と言われ続けてきました。
その理由はビキニカウル周りの設計の詰めが甘いからです。
純正のままだとすごくおっかないハンドリングになっています。
直すには直せますが、お金がかかるんであんまりおススメしません。
その覚悟が無ければまず買わないことです。
買っちゃってたら売っちゃうことですよ。
当記事の目次
Kawasaki Z1-Rは乗りにくい
ワタクシが断言します。
雑誌なメディアなどでははっきり書いてありませんが、Z1系のバイクではもっとも乗りにくいのはZ1-Rです。
Z1-Rは格好だけですよ。
楽しく良いペースで走ろうなんて思わないほうがいいです。
とにかく乗ってみればわかりますよ。
今となってはノーマル状態のZ1-Rなんて全く乗る気になれません。
それぐらい、乗りにくい。
というか、今のレベルれいうと間違いなくリコールモノ。
※そもそもこんな乗りにくいバイクを市販するなんておかしいレベルです。
Z1やZ1000Mk2のバランスの取れた乗りやすさとは桁が違うレベルで乗りにくい。
※乗り比べればよくわかりますが、はっきり言うと怖いレベルです。
ワタクシは四半世紀かけてまあそこそこ乗れるようにしたのですが、もはや純正の面影は全然ありません。
※なるべく純正っぽく作ってみたのですが。
当記事は、Z1-Rの1型のハンドリングについて特化して書きます。
高速性能や極低速性能、ブレーキの性能など、言いたいことは山ほどあるのですが長くなるので。
※2型はだいぶマシです。
ちなみに・・
今でこそ結構人気車種になってるZ1-Rですが、
以前は「Z1-Rは乗りにくい。」というネガな情報が飛び交っていたため、割と不人気車でした。
※ワタクシが入手した時代は100万円以下が普通。個人輸入なら70万円位からあった。
Z1-Rは人気があって常にタマ数不足のZ1などと違って、中古バイク業界では在庫がだぶついていたらしい。
※Z1系では結構製造販売数が多かった車種なのでタマ数は多かったみたいです。
Z1-Rの1型は見てる分にはかっこいいバイクなんで、意外と世界中で売れたのよ。
各国で現地改修型も多かったし、クレームも多かったようなのですが。
そこで、有力中古バイク屋がスポンサーになり雑誌やメディアに圧力をかけたっぽいのです。
「Z1-Rの良いことだけ書くように。」
みたいな裏事情があったかどうかは知りませんが、なんとなく特集を組まれるようになりました。
Z1、Z1000Mk2のハズシ技として、みたいな扱いでしたが次第に注目を集め始めます。
その結果、2005年を超えたあたりからくらいから急に中古価格が高騰し始めました。
みんな騙されちゃうよね。
そして、
Z1-Rの乗りにくさと、Z1やZ1000Mk2の乗りやすさを比べると天と地ほども違うことにビックリするのです。
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Z1-Rはとにかくコーナーリングが怖いバイク
コーナーリング中も操舵角がつきすぎないようにコントロールせねばなりません。
もっとはっきり言うと「バイクにハンドル切れ角を任せてコーナーリングできない。」ということです。
どういうことかと言いますと。
コーナーリングに入る時に減速、倒し込み、定状円旋回、加速、引き起こし、脱出と繰り返しますね。
※まあコーナーリング時にはいろんなことを同時にやるんですがここではわかりやすく。
特に定常円旋回の前後に起こりがちです。
勝手にハンドルが切れ込むのですよ、カクッと。
コレが結構怖い。
※コーナーが荒れてたりするとコケる!と思いますよ。
Z1-Rに乗るまでZ2で タイヤが溶けるくらい そこそこコーナーリングを楽しんでいたワタクシですが、長い間Z1-Rで飛ばす気にはなれませんでした。
速く走ろうなんて思えないくらいひどいハンドリング。
Z2ではコーナーリング時にはハンドルは車体に任せて、邪魔しないようにすればよかったのです。
Z1-Rではオフ車で未舗装路を走る時のようにハンドルを上から押さえこむみたいなライディングスタイルになりました。
とはいえ、
ハンドル幅が狭く車体が重いので押さえ込みが効かないのですが。
広いハンドルに変更することはビキニカウルと干渉するためできないんですよねえ。
※ワタクシのZ1-Rの乗り方は、ハンドリングを散々改良してきた現在でもオフ車っぽいとよく言われます。
入手したてのZ1-Rはとんでもなくボロかったので直し直し乗ってたこともあり、
「同じ系列のエンジンを載せた、同じようなコンセプトのバイクなのにおかしいな。ワタクシの個体だけなのかな?」
とも思ったこともありました。
Z1-RはZ2とは違い、ジムカーナ的な走り方はもっと苦手です。
とにかくハンドルが切れこむ怖さばかりが先だって小回りなんてできないんですよ。
Z1-Rは高速型のスプロケを装備しているためか、1000ccもあるのに意外に極低速のトルクはありません。
極低速でも一気に切れ込むハンドル、クソ重い車体も手伝って、
「ジムカーナなんて二度とやるか。」
という思いに駆られてしまいます。
※ゆえに、ジムカーナやったのは一回だけです。Z2では結構いい線まで行ったんですが、スゲエ下手になった気がしました。
そんななので、
Z1-Rの走り方については少なくとも数年単位で走り方については悩んだ記憶があります。
当時は誰も、どんなメディアも、ワタクシに納得できる正解をくれませんでした。
※30年位前ってのは、ネットもなく情報なんてほとんどなかったんですよ。
普通は乗り換えますな。
ワタクシは しつこい 徹底的にやってみたくなる主義なので諦めませんでした。
※実はZ1-R購入に際して借金もあったし、とんでもなくボロなので売れないと思っていたので仕方なく、というのが実態。
最初はZ1-Rの装備がZ1と違って18インチのホイールやリアサスがダブルスプリングになってることに何の疑問もなかったのですが、次第に
「実はこれらの装備はオシャレや高性能を狙ったわけではなく、安定性を狙ったものじゃないか?」
と思うようになっていきます。
それは多分、正解なのです。
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ハンドリングの悪さ原因は特徴的なビキニカウルを含めたデザイン
そして、これ以降Z1系は大きなビキニカウルを装着しなくなりました。
これが答えです。
Z1-Rの外見的な特徴は角ばった車体デザインとそれまでなかったビキニカウルです。
角ばったデザインはどうでもいいとして、Z1-Rはビキニカウルを装着するためだけにいろんな工夫がしてあります。
※Z1-Rのビキニカウル装着はほぼ世界最初なので、いろいろ工夫とか試行錯誤をしたんだろうと思われます。
その結果、
これらが全面的にハンドリングの悪さをしているのです。
言葉を選ばずに言えば、
「ママチャリのハンドルのカゴに重い荷物を満載して走ってる。」
状態なのですよ。
フルカウルのバイクを見るとわかりますが、ハンドルにはメーターなどはつけてないです?。
重たいメーターなどは全てカウルやフレームにマウントしていますね?
これは、
「ハンドル周りが軽い方がハンドリングが良くなるから。」
です。
あんまりいろいろ外しすぎて隙間を埋めたくなった。
Z1-Rは何を思ったのか、この真逆を突き進むようなパッケージングなのです。
※当時もハンドル周りが軽い方がスポーツ性が高い、みたいな理解はあったと思うんですが。
Z1-Rのレーサーマシンを見ると軒並みビキニカウルはハンドルから外され、フレームマウントしてありますね。
これはレーサーとして運動性を高めるためのセオリー的な改良です。
※純正のままサーキットを走ったら吹っ飛びますよ。
とにかく純正のままハンドルマウントのビキニカウルだとハンドル周りがくそ重いのがZ1-Rと言うバイクです。
これを解消するためには、ハンドル周りを徹底して軽量化するしかありません。
次の項は、ワタクシがやったZ1-Rのハンドル周りの軽量化の話です。
ちなみに・・
Z1-Rは「R。」が付いていますが、全然レーシングとは関係ないところもわけわかんないですね。
むしろ、ちょっと豪華さを演出したかったのか余計な機能がてんこ盛りです。
しかも、
それらが全部ハンドルマウント、ビキニカウル内に収まっています。
※そんなのハンドリングが良い訳ないのです。
無駄に豪華な・・と聞くとZ1-Rのメーターを思い出します。
一応Z1-Rの豪華な装備を紹介しますと、
があります。
それに、
「純正のビキニカウルがずげえ重い。」
のです。
※当倶楽部の個体だけ?メチャメチャ頑丈ですがFRP何層で作ってあるのか・・。
Z1-Rのハンドリングをまともにするために
不要な機能は全部オミットする。
出来る限りZ1のハンドリングに近づける。
これを目標として数年がかりでコツコツ進めました。
コレだけで数キロ軽くなります。
※そのおかげで全塗装しなけれなばならなくなったのですが。
純正とは比較にならないくらい軽いし安い。
Z1-Rのメーターステーは頑丈でクソ重いのです。
これをZ1000Mk2のメーターステーにします。
※当倶楽部の個体は試行錯誤の途中経過としてZ1のインジケータを付けていた時代もありました。
当倶楽部のZ1-Rは現在ゼファーの燃料計付きタコメータに変更したのでさらに軽い。
結局こうなった。
トップブリッジは、Z1とZ1000Mk2とZ1-Rではメーターステーの取付方法が全部違います。
当時、Z1-Rのハーネスなんて手に入らなかったので全部Z1のハーネスで引き直ししました。
※おかげでハザードも無くなりました。
※当ブログのZ1-Rのブレーキの記事参照。
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※これは逆に重くなるけど、雨天時にライト裏全部むき出しのハーネスで走るのは気が引けたため。
ビキニカウルステーも軽量化したかったのですが・・。
ビキニカウルステー、すごい高いんですよ(´;ω;`)
そのうち、中古のビキニカウルステーでも手に入れたら、不要な部分をカットして計量版を作ってみようかと思います。
※そういや板金屋さんの知り合いがいたな♪また面倒くさい仕事頼むかもしれんが覚悟しておくように。
直接ビキニカウルとは関係ないですがハンドリングには影響が大きい項目は以下の通り。
今のところ、ハンドリングに関しては上記の仕様で15年以上、7万キロくらいかな、を走っています。
おかげで純正から比べるととんでもなく乗りやすくなっていますが、ワタクシの好みなので万人受けしないかもしれません。
お金も時間かけましたがある意味正解だと思っています。
ちなみに・・
そもそもワタクシが数十年前にZ1-Rのビキニカウルの重さに気が付いたのは偶然でした。
何度も整備している途中でカウルを外すことがあり、そのノンカウル状態でちょっと試走したら。
思いのほかちゃんと走るのですよ。
やっぱしビキニカウルはZ1-Rのアイデンティティだと思うのです。
一時は、カウルレスで行こう!というワタクシもいたのですが、
「Z1-Rのアイデンティティはビキニカウルである。」
という思いと、
「Z1-Rはノンカウルにするとサイドカバーのでかさが目立つ。」
感じがしてビキニカウルを含めた軽量化、というコンセプトになったわけです。
実はカウルレスにするのも結構面倒くさいのですよ、Z1-Rは。
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まとめ
よほど覚悟が無ければ、Z1-Rで速く走ろうなんて思わないほうがいいですよ。
そして、実際に乗るなら高騰している中古価格の価値分の楽しさはありません。
純正のまま、実際に走るなら街の街道を流す程度にしておいた方がいいです。
峠でスポーツ走行とかサーキット走行なんてやめたほうがいいですよ。
ホントに怖いので。
大人しく巡航速度低めなツーリングに使う、くらいなら問題ないとは思いますが。
ハンドリングだけでなく、高速巡行性能もブレーキ性能もとてもじゃないですが現代の交通事情にあいません。
ただただおっかないバイクです。
Z1000Mk2ベースのZ1R2型になればかなり改善されているのですが、それでも楽しいのはカウルのないZ1000Mk2ですね。
確かにデザイン的にはエポックメイキングな車種ですが、トータルの完成度はZ1シリーズでは最低レベルです。
まともに走らせようと思ったら相応な出費を覚悟せねばなりません。
普通はその前に諦めるか投げ出すかするわけですが、すごく高い勉強代になることは間違いないですよ。
ショップも買う前にZ1-Rを試乗させてくれればいいんですけれどねえ。
ほぼ100%試乗させてはくれないでしょう。
エンジンはかかっても乗ってみなきゃわからないというバイクの代表がZ1-Rですよ。
それでも進んで泥沼にはまりたいという「バラの棘は痛いけれどたまらん。」という奇特な方にだけZ1-Rはおススメします。
ちなみに・・
Z1-Rの中古価格は高騰していますが、はっきり言えば大した価値はないです。
※メディアが持ち上げるとなんでも価格高騰するんだねえ。AE86見たいですな。
そんなに言うなら500万円なら売るよ。
まず普通の人なら走って楽しい!と思えるレベルに仕上げるにはそれなりの追金が必要です。
見た目が綺麗なバイクなので、
乗らずに盆栽として理想的なガレージでホコリもかぶらないようにしっかり保管すれば資産価値が上がるかもしれませんが。
理想的なガレージとは、湿度が低く温度も一定、換気ばっちり、センタースタンド保管出来てホコリがかぶらない、みたいなところですよ。
※ガレージ作るのにまず金かかるので原資の回収をするにはかなり厳しいですね。
ま、カウンタックもミウラもとんでもなく乗りづらいと聞いたことがあるし、資産として考えればいいのかもしれません。
でも、中古バイクは資産としてはそろそろ終わりっぽいですよ。何せ買う人いないですし。
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