KAWASAKI Z1-Rのインプレ
当倶楽部の所属機は1型のド初期もので車体番号もごく初期の個体です。
今まで当ブログに寄せられた質問の回答をかなり加筆して、
1型についてのインプレというか乗った感じを書いておきます。
Z1-Rのスタイル
実際、今どきのバイクと比べるとバイク自体にはボリューム感はあんまりないです。
でも跨った感じはしっかり大型バイクっぽいのです。。
Z1-Rは1型と2型があって1型をZ1-R、2型をZ1Rと表記するのが正しい様です。
当記事では、1型をZ1-R、2型をZ1Rと表記します。
昔のバイクはタンクが細くてバイク自体はそれほど大きい印象がありません。
Z1-Rは1000ccのバイクとしてはタンク容量13Lとかなり少ない部類で、
横からの写真だとタンクが薄く見えるため細いイメージがあります。
それでも実際に目の当たりにすると、
「金属で出来てますよ。」
という重量感というか威圧感みたいなものがあります。
意外なことに、
跨ってみるとタンクの小ささはそれほど印象的ではありません。
横から見ると細く見えますがまたがるとそうでもないのです。
とはいえ、
個体にも寄りますが13Lでは200km連続走行も結構難しかったりします。
Z1-Rは 慣れればどうということはないのですが ロングツーリングでの使い勝手は決してよろしくありません。
現存する個体のオーナーさんに聞くと満タンで200kmを走れるかどうかは結構微妙なところみたいです。
※新車当時はどうだったんだろうね?
そんな訳で、
2型ではタンクが一気に20Lの大容量になります。
Z1-RとZ1Rを並べるとタンクのでかさの違いが目に付きます。
2型のZ1Rはタンクが大きくタンクとシートのラインに段差ができます。
タンクからテールカウル迄の直線基調のデザインから統一感を無くす感じがします。
※1型と2型の違いについては別記事にしてあります。
長距離を走るための使い勝手は良くなったのでしょうねえ。
こんな記事もあります▼
ただし、
タンクが小さいZ1-Rのスタイルの良さを評価する人は多かったりします。
タンクと言えば、
Z1-RもZ1Rも燃料タンクの後端が角ばってて内ももが当たるのでホールド感はあんまりよくありません。
ちなみに・・
Z1-Rライダーの都合なんてそっちのけでデザイン優先で設計されたであろうことが容易に想像できるバイクですが、
ワタクシはこの角ばった直線基調のデザインが好きでして。
今でも多くありませんが、
Z1-Rのように定規を当てて線を引いたような直線基調のデザインのバイクは存在しませんでした。
※どうせなら1型からカムカバーもテールランプもリフレクターも角にして欲しかったのですがそういう所が逆に可愛かったりします。
Z1-Rがデビューした時は世界中で格好良さが歓迎され、
KAWASAKIも想定しなかったくらいの反響があり生産台数は結構多いのです。
Z1-Rの余りの格好良さに米国では千台以上を買い取ってターボチャージャー付けちゃった有力ディーラーもあったりします。
※Z1-R TC。これも正確には前期型と後期型がある。
同じく米国では当時放映されてた「白バイ野郎ジョン&パンチ(CIHP's)。」では劇中のクイズ番組の優勝賞品がZ1-Rだったりします。
※当倶楽部には当時のその映像がDVDで保管してあります(笑)
また、
世界中で各現地のディーラーでは現地改修型とも言える派生機を作ったりしています。
これらの派生機がKAWASAKIが承認してたかどうかは別として、
といった個体が新車として売られたようです。
※Z1-Rには少なくともタンクだけで3種類存在しているのをワタクシ自身が確認しています。
これくらい人気があったZ1-Rですが、
予想しなかったくらいのクレームもたくさんあったようで(笑)
当記事はそういう点をまとめた記事です♪
こんな記事もあります▼
ちなみに・・
Z1-Rのアイデンティティと言えばビキニカウルです。
ビキニカウルのアクが強いためか、
純正色がなんとなくKAWASAKIらしくないためか知りませんが、
ワタクシがZ1-Rを入手した約30年前はZシリーズの中では断トツに人気がなかったし、見かけることは少なかったのです。
Z1-Rのビキニカウルは、
「この造形しかありえないだろ?」
という絶妙なデザインをしています。
ワタクシはZ1-Rのビキニカウルを生涯で200回近く外しているハズです。
ワタクシ個人としては非常に格好良くて気に入っていますが、
レプリカ時代はビキニカウルはダサいモノとされ、
フルカウル>>ノンカウル>>>>>>>ビキニカウル
という風にビキニカウル装着モデルは人気がなかったのです。
それに、
Z1-Rはビキニカウルも排気量も日本国内では販売認可が下りず、
新車での国内には販売されませんでした。
国外向けのZ1000Mk2と同じスタイルの国内向けのZ750FXのような存在はありません。
Z1-Rはビキニカウルの不人気も手伝って、
長らく日本国内で見ることは極めて稀で極めてマイナーな存在でした。
そして、
同じスタイルの国内モデルが存在しないということは、
外装パーツのパーツナンバーすら調べる術がありません。
それなのに独創的な装備が多いZ1-Rはパーツの入手が素晴らしく困難なバイクなのでした。
※当時から比べると今は社外品がたくさんあって夢のようです。
こんな記事もあります▼
Z1-Rの車格
ハンドルも低いし。
シートの作りが独特で足つきは極めて悪いし。
※デザインはともかく改悪というポイントも少なくないのです。
Z1-Rには「オモテナシ。」の意向はありません。
「合わせられないなら乗らなくていいよ。」
という、どこを切っても上から目線の設計なので不用意に人には勧められないバイクです。
例えば、
前述のとおりZ1-Rはタンクが小さいので細めの印象ですが、実際跨って引き起こしてみると意外なほど重いです。
古いバイクにありがちなぎゅっと詰まった感があってなんとなく腰高感があり重く感じます。
これに加えてZ1-Rは足つき性が極めて悪いバイクです。
見た目の細い印象と違い、シートの形状とシートの装着方法により足つきは良くないのです。
※足つきの遠慮のなさは良くも悪くも古い外車のバイクっぽいです。
重さと足つき性の悪さにより、
ライダーにある程度の体格と片足で引き起こせるパワーが必要です。
当倶楽部にはもう一個スペアのシートがあります。
※そのスペアはどうも事故車からもいできたものっポイく大幅な修正が必要ですが。
また、
パワーと言えばZ1-Rはセンタースタンドの支点と力点、作用点のバランスが極めて悪く、
コツがわからないと力自慢の大男でもかけることができません。
※大げさじゃなく、マジで。
こんな記事もあります▼
ベースとなったZ1000(当倶楽部のZ750D1と同じフレーム)だとセンスタは軽くかかるので、
どっかの重量バランスが悪いんだと思われます。
色んな意味でチャレンジングなZ1-Rなので、
KAWASAKIの試験機だったんじゃないかという特徴が山ほどあります。
今のバイクに受け継がれてる点もあるし無くなった点もあるのですが、
Z1-Rのよる試行錯誤の末の結論だったのかもしれません。
こんな記事もあります▼
ちなみに・・
ワタクシも最近納得したのですが、
バイクに乗る人間には大きさはある程度決まっているので、
バイクの大きさは車種によって言うほど変わらないらしいのです。
12インチのホイールを付けたミニバイクっポイ奴以外は、
250ccとか125ccだってフルサイズなら車体はそれなりに大きいものですよ。
身長180cmの人も160cmの人も同じバイクに乗ってるのです。
多少のハンドルの遠さとかホイールベースが長い短いとか、
そういうのはあるにしても「乗っちゃえば似たようなもん。」ということなのですよ。
バイクがデカく感じるのは、
タンクやカウルが大きく張り出してるとか、
幅が広いとかの見た目の印象が大きいのです。
ただし、
重量差はそうはいきません。
排気量が大きくそれなりに馬力があるバイクは重いのです。
エンジンもフレームもホイールもブレーキも頑丈にできてるからですよ。
※特にエンジンの重さは排気量によって全然違うのでそれだけで結構な重量差になるのでした。
Z1-Rはどういうわけか同じ形状のエンジンを積んだZ750D1と比べても腰高な感じの重さがあります。
※サイドスタンドから起こすだけでもみっちり重いものが詰まってる感はZ1-Rの方が上です。
確かにハンドルの高さは違うけれど、重量配分とかが違うのか?と思っています。
慣れちゃえば
「まあそういうもの。」
という感じなのでほぼ気にしないのですが。
Z1-Rの足つき
シートのあんこ抜きをしても根本的な改善はしません。
Z1-RはZ1系ではずば抜けて足つき性が悪いです。
これは、
からと思われます。
バイクの足つきが悪い場合、
シート内のスポンジを削ることである程度改善させる手法があります。
コレを世間では「あんこ抜き。」と言います。
が。
Z1-Rの場合、
シートベース自体が幅広なので「あんこ抜き。」をしても足つきは改善しないのです。
要するに、
「足は股間からいったん両脇に開いた後に下ろすことになる。」
ので足先は地面まで遠回りすることになるのです。
ゆえに。
スポンジを抜けば抜くほどライダーの足はいったん横に向いて伸びることになります。
足が真っすぐにならないため、足つきがさらに悪化するのです。
Z1-Rのカスタム車両にはシートがペラペラになるまで「あんこ抜き。」をしている個体を見ますが、
「足つき悪い上にお尻痛いだろうな。」
と思っちゃいます。
こんな記事もあります▼
実際、当倶楽部では純正のシートは保管したまま、
着座部のスポンジが薄いレース用のシートを搭載しています。
実際、足つきは良くなるどころか、むしろ悪くなりました♪
※わかってたので想定の範囲内です。
「足つき性がいいバイクは総じてシートの幅が狭い。」
のですがZ1-Rはそういう設計ではありません。
Z1-Rの足付きを良くしたいなら「あんこ抜き。」するよりもシートベースを加工するのが手っ取り早いです。
そういうシートベースも売ってますがとんでもなく高価です。
Z系のパーツは楽天が強いね。
これはZ1-Rの足付き改善のためには理にかなってるのです。
シートベースだけでも売っています。
もしくは、
前後のサスを短くして車高自体を下げるという当倶楽部のZ750D1的な手法もあります。
その場合、
ちょっとバイク自体が寸胴に見えるのでZ1-Rのスリムなスタイルのコンセプトをちょっと外しちゃう気もしますね。
Z1-Rのエンジン
が、多少のパワーアップなんてこのクラスのバイクにとっては誤差の範囲です。
Z1-RはZ1000と比べてキャブの口径がちょっと大きくなっています。
それに伴ってか、
タンクからキャブに行くフューエルラインはZ1000が2本に対しZ1-Rは1本になっています。
※Z1-Rはガソリンコックでさえも専用設計です。CVKキャブに変更する際は1本出しがありがたい。
キャブの口径を大きくしたので、
ベース車両のZ1000より2馬力ほど高出力です。
このクラスになると、
10馬力くらい変わっても素人にはよくわからんのですよ。
同じ車体で3馬力が5馬力になるのは誰でもわかりやすいのですが、
100馬力が120馬力になってもその回転域まで回せないなら違いは意外に分かりにくいものです。
いずれにせよ、
後継が大きいキャブということは総じて高回転で本領を発揮するエンジンと言えます。
エンジンの腰上分解は最近23年ぶりくらいにやった。
また、
Z1-Rはここでも試験機っぽくZ1シリーズでは最少のドリブンスプロケ(リアホイール側のスプロケ)を装備しています。
ということは高速仕様に振られているはずです。
※なのですが高速性能は良くないです。
チェーンとスプロケはZ1系の乗るならまず変更したい。
逆に。
ドリブンスプロケが小さいということはゼロ発進時の出足は良くないのでいすよ。
排気量が1000ccもある癖に低速トルクは全然ありません。
車体が重いので相対的にはVT250F並みの出だしに感じます。
※たまに650ccくらいの排気量のバイクを借りると低速トルクの太さに驚くくらいです。
走りだしちゃえばそれなりに走るとはいえ、
加減速を繰り返すような細かい峠だと万人が楽しく走れるのはZ750D1の方が間違いないです。
※Z750D1は丸Zの最終型だけに非常に良く出来ています。
チェーンは530化がおススメ。
燃費もよくなるし、軽いしいいことづくめ。
当倶楽部のZ1-Rの個体の特性 というかキャブのセッティングのせい かもしれませんが3000回転以下のトルク特性はクソです。
※だからこそ難しくて面白いのですが、全然楽させてはくれません。
Z1-Rの最高速
Z1-Rは設計上高速に振られているハズですが高速巡行性能はイマイチです。
ワタクシも最初はもっとスピードが出ると思っていましたが、
実際はぬやわkm/h以上ではアクセル開けるどころか怖くて乗れない代物だったのでした。
その原因は、
Z1-Rの見た目の最大の特徴でもあるビキニカウルです。
Z1-Rのビキニカウルは風防効果はあるのですが高速域での整流効果はイマイチなのです。
どういうことなのか?
ビキニカウルの顎の部分が整流した空気の流れが原因だと思うのですが、
ぬうわkm/hを超えるとハンドル周りに パンクしたのかと思うくらい 上下の振動が激しく出ます。
※「ピッチング。」という。
こうなるとフロントが浮いてる瞬間があるわけで、その時の接地感の無さがおっかないのです。
浮いてるということはハンドル切ってもブレーキかけても効果が薄いということです。
それも、
ぬうわkm/hという速度域で、です。
カタログではPorscheと映ってたりして高速性能をアピールしてるっぽいのだが。
頑張って速度をあげても、
純正の重たいビキニカウルとハンドル周りは一度触れ始めると収まる気配はありません。
速度をあげたらピッチングが収まるかと思ったら大間違いなのです。
やったことないですが、
Z1-Rをノンカウルで高速走行すれば恐らくピッチングは出ないんじゃないかと思います。
そうそう。
Z1-Rの後に出たSUZUKIのGS1000Sのビキニカウルのあごには整流板が付いていますな。
あの整流板はただのデザインではなく、このピッチングを制御するためと考えると合点がいきます。
純正のZ1-Rで最高速アタックをしたいなんて考えは、
相当頑張らねばなりませんが頑張っても所詮無駄なので止めた方がいいですよ。
当倶楽部の個体は、
この現象は変らないので諦めました。
※そもそもワタクシは高速道路は法定速度で淡々と流す派です。
こんな記事もあります▼
こんな記事もあります▼
ちなみに・・
高速走行では一応風防の役割をするビキニカウルです。
純正のビキニカウルは頑丈に作られていますが結構重いのです。
それに、
という補器類も重いのです。
ということは・・。
バイクは重いものがハンドルについているということはハンドリングが悪くなるのです。
Z1-Rはハンドリングが悪くなる原因だらけなのです。
そして、
Z1-Rのビキニカウルは高速走行以外にも悪さをするのです。
このハンドル周りの重さはZ1-Rが長らく不人気だった原因の1つじゃないかと思っています。
こんな記事もあります▼
Z1-Rのハンドリング
バイクというのは乗ってみればすぐわかることでも、乗ってみなきゃ全く分からないのです。
誰が言ったか知りませんが
「ママチャリの前かごに重い荷物満載してコーナーに突っ込む感じ。」
Z1-Rのハンドリングはまさにコレです。
ワタクシ的に言うならば、
「オフ車で深砂利のコーナーを走ってるみたいな感じ。」
です。
低速のコーナーリング中に突然ガクッとハンドルが切れ込みます。
路面にギャップがあると如実に実感できます。
これが慣れるまで結構怖い。
慣れても怖いのですが。
結局「ハンドルを押さえつける様なオフ車乗り。」で対処せねばなりません。
峠走行でハンドルを押さえつけるような走りをすると結構きついし、
バイク自体のセルフステアリング効果を帳消しにするので怖いだけで面白くないのです。
この原因は、
Z1-Rのハンドルにたくさん付いている重たいものです。
特徴的なビキニカウルもその一つです。
ビキニカウルが重たいのに加え、
ハンドルにはステーやライトやメーターステー、メーター、ウインカーキャンセラーユニットなどが付いてます。
これがハンドリングにメチャメチャ影響しています。
整備中にふざけてノンカウルで走ったことがありますがだいぶマシでした。
ただし、
Z1-Rをノンカウルにするには結構大変だったりします。
こんな記事もあります▼
物理の法則を知ってれば、
基本的にバイクの中心から遠い場所には重たいものを付けてはいけないのはわかるハズ。
バイクの端っこに重いものがあるとコーナーの倒し込みにも引き起こしにも影響が出ます。
※ゆえにスポーツバイクにトップケースは言語道断です。ケース内部に入れてる重い物が動くなんてのは最悪です。
当倶楽部の個体は、
してハンドル周りを軽量化しています。
これでだいぶマシになります。
※でもドラレコとか追加もしてるのでもっと軽量化はできるハズ。
もっと言えば、
ビキニカウルステーも取り去りたいのですが、
ライトやウインカーのステーも兼ねているので簡単には行かないんですよねえ・・。
※フルオリジナルで作っちゃおうかという話もあったのですが光軸にも影響するので 20年くらい 頓挫しています。
ちなみに・・
Z1-Rのもう一つの特徴であるZ1系では唯一のフロント18インチ化ですが、
コレはKAWASAKIがハンドリングの悪さを最終的に何とかしようとした足掻きっぽいのです。
わざわざZ1-Rの格好の良さのためだけに18インチキャストホイールを作るとも思えません。
※見た目はほとんど変わらないし。
いくら70年代終盤とはいえ、
ハンドリングの悪さを試走段階でメーカーが把握できてなかったわけはないのですよ。
Z1-R以降、
18インチのフロントホイールを採用したZ1系バイクはありません。
※Z1Rだって19インチです。
ということは、
Z1-Rのハンドリングはどうやっても失敗だったわけです。
当倶楽部のZ1-RはZ1000Mk2のホイールを流用して19インチ化してあります。
※これに角Z用と思われる19インチ用のメッキフェンダーを組み合わせています。
これに合わせて、
ハンドル周りの軽量化、フロントフォークの強化、リアサスの強化を行っています。
これでようやくまともなバイクのハンドリングに近くなりました。
※それでもZ750D1のハンドリングの方が自然です。
こんな記事もあります▼
Z1-Rのブレーキ
それはディスクに穴が開いてないから水が切れずに効かないんだろうと思ってましたが、そんなことはないのでした。
ほんっとにZ1系のブレーキは雨天ツーリングでは恐怖です。
雨天時は 大げさでなく 普通に制動距離が倍くらいになります。
こんな記事もあります▼
なので、
Z1系バイクは雨が降るツーリングは苦手なのです。
※錆びるしな。
とはいえ。
Z1系バイクと長い付き合いのワタクシです。
当然、豪雨の中のツーリングもたくさん経験しています。
ゆえに、
Z1-Rの前に乗ってたZ2時代にコレを何とかしようとしたことがありまして。
「フロントブレーキキャリパーを方押し1ポッド×2から対向4ポッド×2に変更。」
したりしたのです。
結構な金額をかけて一気に10年くらいのバイクの進化をグレードアップしたわけですが、
「驚くほど効果がない。」
のでした。
恐らくブレーキディスクがそういう材質なんでしょうねえ。
※KAWASAKIはブレーキ効かないバイクが多いと思うよ。KDX125SRなんて不許可レベルでブレーキ効かないし。
ここまではZ1系バイクに共通する話です。
Z1-Rについては穴あきディスクが装備されています。
※このたくさん穴が開いてるディスクはZ1-Rだけのオリジナルですな。Z1RはZ1000Mk2と同じ穴あきパターンになります。
「これなら水分がいい感じに切られてストッピングパワーにも期待ができそう!」
と思ったのですが、
「驚くほど効果がない。」
のでした。
Z2時代に使ってた4ポッドキャリパーを組み合わせてもダメです。
一方リアブレーキはそこそこ効くという謎な設計です。
※リアキャリパーは対向2ポッドだし。
こんな記事もあります▼
まあ、いい。
たぶんディスクを交換すれば多少はマシになるハズ、とは思うものの制動距離はあきらめた。
そんなことよりもZ1-RのフロントブレーキはZ1系でもものすごくオリジナルでして。
唯一ヘンテコなブレーキシステムを採用しています。
・・こんななのでフロントブレーキ操作するのに必要なダイレクト感が皆無です。
※微妙なブレーキ操作は途中の動作のいろんなロスで無効化されるレベルのダイレクト感の無さです。
こんなブレーキで
なんて出来るか。
Z1-Rを買う人がいたら真っ先に変更するのがブレーキというのも頷けます。
※Z1Rでもこのシステムは変らないのでした。
当倶楽部のZ1-Rはマスターシリンダをリザーバータンクの薄いGPZ400R用と思われるものに変更しています。
※これにアジャスタぶるブレーキを組み合わせています。
こんな記事もあります▼
ちなみに・・
面倒くさいZ1-R独自のフロントブレーキシステムには採用までにはいろんな意図があった様なのです。
Z1-Rというバイクが如何にデザイン優先の設計思想であったかを思い知ります。
※ハンドルのスイッチ配線をハンドルバー内に通して隠す、という凝った設計ですし。
Z1-Rの世界初とも言えるビキニカウル装着にはいろんなハードルがあったんでしょうねえ・・。
Z1-Rのハンドル周りは超こだわってデザインされているのです。
ブレーキの取回しについても 問題だらけなので無理もないですが 現代に引き継がれているものはありません。
今はデザイン優先の細かいこだわりなんてあるバイクを見かけることはなくなりました。
そういう意味ではZ1-Rのオリジナルを残そうっていうのは理解できるワタクシもいます。
が。
設計思想がどうあれ、実際走ることを考えたら少なくともマスターシリンダは取り換えるのが正しいと思います。
Z1-Rのバンク角
今時のバイクのエンジンと比べるとすんごく堂々としています。
でもバンク角はないです。
そもそも。
空冷並列4気筒エンジンにバンク角を求めてはいけないのです(笑)
特に、
初期の並列4気筒エンジンはクランクの両端が出っ張っていてバンク角なんて論外です。
※右側にはポイント、左側には発電機が入ってる。これらがシリンダ背面に移ってコンパクトになるのは数年先です。
深いバンク角を求めたいのであれば、シングルエンジンか横置きVツインエンジン搭載車を選べばいい。
※エンジン幅が単気筒分しかないので異常にバンク角が深い。
並列4気筒エンジンは幅があるので深くバンクさせるには不利なのです。
なのですが。
素人が峠で遊ぶくらいならバンク角には全く問題ありません。
エンジンを路面に擦らなくてもリアタイヤの両脇迄使えます。
※古いMICHELINタイヤの接地面ギリギリにあったビバンダム君のマークを削り取れるくらいまでバンク出来ます。
これくらいが素人が公道で遊ぶにはちょうどいいのです。
ところが。
Z1-Rはバンク角がとりわけ浅いのです。
純正マフラーのZ1-Rを深くバンクさせると集合部の両脇のガード部を意外なほど簡単に路面に擦ります。
もう少し何とかならんかったのか?と思うのですが、
これもほぼ世界初の集合管 というかただの一本出し マフラーを装備するための工夫だったのでしょうねえ。
※センスタも両立させねばならないし、オイル交換にも影響出てはいけないし。
ワタクシはZ2時代は4本出しの純正マフラーでしたが、
純正マフラーを一回も路面に擦ったことないのでバンク角についてはZ1-Rは退化してるように思います。
純正の一本出しマフラーはクッソ重いしね。
Z1Rになるとほぼ世界初だったZ1-Rの1本出しマフラーは廃止され、
2本出しのZ1000Mk2と同じモノへと変更されます。
おそらく世界中からZ1-Rのバンク角についてのクレーム付いたんじゃないかと思うのです。
前述したとおり「現地改修型で4本出しのZ1-Rが販売された。」のはこれに対応したものと考えると納得がいきます。
当倶楽部のZ1-Rの純正マフラーは穴が開きそうなくらいすり減ったので社外品に変えてあります。
一般的に「KERKERトグロ管。」と呼ばれるオイル交換する際にマフラー外さなくていい奴です。
※バッフルは当然スモールですので純正並みの排気音しかしません。
このタイプは整備の際にセンタースタンドを付けることができて便利です。
※センスタ付けて走ることも可能ですがチェーンと接触するので今は外しています。
こんな記事もあります▼
ちなみに・・
バイクを買ったらマフラーを交換するのが当たり前、という流れは以前よりはだいぶ下火になりましたな。
凄く良い事です。
今時のバイクではマフラーを交換するメリットはほぼないです。
※社外品のマフラーがすんごく安いならまだわかるけど数十万もするならその価値は全くないです。
Z1系のバイクはノーマルマフラーを装備している個体を探す方が難しいくらいマフラー変更車両が多いです。
ただし、
オイル交換の際にマフラーを外さなきゃならないという形状のものも多い。
マフラーを外す手間って 慣れればどうということはないのですが 結構大変なのです。
排気漏れを防ぐためにはマフラー外すたびにガスケットを新品にしなければなりません。
ガスケット代として2000円位オイル代のほかに余計にかかります。
※真鍮製のつぶして密着するタイプのガスケットなので再利用はしないほうがいいよ。
空冷エンジンはオイルが命と言ってもいいので、オイル交換の手間は極力かけないのが望ましいと思っています。
当倶楽部のZ1-RとZ750D1は「オイル交換の際にマフラーを外さなくてもいい。」ということを主眼に選びました。
※あとうるさくない奴。
当倶楽部のガレージにはKERKERトグロ管の新品がストックされています♪
※新品なのに集合部が錆びてきた(笑)
社外品マフラーはコケたり、石跳ねがあったりするとあっさり凹むんですよねえ。
※ちょっとした林道なら普通に入るしねえ。
まとめ
あくまでもワタクシ個人の意見だし、当倶楽部の個体に限った話なので参考までですが。
ハッキリ言えばZ1-Rは乗りづらいと思いますよ。
今時のバイクとは比べ物にならないくらい乗りづらい。
そして。
Z1-Rデビュー当時のバイクと比べても乗りづらいハズです。
だからこそ面白いし、長く乗れると思っています。
設計のミスとかKAWASAKIの詰めが甘いとかはあるにせよ そういう癖があるというか魔味を持つバイクって飽きないのです。
Z1-Rには25年以上乗っていますが一つも後悔はありませんし、乗り換えようと思ったこともないです。
乗りづらい点を一個づつ検証して試行錯誤して解消していく過程でワタクシはいろんなことを学びました。
その一個一個の過程が面白かったし、今でも試行錯誤することは面白いのです。
※さすがに四半世紀も乗ってりゃ乗りづらい点は無くなりつつありますが。
不人気車にこだわってる人は結構そういう人いますよ。
そもそもZ1-Rは長い間不人気車だったんですが、
ここ十数年の間に高級レア車になってしまいましたな。
人気車とか名車とかになるとパーツ代が高くなるのでワタクシとしては早くZブームが終わって欲しいです。
※現金一括500万円以上(税別)なら売ります。
こんな記事もあります▼
ワタクシ的な結論をいえば「飽きないバイクは乗りづらい。」のです(笑)
そして、
自分が気に入って長く乗るバイクは決して世間で人気がなくてもいいのです。
結局、長く乗り続ければどんなバイクも名車になるんですよ。
自分が長く乗ったバイクが不人気なわけないのです。
流行や時流なんてそんなもんだし、
人の評価やネットのわけわからんランキングなんかに左右されずとも自分の価値観が確立されていればそれでいいのです。
こんな記事もあります▼