同じですので付くはずです。
ジェット類(参考)
あくまでも参考程度にしてください。
このセッティングで標高2000m越えのツーリングもします。
当倶楽部のZ1-Rの場合
メインジェット | #115 |
---|---|
パイロットジェット | #37 |
パイロットスクリュー戻し | 2+1/4 |
当倶楽部のZ750D1の場合
メインジェット | #95 |
---|---|
パイロットジェット | #37 |
パイロットスクリュー戻し | 1+1/2 |
CVKキャブはジェット類は適当でも動いちゃいますので、レーシングキャブ経験者には物足りないかもしれません。
※面倒くさいのでキャブは年に一度清掃と同調のためにおろせばいい位に思っています。
注意事項
とにかく、ゼファー400用の「CVKキャブ自体が手に入りづらい」んですよ。
中古のキャブほど信用ならないものはありません。
運よく中古のキャブを入手できた場合、
細かく調整というか工夫が必要になる点を書いておきます。
中古のCVKキャブはまともなものが少ない
ヤフオクでは結構中古品が出てますが、コレも信用なりません。
※放置車両や解体車両から外してきたキャブが高額で流れています。
既に新品のゼファー400用キャブも750用キャブも入手できません。
※メーカー欠品です。
部品取りの程度が悪いキャブでも数万円もするとねえ・・
それに、
CVKキャブはは致命的な欠陥があります。
オーバーフロー癖が付くと直りません。
フロートバルブは交換できますが、フロートバルブシートのパーツ設定がありません。
そのため、
フロートバルブシート部に傷が入るとずーっとオーバーフローするキャブに成り下がります。
※オーバーホールはできない、と思っていいです。
さらに、
オーバーフローしてあふれ出たガソリンがキャブの外に出ることはありません。
あふれたガソリンは全部シリンダ内に流れ込みます。
※キャブ外にオーバーフローしたガソリンを排出用するための機能がないです。設計ミスじゃないかと思うんですが・・
こうなると、
エンジン始動時に盛大に白煙を吹く
走行中でもプラグがかぶる
エンジンのかかりが異常に悪い
という全く嬉しくないトラブルにつながります。
もちろん、見た目では全くわかりません。
ワタクシが、異常にタンク内部の錆を気にしたり、停車時は常にガソリンコックをオフにするのはキャブのオーバーフローを避けるためです。
経験上、オーバーフローの癖は、
した車両にはほぼ100%発生します。
※KAWASAKIのCVK装着車両が絶滅するとすればたぶんこれが原因です。
オーバーフロー対策としてとりあえずフロートバルブを交換するのがセオリーです。
CVKフロートバルブ
部品No | 名称 | 単価 | 必要個数 | 合計 |
---|---|---|---|---|
16030-1007 | バルブ(フロート) | 2282 | 4 | 9152 |
社外品は安いねえ・・
ただし、
悪癖が付いたダメなキャブは、何をやってもダメです。
そういうわけで、
中古のゼファー400用キャブを購入するのはかなり分が悪い賭けです。
※ゼファー自体が荒く乗られた個体が多いのでかなりの割合で賭けには負けます。
タンクの内部コーティングなら絶対コレです。
ガソリンコックの問題
対して、Z1やZ750D1のガソリンホースは2本出しになっています。
Y字型のホースコネクタでつないじゃうのが一番安く済みます。
ガソリンコック → Y字型コネクタ → キャブ
キャブ側は8mm、ガソリンコック側は6mmの二本出しなので途中で内径が変わるので工夫が必要です。
※Z1-Rの純正ガソリンコックは1本出しなのでこれを使うと楽なんですが既に欠品で、リプロもされていません。
ガソリンコックは、OFFにしておいても完全に止まらなくなってるものが実際にあります。
※ワタクシはこれでオーバーフロー気味になり原因が判明するまで数か月悩みました。
この際、リプロの新品にしてしまうことをおススメします。
そんなに高くないし、壊れた純正よりもしっかり仕事してくれるリプロの方が信用できます。
※出先でプラグがかぶって調子崩すよりはるかに安心です。
チョークの問題
Z1系の純正VMキャブがキャブに直接ついているレバーでチョークを操作するのに対し、ゼファーのCVKキャブはワイヤーでチョーク機構を操作する方式です。
何かしらのチョークケーブルを流用して作ろうかと思ったこともあります。
※セロー225Wのチョークノブを流用しようかと思いました。
チョークを使うことはほとんどないんですが。
CVKキャブのチョーク機構はキャブの右側から指で押せばとりあえずは動きます。
※チョーク状態で固定できませんが。
でも・・
当倶楽部のZ1-RとZ750D1に限っては、冬でもほとんどチョーク操作は不要です。
バッテリーが弱っていなければ、エンジンのかかりはとてもよろしいです。
エンジンがかかっちゃえば、アクセル少し開けて回転を上げておけば次第に安定します。
※もしくはアイドルアップスクリューで少しアイドリングを上げちゃいます。
なので、
あんまりチョークの必要性を感じません。
※キックでもすぐエンジンかかるしね。
ちなみに・・
Z750D1はクラッチを握らないとエンジンがかからない機構をそのまま残してあります。
なので、
クラッチ切って、セルボタンを押すのですが、そうなるとチョーク操作ができません。
チョークを操作する場合は・・
という、アクロバティックなエンジン始動になります。
※ガソリンコックが原因でオーバーフロー気味だった時期はエンジンのかかりが悪かったのでたまにこういう掛け方をしました。
まとめ
※質問のメールが本当に多いです。
Z1系のエンジンは非常に丈夫です。
一度しっかりオーバーホールした後、ちゃんとオイル交換などのメンテナンスだけでも25年、10万キロ以上持ちます。
実際にワタクシのZ1-Rがそうですし、嫁のZ750D1もすでに5万キロ以上走っています。
ノーストレスです。断じてバイクは馬力だけが魅力ではありません。
でも、
キャブは消耗品で、それなりの耐久性なので経年劣化します。
※電装品もそうです。
キャブが死ぬと、その他の機構がピンシャンしてても不動車になります。
そして、
バイクってキャブが調子悪いと、気を遣うばかりでどこに行ってもツマラナイんですよ。
安易にレーシングキャブにしちゃう人も多いですが、ワタクシは反対です。
※セッティング地獄と天気や季節に左右される運用制限が待っています。
とはいえ、
CVKキャブの供給は年々厳しくなりつつあります。
※ゼファーだって、30年近く前のバイクですしねえ・・
普段使いで乗れるZ1系のバイクを!というのであればCVKキャブ化はおススメです。
ただし、
中古のゼファー400キャブは「ハズレ」を引く覚悟も必要です。
オークションの出品者はそういう知識は皆無ですので質問するだけ無駄です。
※オークションで一見まともに見えるゼファー400用のCVKキャブは5万円くらいしますね・・でも「ハズレ」はかなりの高確率で存在します。